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第3章 銀髪の兄弟と国を揺るがす大戦
『99、お爺様の教え』
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お爺様は殺される7日前にイルマス教の信者になった。
僕以外の誰もがお爺様の真意が分からなくて困惑していたが、僕には見えた。
お爺様がハッキリと怯えているのが。
強かった代わりに、常に孤独だったお爺様は心の支えがいなかったのだろう。
稽古が終わると、いつもイルマス教の女神に祈っていた。
しかし、弟子に殺されてしまったのだから、お爺様の信仰心は報われなかったのだろう。
随分と身勝手な女神だな、と思った。
あれだけ熱心に祈っていたお爺様を助けず、碌に祈ってもいないだろう人を助けていく。
女神は偽善者に違いないと確信したのもその時だっただろう。
僕の怒りの行先は、いつの間にかクソ兄から女神という曖昧な存在へと変化していった。
これこそが、お爺様の狙いだったのではないだろうか。
お爺様は自分が殺されることを知っていて、あえて女神に祈っていたのかもしれない。
つまりお爺様は復讐をしてほしくなかった。
だから、僕が怒りを向ける相手をクソ兄という実在する人物から、女神に変えた。
女神は存在しないのだから復讐のしようがないし、宗教は滅ぼせない。
イルマス教国という国が存在している時点で、滅ぼすと言うことは戦争をするということだ。
だから実質的に復讐は不可能となる。
だけど、お爺様は僕のことをあまり知らなかったのかもしれない。
僕が意外としつこいということを分かっていれば、再びクソ兄に標的を定めるということが分かっていたかもしれないが、そこについては何の策も打っていなかったのだろう。
あっさりと倒してしまった。
クソ兄には稽古がきつくなったと言ったが、あれは正真正銘の嘘である。
むしろお母さんが亡くなったという傷を心配したのか、前より優しくなったくらいだ。
でもクソ兄にだけは知られたくなかった。
お母さんとお爺様がいなくなったから、帰るチャンスなどと思われては困るから。
平穏で快適な生活は自分の手で切り開くものだ。
だから・・・自分の進むべき道も、自分の手で切り開いて見せよう。
対話を重ねたおかげで幸いにも父親との相性は悪くないし、大丈夫なはず。
「大丈夫だ。僕は魔剣士としての道を歩むと決めた。もうリック家は気にしなくていいや」
口に出して宣言してみると、不思議と心が軽くなる感じがした。
これから僕はたくさんの困難に立ち向かうことになるだろうことは安易に想像できる。
でも・・・もう負けない。
自分を、そして自分を信じてくれる人を守るために剣を振るおう。
『剣を習うのは自分のためだ。守る力がなかったら、人は負の感情を味わうことになる』
お爺様の言葉が今ならよく分かる。
大切な人を失いたくないという気持ちは、魔剣士の中でも負けない自信があった。
僕は負の感情をたくさん経験しているし、今も苦しんでいる。
これで迷いはなくなったとして、もう1つの負の感情である困惑がまだなくなっていない。
どうにかしないと。
「困惑ってどうしたら解除されるのかな?真相を知ることでしか解除できないんじゃ・・・」
「それもそうなんだよなぁ・・・」
頭を抱えるリックラントに、本当に解決しないと戻れないんだと再認識させられた。
だって・・・心のどこかでは期待しているじゃん。
もしかしたらリックラントが間違っていて、僕はちゃんと帰れるんじゃないかってね。
「そうだ。君は復讐なんてしたくなかったんじゃないのか?」
「何を言っているんだよ。それが困惑という感情とどういう関係があるんだ?」
意味が分からないのだが。
復讐をしたかったかと言われれば、分からないというのが正直な答えだ。
恨みの炎が燃え尽きてしまったかのように、何も思いつかないうえに考えが及ばない。
