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第二の故郷、ユーリル大森林
見つめる瞳が訴えている
しおりを挟むいよいよサイデルへと帰還。
帰るのにだいぶ渋ってしまった。
でも、そろそろ帰ろうと思う。この空間に甘え過ぎてはいけない。
ただ帰りはヴァルさんも一緒に来てくれるから少し安心。
さて、うさぎさん達に別れを告げなきゃね。
でも、その前に上に乗ってるチビうささんを降ろさないと。
そっと掴むけど、頑なに頭にしがみつき離れようとしない。
「チビうささん、僕は街に帰るからお別れだよ。また何度でも会いに来るよ。」
「クゥークゥー‥」
嫌だ嫌だと言わんばかりに首を横に振る。
僕だってチビうささんと森を一緒に探検して離れたくないけど、君にはせっかく家族がいるんだよ。
困ったなあ、どうしよう。
「「クゥーク」」
困ってる僕を見かねてうさぎさん夫妻がチビうささんに語りかける。
何を話しているかは分からない。
でも、隣でヴァルさんが咽び泣いているから、すごく激しい説得を繰り広げているのだと思う。
ヴァルさん、はいハンカチ。
話し合いが終わったのか、うさぎさんが僕を見上げてポフッと前足で触れてくる。
ん?どういうこと?
「うさぎさん殿はお前に娘を任せたと言っているぞ。親娘の愛のある舌戦、真に素晴らしいものである。」
えーと、つまりチビうささんついてくるってこと?
「えーとうさぎさん。チビうささんも一緒に街へ連れて行っていいってこと?」
「クゥー‥」
こくりと頷くうさぎさんは少し寂しそうに見えた。
うさぎさんは僕を信用して任せられると思って託してくれたんだ。
「うさぎさん‥ありがとう。僕は絶対この子を守るからね!」
「ククゥー!」
お互いに固い握手を交わす。
そして抱き合い誓う。
君の大切な宝物は必ず守ってみせる。
そして、僕達はユーリル大森林を後にする。
森のみんなが見えなくなるギリギリまで僕達は手を振りながら離れていく。
ヴァルさんの大泣きで頭がけっこう湿ったけど今回は許してあげよう。
だって、僕も顔をくしゃくしゃにして泣いたもん。
チビうささんは無邪気に泣いてる僕らを見て笑ってたけどね。
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