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第二章 新しい生活の始まり
健の告白
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五月の終わり。ベランダから見える公園の木々が、新緑に彩られて爽やかな春風に揺れている。
その日もいつも通り、健と二人で夕食を取り、リビングでまったりと過ごしていた。規則正しい生活をしている健が、いつもなら部屋に戻る時間になっても、リビングに留まっていた。
かけていたプレイリストが最後まで終わり、急に部屋が静寂に包まれた。開け放った窓からは、少しひんやりとした風が吹き込んでいる。直人は肌寒さを感じ、窓を閉めようとソファから立ち上がった。
「先輩……」
健が直人を呼んだ。その声は、いつもと明らかに違っていた。低く、掠れて、何かを決意したような響きがあった。
「ん? どうした?」
直人はいつもと違う健の雰囲気に気づきながらも、できるだけ自然に応じた。もしかすると、最近の憂鬱そうな表情の原因を話してくれるのかもしれない。
「……俺、元カレのことが、まだ忘れられないんです」
「え?」
直人は一瞬、耳を疑った。
――今、『元カレ』って言ったのか?
体が強張るのを感じた。顔の端がピクリと引きつるのが分かる。
「すみません。俺、ゲイなんです……」
健は苦笑いを浮かべた。
「急に言われても、びっくりしますよね」
健の表情は、今まで見たことがないほど暗いものになっていた。
「別に隠していたつもりはなかったんですけど、言いそびれてしまって……すみません」
そう言う健の表情が、とても寂しそうに見えた。それから、ポツリと元恋人のことを話し始めた。
「高校の時から付き合っている人がいたんです。大学になって、ここで一緒に暮らしていたんですけど、今年の三月に別れました」
ソファに座って俯いていた健は、膝の上で組んだ手に力を込めていた。
「浮気されたんです。しかも、俺の大学の親友と……」
「……そうだったんだ」
直人は何と言葉を返せばいいのか分からず、ただ健の言葉を聞くしかなかった。
「もう、その時は本当に逆上しちゃって、この家から追い出したんですよ。彼のことが好きだったから、悔しくて……勢いで別れちゃったんです」
健は当時のことを思い出したのか、涙声になっていた。
「健……」
「別れた時は、もう絶対に信じられないって思いました。俺の親友と浮気するなんて、どんな神経してるんだって。だから俺も、すっぱり忘れて新しい恋をしてやる! って意気込んでたんですけど……」
健は一度言葉を切って、深く息を吸った。
「時間が経てば経つほど、忘れられなくて。あの人がいない生活に慣れることができなかったんです」
健の心の傷は、相当深かったのだろう。直人は人を好きになったことがないから、その感覚は分からなかった。でも、健の苦しみは痛いほど伝わってきた。
「辛かったんだね……」
「先輩といると、心が安らぐんです。一緒にいてホッとするというか……」
ゆっくりと顔を上げた健は、フニャッと微笑んだ。こんなに安心し切った笑顔を見せるなんて、よっぽど直人に心を開いてくれているのだろう。
そして健は、直人の目をまっすぐ見つめて言った。
「ねえ、先輩。俺と付き合ってみませんか?」
「えっ?」
唐突すぎる提案に、直人の頭の中は真っ白になった。
――僕と、健が、付き合う?
付き合うということは、恋人同士になるということだよな、と反芻する。考えれば考えるほど、今の流れでなぜそんなことを言われているのか、訳が分からなくなった。
しかも、直人は男で、健も男だ。健はゲイだと言っていたが、直人は――。
今まで誰かを好きになったことのない直人にとって、健から付き合ってと言われても、嫌な気持ちにはならなかった。それどころか、健との今の生活はとても気に入っている。心地よくて、安らいでいて、一人の時とは全く違う充実感がある。
直人が戸惑っていると、健は畳み掛けるように言った。
「お願いします! 好きじゃなくてもいいから……」
直人の頭の中は、さらに混沌とした。
今のは告白だったのか? 「好きじゃなくてもいいから」ってどういう意味?
