今日も聖女は拳をふるう

こう7

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戦乱の帝国にて聖女と三姉妹は踊る

鬱は嫌いですごめんなさい

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仕方がないと勝手に諦めて納得した現状。
でも、姫様達のお陰で覚悟を決めました。段々ムカムカして来る、観光目的でやって来たのに身勝手な戦争が始まるわ殺される羽目になるわで理不尽過ぎる。

平民で庶民で何が悪い?
こちとらどう足掻いても聖女様だい。
絶対ここ切り抜けたらフォルクスの野郎をぶん殴ってやる。

「おやおや、急に元気になりましたね。ですが、お忘れですか?こちらには人質が居ます、攻撃しようものなら即座にこの首を刈っ切ります。例え死んでも道連れにします。」

くっ…奴らの覚悟も本物のようだ。
身体強化を施して距離を一気に詰める?でも、それでもほんの少しの間がある。

どうする?

「知ったことじゃありません。死ぬなら勝手に死んで下さい。」

「「えっ?」」

俺とガナッシュの間抜けな声が揃う。


ミーナちゃんは振りかぶった。その手にはそれはそれは大きな大槌があったとさ。

「てい!」

可愛らしい声でブォンと大槌を投げ放つ。方角はトワレ様とノルン様に刃を向ける兵士達。

それは恐ろしい速度を保って兵士達へ迫る。

「「「ぎゃあっ!?」」」

トワレ様達を巻き込むように大槌が着弾。
誰の悲鳴か定かではないけどとても見事な悲鳴だ。

「お姉様、すぐに近付いてトワレ様達の治療を。死んではいないですよ……骨は逝ってると思いますけど…。」

この子怖いよ。
味方諸共精神をお姫様にまで適用させるなんて。
やりすぎだよ。

「少なからずお姉様にご迷惑を掛けたのです。今後のお姫様達に期待しましょう。」

どの立場からこの子は言っているんだろう。
初めて会った時の庇護欲駆り立てる少女は死んだんだね。

悲哀が満ちるもそんな事を言っていられない。

立ち込めていた土煙が霧散したらピクピク地面で倒れる帝国の兵士達とトワレ様達の姿が。

これはやべぇ。
身体強化して一気に駆け寄る。周りの帝国兵を一切無視してトワレ様達の治療をする。

本当にあらぬ方向へ曲がっているよ。恐怖で病んでいないと良いけど…。

額が輝きトワレ様達の身体を癒やしていく。これで腕も足の向きも元通り。
気を失って意識は無いけど、どうにか死は回避出来た。

「貴方方は本当に人間ですか?普通、人質諸共ぶっ飛ばしますか?」

ガナッシュが一番の正論を言う。
それをスゥ様達は鼻で一笑。

「ふん、お姉様は女神様です。そして、私達はその女神様の使徒です。人間な訳無いでしょう!」

いえ、ただの人間です。

「そうです。女神アリス様の道を阻む者達は私達女神の僕が排除します。」

ろ、ロコルお姉ちゃん?

「く、狂ってる…。」

うん、俺もそう思う。
でも、不思議と心強い。

………………………よし、一旦忘れた。
今のやり取りは俺には聞こえなかった。うん、聞こえなかった。


さて拳を構えて周りの雑兵共を殴り飛ばそう。
スゥ様達がこんななのはお前らのせいだ!


帝国へかつてない八つ当たりが迫る。

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