通学路の秘密

茅野譲次

20××年7月24日12:00

一学期最後の登校日の放課後。
終業式とホームルームしかなかったため、昼に授業が終わっていた。京香のクラス以外は。






「茅野さんお願いします」

担任の先生から時間をもらい、クラスメイトの前で話す機会を与えてもらった。

「茅野京香の父親の茅野譲次です。先日は通夜にお越しいただきありがとうございました。私は京香が悩んでいたことにも気づけず、悔やんでいます。そして私は京香の死の真相を突き止めたいと思っています。今配っている紙に京香について知っていること、クラスメイトに関して気になることなど書いてください。お願いします」

「それって京香が死んだのが私たちのせいってことですか？」

1人の女子生徒の発言で教室全体がざわついていた。

「そういうわけではありません。何に悩んでいたのかを知りたいんです。お願いします」

頭を深く下げると、生徒たちは大人しく紙に書き始めた。何も書くことがないようで、すぐにペンを置く生徒が大半だったが。

書いた紙は1人ずつ回収していった。

その後、サッカー部のメンバーにも集まってもらい同じことを聞いた。

すると、数人の生徒の名前が出てきた。
その生徒について、夏休み中に生徒たちについて調べることにした。

特に警戒もしていない、生徒たちの情報はすぐに掴めた。これを餌に必ず、京香の自殺の理由を解き明かそう。

会社にはしばらく休みをもらって、京香のクラスメイトについて調べることにした。