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第25話

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 暫く言葉を零し続け、漸く口を閉ざす。
 冷めた料理を食べて、泣き疲れたのか眠たくなった頃に「風呂に入ろうね」と凪さんに風呂場に連れて行かれる。


「え、一人で入れる……」
「甘えてほしいな」


 服を脱がされ、彼も同じように裸になると風呂場に入って髪と体を丁寧に洗われた。
 人に洗ってもらうなんて子どもの頃以来で、気持ちよさに余計眠たくなってくる。


「真樹」


 湯船に浸かり、名前を呼ばれて彼に近づく。
 裸だって事を理解した上で、彼の膝に向かい合って座り首に腕を回した。


「すごく気持ちよかったです。ありがとうございます」
「良かった。」


 腰に腕が回され、より密着する。
 彼の肩に頬をつけて、目の前にある首筋に鼻をすりすりと擦り付け、ちゅっと唇で触れた。


「明日はどこかに出かけますか……?」
「少しだけ会社に行ってくる。直ぐに戻るよ」
「本当……?」
「ああ。どうかした?」


 ギュウっと抱き着く力を強くする。
 俺から彼が離れてしまう。ほんの少しの時間でも離れると思うと寂しい。


「好きです……」


 けれどそんなことを伝えたら重たくて嫌われそうで、本音を言うのは我慢する。


「好き。凪さん。」
「……可愛い。俺も好きだ。愛してるよ」


 顔をあげればキスをされて、自分から舌を伸ばし彼の唇を舐めた。
 お互いの舌を絡ませ合い、零れそうな唾液を嚥下する。

 唇が離れると、低く濡れた様ないやらしい声で名前を呼ばれた。途端に体がビクビク震えて、前にお尻をさわられて達した時のような感覚が背中を走り抜ける。


「っは、はぁ……っ」
「真樹?」
「ぁ、だめです……呼ばないで、多分、イった、から……」
「名前を呼ばれてイっちゃうの?」
「はぁ……う……」


 恥ずかしい。顔を隠すためにまた彼の肩口に顔を埋める。
 いやらしい手で腰を撫でられて、ペニスがだんだん熱を持ち始めた。


「もう上がる……!」
「でもこれどうするの?」


 ペニスのことも気付かれて、羞恥心で死にそうだ。


「……水で冷やす」
「気持ちよくないだろ」
「いい」
「楽にしてて」
「あっ、ぁ……!」


 ペニスに触れた手が射精を促すように動く。
 凪さんから離れて逃げようとしたけど、腰に回されている腕が許してくれない。


「ん、やだっ、お湯汚しちゃうから……!」
「お湯の外ならいいの?」
「へ……?」


 ザバッと俺を抱いたまま湯船から出た彼は、椅子に座って、休めていた手を再開させる。
 高まる射精感を無視できずに欲を吐き出した。
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