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第23話 試案作成
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それからなんやかんやあり、今李賢妃は浩明の元に馳せ参じている。
浩明は一体なんだ? と玉座から李賢妃の顔を注意深く見下ろしていた。
「李賢妃、話があると聞いたが……なんだ?」
「え――……結論から申し上げますと、治療院を増築したいのでございます」
「増築だと? 治療院の?」
浩明は李賢妃の口から治療院という言葉が出た事に驚きを覚える。早速なぜ李賢妃が治療院の増築を訴えているのか? という疑問をぶつけてみる事にした。
「私も治療院で仕事するようになりました。それで改善点がいくつかあるように感じたのです」
「なんだと?」
(李賢妃も治療院で働くようになったのか!? あの美華がいる治療院に!?)
李賢妃が治療院で皇后である美華と共に働くという事実に対して、浩明は背後から誰かに殴られたかのような強い衝撃を受けた。
「……他の妃達も働いているのか?」
(そのような話は聞いてはいない。内緒にしているやもしれん)
「今は私だけですが、そのうち増えてもおかしくはないかと」
(な、何が引きつけられるのだ……)
李賢妃から、許可は頂けますでしょうか? と問われた浩明は、すぐに予算に空きがあるか否かを家臣に命じて調べさせた。
ここで拒否すれば、妃達からの評判に関わると踏んだからである。
「陛下、お待たせしました。大丈夫でございます。どこまで増築するかにもよりますが……」
「わかった。とりあえずは試案を出せ。それによって許可を出すか否かを考える」
「か、かしこまりました……!」
治療院に戻った李賢妃はこの事を美華に伝える。
「それで、試案は誰がするのですか?」
「ふむ……私は目が見えませんからねぇ……こういうのは建築に詳しいお方に聞くべきかと」
すると、美華付きの女官のひとりが、劉貴妃様ならわかるのではないですか? と口を挟んだ。
(劉貴妃様ね、確かによく本をお読みになると聞いたわ。皇后様と一緒にお願いすれば……)
「皇后様。夜、劉貴妃様の元に参りましょう」
自分に頼まれる前に先手を打った李賢妃。美華はぜひご一緒しましょう。と返した。
「李賢妃様がいれば、より安心出来ますね」
「えっ、わ、私を信頼してらっしゃるのですか?」
「はい、そうですよ? 当たり前じゃないですか」
(治療院荒らしたのに? 嘘でしょ……)
器が大きい慈悲深さなのか、それとも何かがあるのか……だが李賢妃からして悪い気はしないのは確かである。
夜。2人は劉貴妃の元に伺った。
「皇后様と李賢妃様でございますか。どうぞ中にお入りくださいませ」
建物の中に入った2人は、彼女に建築について何か知っている事はあるかを尋ねると、劉貴妃は首を縦に振った。
「専門家ではございませんが、私でよろしければ」
「劉貴妃様、よろしくお願いします」
「私からも……皇后様のお力になって頂ければと」
「話は夕食を食べながらに致しましょう。腹が減ってはなんとやら、でございますわ」
こうして3人は夕食を囲みながら治療院の増築改装工事の試案を決める事になった。美華の手には今回もあの小さな模型が握られている。
「とりあえず予算自体はあまりかけられないのですわよね」
「陛下のお顔を見た限りは、おそらく……」
「そういえば、治療院の後ろに冷宮がありましたわよね?」
劉貴妃からの言葉に、美華と李賢妃はえっ? と空気が抜けたかのような返事をしたのだった。
浩明は一体なんだ? と玉座から李賢妃の顔を注意深く見下ろしていた。
「李賢妃、話があると聞いたが……なんだ?」
「え――……結論から申し上げますと、治療院を増築したいのでございます」
「増築だと? 治療院の?」
浩明は李賢妃の口から治療院という言葉が出た事に驚きを覚える。早速なぜ李賢妃が治療院の増築を訴えているのか? という疑問をぶつけてみる事にした。
「私も治療院で仕事するようになりました。それで改善点がいくつかあるように感じたのです」
「なんだと?」
(李賢妃も治療院で働くようになったのか!? あの美華がいる治療院に!?)
李賢妃が治療院で皇后である美華と共に働くという事実に対して、浩明は背後から誰かに殴られたかのような強い衝撃を受けた。
「……他の妃達も働いているのか?」
(そのような話は聞いてはいない。内緒にしているやもしれん)
「今は私だけですが、そのうち増えてもおかしくはないかと」
(な、何が引きつけられるのだ……)
李賢妃から、許可は頂けますでしょうか? と問われた浩明は、すぐに予算に空きがあるか否かを家臣に命じて調べさせた。
ここで拒否すれば、妃達からの評判に関わると踏んだからである。
「陛下、お待たせしました。大丈夫でございます。どこまで増築するかにもよりますが……」
「わかった。とりあえずは試案を出せ。それによって許可を出すか否かを考える」
「か、かしこまりました……!」
治療院に戻った李賢妃はこの事を美華に伝える。
「それで、試案は誰がするのですか?」
「ふむ……私は目が見えませんからねぇ……こういうのは建築に詳しいお方に聞くべきかと」
すると、美華付きの女官のひとりが、劉貴妃様ならわかるのではないですか? と口を挟んだ。
(劉貴妃様ね、確かによく本をお読みになると聞いたわ。皇后様と一緒にお願いすれば……)
「皇后様。夜、劉貴妃様の元に参りましょう」
自分に頼まれる前に先手を打った李賢妃。美華はぜひご一緒しましょう。と返した。
「李賢妃様がいれば、より安心出来ますね」
「えっ、わ、私を信頼してらっしゃるのですか?」
「はい、そうですよ? 当たり前じゃないですか」
(治療院荒らしたのに? 嘘でしょ……)
器が大きい慈悲深さなのか、それとも何かがあるのか……だが李賢妃からして悪い気はしないのは確かである。
夜。2人は劉貴妃の元に伺った。
「皇后様と李賢妃様でございますか。どうぞ中にお入りくださいませ」
建物の中に入った2人は、彼女に建築について何か知っている事はあるかを尋ねると、劉貴妃は首を縦に振った。
「専門家ではございませんが、私でよろしければ」
「劉貴妃様、よろしくお願いします」
「私からも……皇后様のお力になって頂ければと」
「話は夕食を食べながらに致しましょう。腹が減ってはなんとやら、でございますわ」
こうして3人は夕食を囲みながら治療院の増築改装工事の試案を決める事になった。美華の手には今回もあの小さな模型が握られている。
「とりあえず予算自体はあまりかけられないのですわよね」
「陛下のお顔を見た限りは、おそらく……」
「そういえば、治療院の後ろに冷宮がありましたわよね?」
劉貴妃からの言葉に、美華と李賢妃はえっ? と空気が抜けたかのような返事をしたのだった。
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