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忍ばない包囲網
小話 三人娘と大森林2
しおりを挟む僕はこっそりとうさぎさん達に会いに行こうかと思ったけど、残念ながら捕まりました。
この世界の女性の化け物率が神様を筆頭に高い気がする。
男性が怯えている風景の方が見る事多いもん。
一度姫さま達は騎士さん達に何か伝えた後、戻ってきて僕を逃がさないような陣形を組みついてくる。
もう護衛を放棄なんてしないので勘弁してください。
対人恐怖症は少しずつ治せればいいなぐらいでこんな荒療治は望んでません。
うぅ、泣きたくなってきたよ。
「クゥークゥーク!」
これはチビうささんとは違う鳴き声。
僕がよく知っている親友の声。
声のする方に顔を向けると、ヨッと前足を挙げるうさぎさんの姿がそこに。
う、うさぎしゃぁん‥
僕は僕の周りに組まれた謎の陣形をすり抜けてうさぎさんに一直線で走る。
「「「なっ、私達のトライアングル・ウォールを掻い潜るなんて!?」」」
驚く三人娘を無視してうさぎさんに抱きつく。
今は人目も気にしてない。
それほどまでに心労困憊だった。
抱きついた勢いで倒れてそのままゴロゴロゴロゴロ。
近くで鼻血がボタボタボタボタ。
その光景を見たヴァルさんはボソッと混沌と化しておると呟いていた。
その後の記憶はあまり覚えていない。
もふもふ補充モードになった僕は、ひたすらうさぎさんや様子を見ていたリスさん達小動物組と戯れたり、みんなで仲良く集合写真を撮ったりと最高。
嫌なことを忘れてひたすら幸福しかなかった。
僕が正気を取り戻した時にはもうすっかり夜だった。周りでは寝息をスゥースゥー立てながら眠るリスさん達でいっぱい。
ふと思う。
そういえば、姫さま達は?
すっぽりと頭の中から放り投げていた存在を思い出す。
周りをキョロキョロ見渡すと大きな大きなそれは大きな血溜まりの中に倒れた三つの死体。
あ、ぴくぴくしてるから生きている。
幸せそうな顔で今もなお流し続けている。
‥‥‥‥‥うん、おやすみなさい。
僕はもう一度リスさん達と一緒に眠りにつく。
現実逃避じゃないよ。
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