理由を聞いてみたいと思ったが、喉がぎゅっと狭まって、思うように言葉が出てこない。健の顔を見ると、今まで見たことがないくらい真剣で、冗談を言っているようには見えなかった。
「俺、一人でいると、すぐ元カレのこと考えちゃって、ダメなんです。でも、先輩といると心が落ち着いて……この生活も心地よくて」
健は頬をほんのり桜色に染め、恥ずかしそうに指先で頬を掻いた。
「健……」
「いや、俺のこと本気で好きになってくれって言ってるんじゃないんです。恋人のふりをしてもらえれば、それで……俺が前に進めるようになるまで、付き合っているふりをしてもらえませんか?」
「ふり?」
直人の頭の中は、さらに混乱した。一緒にいると楽しいと言ってくれているのに、恋人のふりだけでいいという。さっきのは告白みたいだと感じていた自分が恥ずかしくなった。
「はい。擬似恋人として振る舞ってもらえれば」
直人は健の目を見つめた。その薄い茶色の瞳には、切実な何かが宿っているように見えた。困っている健を放っておくことなんて、できない。
断る理由は特に見つからない。むしろ、健の力になりたいという気持ちの方が強い。健と一緒にいるのは直人も楽しいし、心地よい。
「……分かった。やってみるよ」
「本当ですか?」
健はパッと明るい表情を見せた。まるで暗い雲が晴れたような、久しぶりの本当の笑顔だった。
「だけど、僕、恋愛初心者……っていうか、誰のことも好きになったことないし、付き合ったこともないから、上手くできるかどうか分からないけど、いいの?」
「はい、大丈夫です!」
そう言うと、健はぴょんと直人に飛びついてきた。
「わっ!」
驚いて健を押しやると、健は慌てたような顔を見せた。
「あ! ごめんなさい。つい嬉しくて……」
そう言う健の顔に、久しぶりに本当の笑顔が戻ってきたような気がした。
「じゃあ、俺、そろそろ部屋に戻りますね」
心底嬉しそうな笑顔で部屋に戻ろうとするが、何かを思い出したのか、パッと振り返った。
「あ、そうそう。明日から、先輩のこと『直人』って呼びますね。それから、恋人っぽくするために、敬語もやめます」
小首を傾げて、再度「おやすみなさい」と言って部屋へ戻っていった。
健が部屋に入ったのを見届けて、直人も自室へと戻った。
パタンと扉を閉めると、急に頭の中が慌ただしくなった。今起こったことを整理しようとするが、頭が追いつかない。
健の恋人役をすることになった。本当の恋人ではなく、『擬似恋人』。
恋人役をするが、別に健のことを好きにならなくてもいいという。
しかし、健は直人のことを明日から名前で呼ぶという。まるで本物の恋人のようだ。
「本当に、健の恋人役なんて、僕に務まるのかな……」
直人はベッドに身を投げて横になり、天井を見つめた。あんなに社交的で、誰とでも仲良くなれる健に、自分がふさわしいのだろうか。他にもっと適任な人がいるのではないかと考えてしまう。
でも、健が「先輩と一緒にいると心が安らぐ」と言ってくれたことが、とても嬉しかった。胸の奥がふんわりと温かくなる。
他に適任がいるかもしれないと思いつつも、健の困った顔を見ると放っておけなかった。それに、この同居生活で健は直人のことを大いに支えてくれている。普段、何も健のためにできていない直人にとって、自分が健を支えることのできる唯一のことのように思えた。
「擬似恋人、か」
直人は天井を見つめたまま、明日からの生活がどう変わるのかを想像してみた。でも、恋人というものを知らない直人にとって、想像することは難しかった。
手をつなぐのだろうか。キスをしてセックスまでするのだろうか。それともただ、今まで通りの生活に「恋人」という名前がつくだけなのだろうか。
考えれば考えるほど、分からないことばかりだった。
でも一つだけ確かなことがある。健の力になりたい、という気持ち。そしてもう一つ――健ともっと一緒にいたい、という気持ち。
それが恋愛感情なのかどうかは分からない。でも、健が笑っていてくれるなら、それでいいのかもしれない。
「明日から『直人』か……」
健に名前で呼ばれることを想像すると、なぜか胸がドキドキした。
その日もいつも通り、健と二人で夕食を取り、リビングでまったりと過ごしていた。規則正しい生活をしている健が、いつもなら部屋に戻る時間になっても、リビングに留まっていた。
かけていたプレイリストが最後まで終わり、急に部屋が静寂に包まれた。開け放った窓からは、少しひんやりとした風が吹き込んでいる。直人は肌寒さを感じ、窓を閉めようとソファから立ち上がった。
「先輩……」
健が直人を呼んだ。その声は、いつもと明らかに違っていた。低く、掠れて、何かを決意したような響きがあった。
「ん? どうした?」
直人はいつもと違う健の雰囲気に気づきながらも、できるだけ自然に応じた。もしかすると、最近の憂鬱そうな表情の原因を話してくれるのかもしれない。
「……俺、元カレのことが、まだ忘れられないんです」
「え?」
直人は一瞬、耳を疑った。
――今、『元カレ』って言ったのか?
体が強張るのを感じた。顔の端がピクリと引きつるのが分かる。
「すみません。俺、ゲイなんです……」
健は苦笑いを浮かべた。
「急に言われても、びっくりしますよね」
健の表情は、今まで見たことがないほど暗いものになっていた。
「別に隠していたつもりはなかったんですけど、言いそびれてしまって……すみません」
そう言う健の表情が、とても寂しそうに見えた。それから、ポツリと元恋人のことを話し始めた。
「高校の時から付き合っている人がいたんです。大学になって、ここで一緒に暮らしていたんですけど、今年の三月に別れました」
ソファに座って俯いていた健は、膝の上で組んだ手に力を込めていた。
「浮気されたんです。しかも、俺の大学の親友と……」
「……そうだったんだ」
直人は何と言葉を返せばいいのか分からず、ただ健の言葉を聞くしかなかった。
「もう、その時は本当に逆上しちゃって、この家から追い出したんですよ。彼のことが好きだったから、悔しくて……勢いで別れちゃったんです」
健は当時のことを思い出したのか、涙声になっていた。
「健……」
「別れた時は、もう絶対に信じられないって思いました。俺の親友と浮気するなんて、どんな神経してるんだって。だから俺も、すっぱり忘れて新しい恋をしてやる! って意気込んでたんですけど……」
健は一度言葉を切って、深く息を吸った。
「時間が経てば経つほど、忘れられなくて。あの人がいない生活に慣れることができなかったんです」
健の心の傷は、相当深かったのだろう。直人は人を好きになったことがないから、その感覚は分からなかった。でも、健の苦しみは痛いほど伝わってきた。
「辛かったんだね……」
「先輩といると、心が安らぐんです。一緒にいてホッとするというか……」
ゆっくりと顔を上げた健は、フニャッと微笑んだ。こんなに安心し切った笑顔を見せるなんて、よっぽど直人に心を開いてくれているのだろう。
そして健は、直人の目をまっすぐ見つめて言った。
「ねえ、先輩。俺と付き合ってみませんか?」
「えっ?」
唐突すぎる提案に、直人の頭の中は真っ白になった。
――僕と、健が、付き合う?
付き合うということは、恋人同士になるということだよな、と反芻する。考えれば考えるほど、今の流れでなぜそんなことを言われているのか、訳が分からなくなった。
しかも、直人は男で、健も男だ。健はゲイだと言っていたが、直人は――。
今まで誰かを好きになったことのない直人にとって、健から付き合ってと言われても、嫌な気持ちにはならなかった。それどころか、健との今の生活はとても気に入っている。心地よくて、安らいでいて、一人の時とは全く違う充実感がある。
直人が戸惑っていると、健は畳み掛けるように言った。
「お願いします! 好きじゃなくてもいいから……」
直人の頭の中は、さらに混沌とした。
今のは告白だったのか? 「好きじゃなくてもいいから」ってどういう意味?
理由を聞いてみたいと思ったが、喉がぎゅっと狭まって、思うように言葉が出てこない。健の顔を見ると、今まで見たことがないくらい真剣で、冗談を言っているようには見えなかった。
「俺、一人でいると、すぐ元カレのこと考えちゃって、ダメなんです。でも、先輩といると心が落ち着いて……この生活も心地よくて」
健は頬をほんのり桜色に染め、恥ずかしそうに指先で頬を掻いた。
「健……」
「いや、俺のこと本気で好きになってくれって言ってるんじゃないんです。恋人のふりをしてもらえれば、それで……俺が前に進めるようになるまで、付き合っているふりをしてもらえませんか?」
「ふり?」
直人の頭の中は、さらに混乱した。一緒にいると楽しいと言ってくれているのに、恋人のふりだけでいいという。さっきのは告白みたいだと感じていた自分が恥ずかしくなった。
「はい。擬似恋人として振る舞ってもらえれば」
直人は健の目を見つめた。その薄い茶色の瞳には、切実な何かが宿っているように見えた。困っている健を放っておくことなんて、できない。
断る理由は特に見つからない。むしろ、健の力になりたいという気持ちの方が強い。健と一緒にいるのは直人も楽しいし、心地よい。
「……分かった。やってみるよ」
「本当ですか?」
健はパッと明るい表情を見せた。まるで暗い雲が晴れたような、久しぶりの本当の笑顔だった。
「だけど、僕、恋愛初心者……っていうか、誰のことも好きになったことないし、付き合ったこともないから、上手くできるかどうか分からないけど、いいの?」
「はい、大丈夫です!」
そう言うと、健はぴょんと直人に飛びついてきた。
「わっ!」
驚いて健を押しやると、健は慌てたような顔を見せた。
「あ! ごめんなさい。つい嬉しくて……」
そう言う健の顔に、久しぶりに本当の笑顔が戻ってきたような気がした。
「じゃあ、俺、そろそろ部屋に戻りますね」
心底嬉しそうな笑顔で部屋に戻ろうとするが、何かを思い出したのか、パッと振り返った。
「あ、そうそう。明日から、先輩のこと『直人』って呼びますね。それから、恋人っぽくするために、敬語もやめます」
小首を傾げて、再度「おやすみなさい」と言って部屋へ戻っていった。
健が部屋に入ったのを見届けて、直人も自室へと戻った。
パタンと扉を閉めると、急に頭の中が慌ただしくなった。今起こったことを整理しようとするが、頭が追いつかない。
健の恋人役をすることになった。本当の恋人ではなく、『擬似恋人』。
恋人役をするが、別に健のことを好きにならなくてもいいという。
しかし、健は直人のことを明日から名前で呼ぶという。まるで本物の恋人のようだ。
「本当に、健の恋人役なんて、僕に務まるのかな……」
直人はベッドに身を投げて横になり、天井を見つめた。あんなに社交的で、誰とでも仲良くなれる健に、自分がふさわしいのだろうか。他にもっと適任な人がいるのではないかと考えてしまう。
でも、健が「先輩と一緒にいると心が安らぐ」と言ってくれたことが、とても嬉しかった。胸の奥がふんわりと温かくなる。
他に適任がいるかもしれないと思いつつも、健の困った顔を見ると放っておけなかった。それに、この同居生活で健は直人のことを大いに支えてくれている。普段、何も健のためにできていない直人にとって、自分が健を支えることのできる唯一のことのように思えた。
「擬似恋人、か」
直人は天井を見つめたまま、明日からの生活がどう変わるのかを想像してみた。でも、恋人というものを知らない直人にとって、想像することは難しかった。
手をつなぐのだろうか。キスをしてセックスまでするのだろうか。それともただ、今まで通りの生活に「恋人」という名前がつくだけなのだろうか。
考えれば考えるほど、分からないことばかりだった。
でも一つだけ確かなことがある。健の力になりたい、という気持ち。そしてもう一つ――健ともっと一緒にいたい、という気持ち。
それが恋愛感情なのかどうかは分からない。でも、健が笑っていてくれるなら、それでいいのかもしれない。
「明日から『直人』か……」
健に名前で呼ばれることを想像すると、なぜか胸がドキドキした。
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