15 / 100
迷宮2
しおりを挟む一夜二夜とどんどん明けては進んでを繰り返し迷宮を進めていく。
攻略していく内に迷宮の新たな特性を発見した。
10層ずつ下る毎に所謂ボス部屋ってのに当たるようだ。
実際、二日目に10層へ到着したら横穴などではなく大きな広間に出た。
正面には階段がすぐにあったが、行く手を阻むように巨大な18禁御用達のオークが現れた。
続いて4日目で到着した20層目にはまた同じように広間へ出て、銀色のゴーレムを5体相手した。
とは言っても、その全てをクロコが処理してしまう。ここまで俺の出番は一切無し。主人を甘やかすのは程々にしてもらいたい。でないと、いつまでも甘えてしまう。
そして、現在36層目。
迷宮に入り始めてもうすぐ一週間経つ。
この進行速度が早いか遅いかは分からないけれど、大分見掛ける冒険者は減って来た。
絡まれたくはないので気配を殺して避けているので相手側が気付く事はない。
魔物も多分強くなっていると思う。
偶にクロコが優しさからか俺に見える範囲まで通してくれるけど、単眼の巨人とか真っ黒な数メートルはある蛇とかいかにも強そうなのが居たからおそらく強くなっている。
『ねぇ、クロコ。そろそろ俺も戦って良いんじゃない?クロコばかりに負担を掛けるのは偲びないんだけど…。』
『いえいえ、旦那はドシッと構えて下さればそれでいいんすよ。龍や神でもないそこらに散らばる石程度の存在にわざわざ旦那が出る必要はありやせん。あっしで充分です。』
確かにセーフティアではイベントボスで神やら龍やら挑みまくってたね。
でも、ここはもう俺にとっては現実。
ゲームとの差異を考えたらしっかり全力で相手したいんだけどなぁ。
『だったら、せめて階層ボスは俺にやらせてよ。クロコの働きぶりには感謝しかないけど、何もしないで腕が鈍るのは駄目だ。だから、ボスは俺がやる決定!』
まくし立てるように主の強権発動。
『旦那………はぁ分かりやした。主の決定には逆らえません。ですが、決してご無理だけはなさらないで下さいっす。』
『おう任せて!ちゃんとクロコの主らしい威厳を見せなきゃね。』
(旦那は十分に我らが主に相応しい御方と思いやすけどね…。)
過保護なクロコ母さんの説得完了。
ついに俺の迷宮攻略が始まる。相変わらず案内はクロコ頼りだし、次のボス部屋がある40層までもう少しあるけども。
今度は戦えるって希望があるならなんのその。
クロコも主人の思いを汲んでくれたのかちゃんとどんな魔物が襲って来ているのか見える範囲まで待ってくれるようになった。
やたら腐った人や骨だけの人が襲って来るあたり現在の階層はアンデッドって奴ばかりが出現する層なんだろう。
そして、40階層のボス部屋。
ワクワクしながら俺達を待ち受けていたのは、やたら豪華な装飾を施された服を纏い頭には王冠を被った骸骨。
手には魔法使いみたいな杖を持ち。
こういう時、異世界では必需品の鑑定能力があると助かるんだけどなぁ。
この迷宮攻略が終わったら解放の中身をしっかり確認しておこう。
もしかしたら、鑑定ってスキルが解放で売っているかもしれない。
俺の思考を遮るように骸骨が先手を打ってきた。
見るだけでゾクゾクっとする黒い靄、それが波状に大広間全体へ波打つ。
多分、状態異常や即死を主とする闇系統のスキルに似た技だろう。
しかし残念、セーフティアではそんな類の相手なんて素材集めの為に腐るほど戦って来た。
ちゃんと対策は整っております。
『聖神フィルオールの指輪』
フィルオールを計248回討伐しまくってやっと手に入れた状態異常呪い即死無効の激レアドロップアイテム。
これが無いとその他の神々討伐イベントでは死ぬ未来しか無かった。全ての神々が毎回即死系スキル持ちだから運営に何度呪詛を吐いたことか。
そんな頼もしい指輪だ。
そこらへんの王様を気取る骸骨程度には負けん。
念の為にクロコを俺の影に溶け込ませておく。
そしてついに黒い波が俺を襲った。
うん、ちょっと煙かったけどなんともありません。ステータスもチェックしたけど状態異常一切無し。
大丈夫と思っててもつい安堵。
さて王様風骸骨にケリを付けるとしますか。
闇系だから光系統のスキルで行けると思う。
スキル『女神の吐息』を発動。
発動と同時に頭上へ現れた目を細めてしまうくらい眩い光の粒子に包まれた金髪の美女。両目は閉じていて少しまつ毛をふるふるさせている。
どことなく憂いを帯びた美女は王様骸骨に向かって優しくフゥーっと息を吹きかける。
危機を感じた骸骨は黒い靄で壁を作るも、宝石のように色鮮やかな吐息は何の抵抗も無くそれを通過して骸骨に直撃した。
役目を終えた美女は徐々に薄っすらとなりやがて消えていってしまった。
相変わらずセーフティアの演出は凄いね。
感心しながら骸骨の方を見ると、もう既に彼?はバラバラになって息を引き取っていた。
元々アンデッドだから死んでるけど冥福をお祈りします。
あ、王冠や杖は貰っていきます。
さぁ、次行ってみよう。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
{完結保証}規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜
Saioonji
ファンタジー
母に殴られ、命を奪われた――そのはずだった。
だが目を覚ました先は、白く豪奢な王城の一室。
赤子の身体、仕えるメイド、そして“皇子”という立場。
前世では愛されず、名前すら価値を持たなかった少年が、
今度は世界の中心に生まれ落ちてしまった。
記憶を失ったふりをしながら、
静かに、冷静に、この世界を観察する皇子。
しかし彼の中には、すでに常識外れの思考と力が芽生えていた。
――これは復讐でも、救済でもない。
自由を求めただけの少年が、
やがて国を、歴史を、価値観そのものを揺るがしていく物語。
最強であることすら、彼にとってはただの前提条件だった。
重複投稿作品です
小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる