68 / 100
楽しい旅行2
しおりを挟む王都の中へ続く門。
その前で並ぶ人々の列に俺達も混じる。
しかし、俺が犯罪者云々の前にこの面子はどう足掻いても目立つ。
小さい子から大人まで皆美少女に美女、おまけに可愛らしいわんこまでいる。
まじまじと見る者は居ない者のチラチラッと見物している。
その見物者達は美少女達を堪能して最終的に俺を見る。そこでまた視線が集まる。もちろん好感的などではない。
俺が賞金首の犯罪者だと頭に浮かんだのか大抵視線を逸らしたり、距離を置いたりする。
「ご主人様、やはり強行の方が良かったのではないですか?」
「俺もそんな気がしてきた。」
だって、前の方から多めの足音が聞こえてくるもん。
ちょっと覗き見たら十数名ほどの兵士が向かって来ていた。方向からして間違いなく俺達の所だろう。
理不尽な目に遭う時以外ではちゃんとルールを守ろうとしたのが裏目に出てしまった。
どんどん兵士達はこちらへ向かって来てやがて目の前で立ち止まる。
俺を見る目つきは犯罪者に対するそれ。
何も悪くないの酷い。
厳しい視線を注いでくる兵士達の中から一人が一歩前に出た。
「貴様は国家反逆の罪に問われているユウであるか?」
ここで違うって言っても無駄かな。
一応、否定しておこう。
「いえ、そんな私はただのしがない旅人でして…。」
「嘘をつくな!手配書と一致しているではないか!!」
俺そっくりの似顔絵を突き出してくる。
最初から分かっていたならわざわざ聞かなきゃいいのに。
「はいはい、別に国に対して反逆も何もしていないですがユウは俺です。」
「貴様その態度…。ふっ、だがここで見つかったのが運の尽きだ。大人しく投降してもらおうか。」
ユウと愉快な仲間たち計7名を囲うように兵が陣を組む。
絶体絶命のピンチ、主に兵士側が。
「えーと、もし何も見なかった事にして普通にここを素通りさせてくれた被害が少なく済みますよ。」
皆が平和を目指して交渉。
これで成立したら御の字。
「何を戯けた事を言うか!まだ巫山戯た事をぬかすならこの剣でぶった斬ってやるわ!!」
だろうね。
捕らえる話はどこへ行ったのか、さっきから怒鳴っていた隊長っぽい兵士が真っ先に俺へ斬りかかって来た。
あーあ、しーらない。
「巫山戯ているのは貴様です。私達のご主人様に刃を向ける愚か者よ。その命をもって償いなさい。」
「え?」
間抜けな声を発した顔はそのまま地面へ着陸した。
往来の場でガンガン人目につくのに斬首って。
その光景を見ていた観客の中には吐いてる人もいる。
気にするのは俺にだけで周りは気にしない、そんな配下です。
「さて他にもふざけた事を吐かす方はいらっしゃいますか?いるならどうぞいらっしゃいませ、私達が全て黙らせて差し上げます。」
誰もが見惚れる美女の微笑みが今はとても怖い。
完全に怖じ気付いた兵士達は動けない。攻撃も逃走もしないただの蛇に睨まれた蛙状態だ。
兵士に限ったことではなく並んでる人達も目の前で起きた惨劇に凍り付いていた。
「ご主人様、もう進みましょう。」
「え、あ、うん。」
「どうせ彼らは素直に通して下さるでしょうし。ねぇ、そうでしょう貴方達?」
「「「ひぃっ!?」」」
ようやく聞こえたのは悲鳴。
アイリス達がニコニコしながら歩みを開始したら一瞬のうちに道が出来てしまった。
王都観光は幸先から災難。
どうせこの後も災厄続きなんでしょ。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
{完結保証}規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜
Saioonji
ファンタジー
母に殴られ、命を奪われた――そのはずだった。
だが目を覚ました先は、白く豪奢な王城の一室。
赤子の身体、仕えるメイド、そして“皇子”という立場。
前世では愛されず、名前すら価値を持たなかった少年が、
今度は世界の中心に生まれ落ちてしまった。
記憶を失ったふりをしながら、
静かに、冷静に、この世界を観察する皇子。
しかし彼の中には、すでに常識外れの思考と力が芽生えていた。
――これは復讐でも、救済でもない。
自由を求めただけの少年が、
やがて国を、歴史を、価値観そのものを揺るがしていく物語。
最強であることすら、彼にとってはただの前提条件だった。
重複投稿作品です
小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる