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お茶会よりも戦闘を
聖女VS騎士団長
俺達聖女御一行を出迎えてくれたのは、熊のように大きく俺と同類の香りがする男性。
あそこで横一列に並ぶ騎士達とは違って普通にこっちにやって来る。
「おーこれはこれは、アルフ様にスフィア様、そして聖女様。お待ちしておりましたぜ。」
改めて目の前まで来るとかなり凄みを感じる。これ小さい子供とか泣き出しちゃうよ。
スゥ様は顔馴染みなのか恐れてる様子は無い。
でも、見かけは熊みたいで怖がる人も居るだろうけど、気さくそうなおじさんで好感は持てる。
熊さんは少し感心したように俺を見下ろす。
「おー流石聖女様ですな、大抵初対面の子供には悲鳴を上げられるのですが一切びびった様子が御座いませんな。ノートンの言う通り勇ましいお方だ。」
へぇーノートンくん、レディーに向かって勇ましいってかい?
ギロンと目を光らせノートンを睨むとすぐに目を逸らしやがりました。
アルフも吹いてんじゃねぇよ。
「こらこらガルム、まずはちゃんと挨拶しろ。勇ましい子供だろうと聖女様だぞ、ぷふ」
アルフ、オマエコロス。
「おお、これは失礼した。改めて聖女様、俺はシェアローズ王国騎士騎士団長を務めるガルム オーガストです。どうぞよろしくな。」
「初めましてガルム様。私は洗礼式にて聖女の証を承りましたアリスと申します。どうぞよろしくお願い致します。」
高圧シスター直伝の淑女の礼をする。
どうですか、勇ましさの欠片もございませんでしょう?
ガルムさんはきょとんと不思議な顔して見ている。ん、どうしたの?
「おかしいですな、ノートンからの話だと男勝りの腕白少女と聞いたんですがね。」
「ふふ、ガルム様。少々失礼致しますわ。」
ほほほと笑いながら、口笛吹くように視線を逸らしていらっしゃるノートン様に近づく。
「いや、そのアリス様?団長にはちゃんと丁寧にお伝えしたつもりなのですが‥」
「あら、ノートン様そんなに汗をお流しになられてどうなさいましたの?」
「いえ、あのすみません。ちょっと面白おかしく‥」
パン、パパンと破裂音みたいな音がした後、ノートンがお腹を押さえながら横たわる。
「まあどうされましたの?腹痛かしらすぐに治して差し上げますね。」
額が輝き、気絶して蹲るノートンを包み込む。
はい、治療完了。
まだ気絶しているノートンの隣で一部始終を見ていた騎士の方と協力して木陰まで運ぶ。
どうしてそんなに震えていらっしゃるのかしら?
また一つの命を救い、それを黙ってみていたガルムさん達の元に戻る。
近くでアルフがボソッとすみませんでしたと呟く。分かればよろしい。
「ガッハッハ、あのノートンを何の抵抗も出来ずに気絶させるとはなかなかの腕をお持ちのようですな。」
先ほどの光景を思い出すように想像通りの笑い声で笑っている。
本当に熊みたい。
ひとしきり笑い終えたガルムさんは、ギラリと熱を帯びた目で俺を見てくる。
「どうですか、聖女様。俺と一戦やりませんか?」
ほう、それは非常に面白い提案ですわ。
やはりガルムさんも俺と同類の方のようだ。
その言葉に慌てたアルフが止めようとしてくる。
む、相変わらず無粋な。
「おいガルム何を言っている?今日はただの顔合わせだぞ。そんな提案したら‥」
「ガルム様、是非お相手願いますか?」
「ほらぁ‥」
ガルムさんと悪巧みする悪戯っ子のような顔で笑い合う。
アルフはこいつらどうしようもないなといった感じで呆れ返っている。
しょうがないよ、これが私達ですから。
アルフとスゥ様、そして整列していた騎士達は、気絶するノートンの所まで退がる。
俺とガルム様は一定の距離を空けて、お互いに向かい合う。
戦闘が楽しみで仕方ないといった顔をするガルムさん。
多分、俺も似たような顔をしてるだろうね。
開始の合図はアルフの声。
チリチリとガルムさんの闘気が俺の肌を焼き焦がすように感じる。ロコルお姉ちゃん以上の強者。
俺の強く握る拳がびきびきと唸りを上げる。
さあ、楽しみましょうね!
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