「だって相手が弱ければ良いんじゃない?簡単に復讐できるんだから」
「それはそうだけど、やっぱり違和感を感じるというか・・・」
「心のどこかで思っていたんでしょ?“僕を倒して復讐を止めて欲しい”って」
ハッとして、思わず目を見開く。
そうか。だから強いかもしれないなどと思っていたのか。
落ち着いてよく考えてみれば、お爺様を殺したといっても強いとは限らないのだ。
策略に長けた文官タイプという可能性もあるのだから。
でも、心のどこかで止めてほしいという思いがあったから、相手は強いと思っていた。
精神的にも肉体的にも強くないと、復讐で染まった自分を止めてくれないから。
「うんうん。腑に落ちた顔をしているね。これで最後かな。幻影魔法というものがあるんだ」
「幻影魔法?聞いたことがないけど、もしかして古代魔法か?」
「正解だね。相手に幻を見せる古代魔法だ。操作が難しいから衰退したんだけど」
説明を聞いているうちに、僕はある1つの考えに行き当たった。
つまり、僕はまだ復讐を終えていなかったのだ。
幻影魔法で作られた幻を攻撃して倒しただけで、本物は恐らく馬車の中だろう。
あそこなら寝たまま操作が出来るからな。
神経を使うなら、寝たまま操作できる馬車の中ほど快適な場所はないだろうし。
「それじゃ僕を倒してみてよ。そうしたら元に戻れるからさ」
「分かった。それじゃ戦闘再開だね。僕の迷いなき剣を受け止めてもらおうか」
自分でもキャラが変わっているなという実感はある。
でも、僕にもう迷いはない。魔剣士としての道を歩み続けなきゃいけないのだ。
「一撃で決めさせてもらうよ。七ノ型風遁、竜巻乱舞・翡翠の乱」
「わーお・・・これはすっごいね。俺でも防ぎきれそうにないや。おめでとう」
そうしてリックラントは吹き飛んでいく。
倒したと分かった瞬間にプツッと意識が途切れ、気がついた時には既に目覚めていた。
「大丈夫か?ボーラン=リック。返事をしろ!」
「えっと・・・エーリル将軍でしたっけ?随分と無茶をさせてくれましたね」
睨みつけると、彼女は肩を竦めるだけだった。
すると視界の端に光を反射している眩しい金髪が目に入って、思わずため息をつく。
「リレン、髪が眩しいんだけど」
「あ、ゴメン。でも目が覚めてよかった。どうなることかと思ったよ」
安堵しているリレンの横には普通にナッチさんがおり、期せずして目があってしまった。
「あ・・・えっと・・・これは・・・」
「分かっていますから大丈夫ですよ。いきなり襲い掛かってしまってゴメンなさい」
僕はナッチさんに頭を下げる。
こちらに事情があったとはいえ、彼女側にも何か事情があったはずだ。
それも聞かずに襲い掛かってしまったのはこちらの落ち度以外の何ものでもないだろう。
「いえ、こちらこそすみません。ただ・・・ロビウムが珍しく怯えていましたわ」
「ウダハル国王が?どういう風の吹き回しかしら。あのクソが」
その声が響いた瞬間、場にいた全員が一斉に声の主に視線を向けた。
ほとんどの人が瞠目しながら、信じられないものを見たような顔つきをしている。
「本性を見せるのが早いよ。ツバーナ」
「しょうがないじゃない。アイツには恨みが募っているのよ」
僕がため息交じりにそう言った瞬間、視界が眩しい金色で埋め尽くされた。
目に悪いことこの上ないな。
「どういうこと?ボーランはツバーナを知っているの?」
普段はどっしりと構えているはずのリレンが、珍しく狼狽していた。
これはこれで珍しい光景だったのだが、このまま金色を見ているのも目に毒である。
「前にウダハル王国の湖にいった時に、水辺に倒れていたんだ」
「イルマス教とかいう集団のデーガン大司教だったかしら?そいつにやられたのよ」
デーガンというのは今回の首謀者だろう。
だから土壇場でこの戦いに参加することを決めたというのもある。
「デーガンだって?しかもロビウムということは・・・」
「ええ。デーガンはエルフを敵視しているのよ。だから彼に頼んで私を始末しようとした」
でも、宗教に携わる者の端くれとして殺すのは躊躇ったというところか。
安易に想像できるな。
僕はみんなに悟られないように、小さなため息をついたのだった。
僕以外の誰もがお爺様の真意が分からなくて困惑していたが、僕には見えた。
お爺様がハッキリと怯えているのが。
強かった代わりに、常に孤独だったお爺様は心の支えがいなかったのだろう。
稽古が終わると、いつもイルマス教の女神に祈っていた。
しかし、弟子に殺されてしまったのだから、お爺様の信仰心は報われなかったのだろう。
随分と身勝手な女神だな、と思った。
あれだけ熱心に祈っていたお爺様を助けず、碌に祈ってもいないだろう人を助けていく。
女神は偽善者に違いないと確信したのもその時だっただろう。
僕の怒りの行先は、いつの間にかクソ兄から女神という曖昧な存在へと変化していった。
これこそが、お爺様の狙いだったのではないだろうか。
お爺様は自分が殺されることを知っていて、あえて女神に祈っていたのかもしれない。
つまりお爺様は復讐をしてほしくなかった。
だから、僕が怒りを向ける相手をクソ兄という実在する人物から、女神に変えた。
女神は存在しないのだから復讐のしようがないし、宗教は滅ぼせない。
イルマス教国という国が存在している時点で、滅ぼすと言うことは戦争をするということだ。
だから実質的に復讐は不可能となる。
だけど、お爺様は僕のことをあまり知らなかったのかもしれない。
僕が意外としつこいということを分かっていれば、再びクソ兄に標的を定めるということが分かっていたかもしれないが、そこについては何の策も打っていなかったのだろう。
あっさりと倒してしまった。
クソ兄には稽古がきつくなったと言ったが、あれは正真正銘の嘘である。
むしろお母さんが亡くなったという傷を心配したのか、前より優しくなったくらいだ。
でもクソ兄にだけは知られたくなかった。
お母さんとお爺様がいなくなったから、帰るチャンスなどと思われては困るから。
平穏で快適な生活は自分の手で切り開くものだ。
だから・・・自分の進むべき道も、自分の手で切り開いて見せよう。
対話を重ねたおかげで幸いにも父親との相性は悪くないし、大丈夫なはず。
「大丈夫だ。僕は魔剣士としての道を歩むと決めた。もうリック家は気にしなくていいや」
口に出して宣言してみると、不思議と心が軽くなる感じがした。
これから僕はたくさんの困難に立ち向かうことになるだろうことは安易に想像できる。
でも・・・もう負けない。
自分を、そして自分を信じてくれる人を守るために剣を振るおう。
『剣を習うのは自分のためだ。守る力がなかったら、人は負の感情を味わうことになる』
お爺様の言葉が今ならよく分かる。
大切な人を失いたくないという気持ちは、魔剣士の中でも負けない自信があった。
僕は負の感情をたくさん経験しているし、今も苦しんでいる。
これで迷いはなくなったとして、もう1つの負の感情である困惑がまだなくなっていない。
どうにかしないと。
「困惑ってどうしたら解除されるのかな?真相を知ることでしか解除できないんじゃ・・・」
「それもそうなんだよなぁ・・・」
頭を抱えるリックラントに、本当に解決しないと戻れないんだと再認識させられた。
だって・・・心のどこかでは期待しているじゃん。
もしかしたらリックラントが間違っていて、僕はちゃんと帰れるんじゃないかってね。
「そうだ。君は復讐なんてしたくなかったんじゃないのか?」
「何を言っているんだよ。それが困惑という感情とどういう関係があるんだ?」
意味が分からないのだが。
復讐をしたかったかと言われれば、分からないというのが正直な答えだ。
恨みの炎が燃え尽きてしまったかのように、何も思いつかないうえに考えが及ばない。
「だって相手が弱ければ良いんじゃない?簡単に復讐できるんだから」
「それはそうだけど、やっぱり違和感を感じるというか・・・」
