対人恐怖症は異世界でも下を向きがち

こう7

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忍ばない包囲網

小話 ゴートンさんの受難

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俺は目の前の人の形をした化け物に告げる。

「ララ、ここ最近のギルド内での暴力沙汰の殆どがお前によるものだ。よって、しばらくの間、謹慎処分とする。いいな?」

あの坊主、13歳という若さで最短最年少で上位クラスの仲間入りしたコータ。
コータがこのギルドに来てからララが変わった。
今まではAクラス冒険者という実力を持ちながら受付嬢として冒険者達を支える優しいお姉さんだった。
なのに、今じゃああの坊主のためなら誰だろうと塵と化す愛の凶戦士となってしまった。
特に坊主がユーリル大森林に行ってる間はギルド内が随分と戦々恐々としたもんだ。
宿屋のおばちゃんは愛の力ってのは偉大さねなんて言ってるが、度がすぎるだろ。


だから、ギルドマスターして言ってやったぜ。
膝が震えたけどな、陰で応援してくれる冒険者達のためにも俺は頑張るんだ。


「そうですか、分かりました。それではしばらく受付を休ませて頂きますね。」

そう言ってニコリと笑って去っていった。

ふ、ふふ‥

「お前ら、俺はやったぜー!」

「「「うおおおお!!!」」」

「ギルマスかっけぇぜ!」「あんたは男の中の漢だぜぃ!」「うほっ良い男だわん、抱かせてー!」

俺の勇姿をみんな褒め称えてくれる。

へへ、ありがとな。


数日後、なんと王女であるソフィア様自ら護衛依頼を出してきた。
指名はあの坊主。
姫様直々の指名はすごい名誉なことなのに、不思議と沸々と同情心が湧いてくる。
なんでだろうな。

今回の護衛は受けることになったみたいだ。
活き活きとする姫様と疲れきっている坊主が仲良く一緒に出ていった。



「王都までの護衛ですか‥」

俺の背後からボソッと声がした。
背中を迸る寒気に思わず振り返る。

ら、ララがいた。謹慎中のララがいたぁ‥。

「おい、お前は謹慎中のはずだぞ‥」

「ええですから、冒険者として訪れたんです。たまたま面白そうな話が聞けて良かったです。ゴートンさん、私もその護衛依頼受けますね。」

「いや、あれはもう坊主が受けることになったしな‥」

「そうですか、受けますね。」

あれ、俺の声通ってるか?

「待て待て、護衛は行って帰ってくるのに一月以上かかるんだぞ。受付嬢の仕事はどうすりゅふっ!?」

やだ、この子殺気がすごい!

「ソウデスカ、ウケマスネ。」

「う、受付は良いとしても、い依頼主が許可しないとダメなんだからな!」

「はいもちろん、ご心配なく。ちゃんと交渉いたしますから、それでは。」


震える俺をよそに誰よりも漢らしく宣言して出て行く。

ふえぇ‥こ、怖かったよぉ‥



お前は頑張ったよと慰めてくれる冒険者達がとても愛おしかったです。


坊主、頑張って諦めろよ‥







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