【完結】処刑後転生した悪女は、狼男と山奥でスローライフを満喫するようです。〜皇帝陛下、今更愛に気づいてももう遅い〜

二位関りをん

文字の大きさ
109 / 161

第95話 ザナドゥの町から

しおりを挟む
「…わかった」

 ここで町長が口を挟んだ。

「こちらが悪かった。レジスタンスに誘うのはやめる。済まなかった」

 町長の謝罪を、私はどこかまだ疑心暗鬼が取れないまま眺める。

「じゃあ、戻ろうか」
「はい…」

 こうして、私達は町長の家に戻る事になった。その帰り道にて、ケインも謝罪の言葉を紡いだのだった。

「済まなかった…」
「…」

 私はケインの謝罪を受けるも、まだ疑心暗鬼が溶けていなかった。

「まさか、レジスタンスに誘うために、優しくしてくれていたの…?」

 そんな言葉が、口から突いてでる。

「それは違う!信じて欲しい!」
「ナターシャ…」

 ケインとリークの言葉を受け、冷静さを取り戻した私はケインにごめんなさいね。と謝る。

「いや、そう思われても仕方の無い事かもしんねえ…」

 ケインはうつむいて、そう答えたのだった。

「今日の事は誰にも言わないでほしい」

 町長にそう頼まれた私とリークはその提案を受け入れ約束し、リークの家へと戻ったのだった。

「…」
「…」

 リークの家に戻ったものの、無言の雰囲気が漂う。

(こういう雰囲気、苦手だ…)

 どう声をかけたら良いか、何を口に出したら良いのか分からない。ただ、私の中ではある考えが浮かび上がっていた。
 それは、このザナドゥの町から出る事である。レジスタンスがある以上、いつかは戦いに巻き込まれる可能性は高くなった。それにあの男の事だ。必ずや嗅ぎつけて粛清しにかかってくるのは想像に固くない。

(だけど、避難してきたばかりだしなあ…)

 しかも、メイルとマッシュにどう伝えるべきか。そこも悩む部分になっていた。
 正直に打ち明ければ、町長との約束を破る事になってしまう。
 そして、ザナドゥの町を出てどこに向かうのか。街によっては狼男への迫害も考えられる。少なくとも帝都は無理だしローティカもどうなのか…。

(どうしよう)

 このタイミングで、私とリークの目があった。リークは視線を逸らさず、私を見ている。

「ナターシャ?」
(言うなら、このタイミングだろう)
「リーク、私ね…この町から出ようと思うの」
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

母を亡くした公爵令嬢は、虐げられないが、今日も願いが叶わない

春風由実
恋愛
「何故お前が生きた?」 それは怪我をして長く眠っていたエルリカが、目覚めた直後に父親である公爵から掛けられた言葉だった。 「お前こそが、女神の元に行くべきだった!」 父親から強い口調で詰られたエルリカ。 普通の令嬢は、ここで泣くか、その後立ち直れなくなるという。 けれどエルリカは違った。 「あなたこそ、何をのうのうと元気にしているのですか?」 そうしてこの日父娘は、それぞれに絶縁を宣言した。 以来、母方の祖父母に引き取られ、侯爵領で過ごしてきたエルリカ。 ところが公爵は、いつまでもエルリカを除籍する手続きを実行しなかった。 おかげで名ばかりの公爵令嬢のまま、エルリカが王都へと戻る日がやって来てしまう──。

【完結】公爵家の秘密の愛娘 

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。 過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。 そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。 「パパ……私はあなたの娘です」 名乗り出るアンジェラ。 ◇ アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。 この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。 初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。 母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞  🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞 🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇‍♀️

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。

ねーさん
恋愛
 あ、私、悪役令嬢だ。  クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。  気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…

【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜

くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。 味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。 ――けれど、彼らは知らなかった。 彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。 すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、 復讐ではなく「関わらない」という選択。 だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。

【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした

ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。 彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。 そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。 しかし、公爵にもディアにも秘密があった。 その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。 ※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています ※表紙画像はAIで作成したものです

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

処理中です...