「心のどこかで思っていたんでしょ?“僕を倒して復讐を止めて欲しい”って」
ハッとして、思わず目を見開く。
そうか。だから強いかもしれないなどと思っていたのか。
落ち着いてよく考えてみれば、お爺様を殺したといっても強いとは限らないのだ。
策略に長けた文官タイプという可能性もあるのだから。
でも、心のどこかで止めてほしいという思いがあったから、相手は強いと思っていた。
精神的にも肉体的にも強くないと、復讐で染まった自分を止めてくれないから。
「うんうん。腑に落ちた顔をしているね。これで最後かな。幻影魔法というものがあるんだ」
「幻影魔法?聞いたことがないけど、もしかして古代魔法か?」
「正解だね。相手に幻を見せる古代魔法だ。操作が難しいから衰退したんだけど」
説明を聞いているうちに、僕はある1つの考えに行き当たった。
つまり、僕はまだ復讐を終えていなかったのだ。
幻影魔法で作られた幻を攻撃して倒しただけで、本物は恐らく馬車の中だろう。
あそこなら寝たまま操作が出来るからな。
神経を使うなら、寝たまま操作できる馬車の中ほど快適な場所はないだろうし。
「それじゃ僕を倒してみてよ。そうしたら元に戻れるからさ」
「分かった。それじゃ戦闘再開だね。僕の迷いなき剣を受け止めてもらおうか」
自分でもキャラが変わっているなという実感はある。
でも、僕にもう迷いはない。魔剣士としての道を歩み続けなきゃいけないのだ。
「一撃で決めさせてもらうよ。七ノ型風遁、竜巻乱舞・翡翠の乱」
「わーお・・・これはすっごいね。俺でも防ぎきれそうにないや。おめでとう」
そうしてリックラントは吹き飛んでいく。
倒したと分かった瞬間にプツッと意識が途切れ、気がついた時には既に目覚めていた。
「大丈夫か?ボーラン=リック。返事をしろ!」
「えっと・・・エーリル将軍でしたっけ?随分と無茶をさせてくれましたね」
睨みつけると、彼女は肩を竦めるだけだった。
すると視界の端に光を反射している眩しい金髪が目に入って、思わずため息をつく。
「リレン、髪が眩しいんだけど」
「あ、ゴメン。でも目が覚めてよかった。どうなることかと思ったよ」
安堵しているリレンの横には普通にナッチさんがおり、期せずして目があってしまった。
「あ・・・えっと・・・これは・・・」
「分かっていますから大丈夫ですよ。いきなり襲い掛かってしまってゴメンなさい」
僕はナッチさんに頭を下げる。
こちらに事情があったとはいえ、彼女側にも何か事情があったはずだ。
それも聞かずに襲い掛かってしまったのはこちらの落ち度以外の何ものでもないだろう。
「いえ、こちらこそすみません。ただ・・・ロビウムが珍しく怯えていましたわ」
「ウダハル国王が?どういう風の吹き回しかしら。あのクソが」
その声が響いた瞬間、場にいた全員が一斉に声の主に視線を向けた。
ほとんどの人が瞠目しながら、信じられないものを見たような顔つきをしている。
「本性を見せるのが早いよ。ツバーナ」
「しょうがないじゃない。アイツには恨みが募っているのよ」
僕がため息交じりにそう言った瞬間、視界が眩しい金色で埋め尽くされた。
目に悪いことこの上ないな。
「どういうこと?ボーランはツバーナを知っているの?」
普段はどっしりと構えているはずのリレンが、珍しく狼狽していた。
これはこれで珍しい光景だったのだが、このまま金色を見ているのも目に毒である。
「前にウダハル王国の湖にいった時に、水辺に倒れていたんだ」
「イルマス教とかいう集団のデーガン大司教だったかしら?そいつにやられたのよ」
デーガンというのは今回の首謀者だろう。
だから土壇場でこの戦いに参加することを決めたというのもある。
「デーガンだって?しかもロビウムということは・・・」
「ええ。デーガンはエルフを敵視しているのよ。だから彼に頼んで私を始末しようとした」
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