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無我夢中/蝶と暁
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ベッドは安物らしく、二人の男女が乗ればミシミシと危険な音を立てて弾んだ。家に親しい男をあげるという事は、自宅のベッドでセックスする事もやぶさかでないという証になる。外出先でしたセックスより、自宅でしたセックスの方が記憶に残るというのは麗景の持論だ。寝慣れた我が家のベッドは毎日顔を合わせるものであり、最も親しんだパーソナルなスペースの一つである。そこでしたセックスの記憶は、ベッドに入るたびにふっと思い出させられる。だからこそ「エロい」わけである。
ヒカルのようなウブで想像逞しい女が、自宅に男を連れ込んでセックスを許した挙句、毎日寝ているベッドで性行為に及ぶなど……。麗景には自信がある。ヒカルは就寝に入るたびに、自宅でしたセックスの事を思い出すはずだ。それらの要因が、麗景を突如として興奮させた。少し力を加えただけで、ベッド全体がギイッと不安な音を出す。
一人寝るので精一杯のベッドだ、幅だって大人二人が横並びに寝るには心許なく、家主を抱きしめて眠らないと、麗景は簡単にベッドのから落下してしまうだろう。だが今は平気だ。自分達は交尾の為に折り重なっている。両足を揃えて抱え、尻を上げたヒカルの上に覆い被さって挿入する。
「あ、ああ……」
カリの先端が入ってくる圧迫感だけで、もうヒカルは息を上げて、期待の吐息を漏らしていた。少しずつ、徐々に入ってくる長大な肉竿が、ミチミチと狭く締め付ける肉の道を押し広げていく。
「ん、っ……んぉ……」
「いつまで経っても、狭いな……。覚えの悪い壺だ」
「っ……! ゆ、ゆるくても、文句、言うくせに……ッ」
ヒカルにしては、ご明察だ。きつく締め付ける肉孔の覚えの悪さは、返せば貞淑の証である。挿入に至るまでに色々な体位を試し、趣味の悪いラブホテルから高級ホテルに至るまで色々な場所でセックスしてきたが、結局ヒカルは一番正常位がリラックスできて、麗景は『自宅でするセックス』というのが一番好きだった。
一期一会の場所も確かに興奮はあるが、いつまでも染み付く生活スペースでのセックスの記憶がたまらない。手足を小さく折り畳んだヒカルを、上から押し潰すように挿入する。全部咥え込むまでにもじっくり時間を使って、根元まで見えなくなると、スローで叩き始める。たん、たんと一定のリズムで抜いたり淹れたりするたび、凹凸のある肉の狭い道が性器を優しく包んで、それでいて締め付けて刺激する。奥にある小さなコリコリ部分をトントンと突くと、ヒカルはその度に腹の底から「アッ、アッ、」と声を上げた。
普段のヒカルの、良く通るがまろくて角のない優しい声が、ひっくり返って高くなり、甘くていやらしい媚びを含む声に変わるのが何とも言えず興奮を煽った。ヒカルはヒカルで、麗景の一本調子で、地を這うような低くて静かなバリトンが、ひっ、ひっと息を吸う断続的な掠れ声になり、甘えて囁いてくる様に、カアッと躰の芯が熱くなった。一度セックスしてしまうと、普段の声や表情とは違う、秘められた裏側を見てしまった事で、たまらない劣情がジリジリと本能を焦げつかせていく。
「ずいぶん、よさそうだな……?」
「っ、あっ……っそ、そこぉ……ッ! ゆっくり、そんな、……ッしたら……ぁ!」
「いつもはゆっくりやれと言うじゃないか、今日はわがままだな」
とんっ、とんっとスローに突いていた腰の動きを、だんだん早めていく。お望み通り、ベッド壊れるくらい激しいスラストで攻めてやろうか。ホテルでは広いベッドを使っていたから。
正常位で泣かせた後、膝立ちで背後から、インタバールを挟んでベッドの上で互いにフェラチオを。背中に覆い被さって四つ這いで後背位。すっかり肉が柔らかくなってぽってりした尻を掴んでガツガツ奥まで突いた後、絡まり合ってシックスナイン。最後にもう一度正常位で、やっと麗景が達する。
ヒカルは麗景とのセックスで数回は絶頂する羽目になるので、終わる頃にはぐちゃぐちゃで、声もどんどん大きくなった。そういう開放的なセックスに慣れていた所為で、ヒカルは途中からここが自宅で、隣の住人が少し歩くだけで音が響く安アパートである事を忘れてしまった。
ヒカルのようなウブで想像逞しい女が、自宅に男を連れ込んでセックスを許した挙句、毎日寝ているベッドで性行為に及ぶなど……。麗景には自信がある。ヒカルは就寝に入るたびに、自宅でしたセックスの事を思い出すはずだ。それらの要因が、麗景を突如として興奮させた。少し力を加えただけで、ベッド全体がギイッと不安な音を出す。
一人寝るので精一杯のベッドだ、幅だって大人二人が横並びに寝るには心許なく、家主を抱きしめて眠らないと、麗景は簡単にベッドのから落下してしまうだろう。だが今は平気だ。自分達は交尾の為に折り重なっている。両足を揃えて抱え、尻を上げたヒカルの上に覆い被さって挿入する。
「あ、ああ……」
カリの先端が入ってくる圧迫感だけで、もうヒカルは息を上げて、期待の吐息を漏らしていた。少しずつ、徐々に入ってくる長大な肉竿が、ミチミチと狭く締め付ける肉の道を押し広げていく。
「ん、っ……んぉ……」
「いつまで経っても、狭いな……。覚えの悪い壺だ」
「っ……! ゆ、ゆるくても、文句、言うくせに……ッ」
ヒカルにしては、ご明察だ。きつく締め付ける肉孔の覚えの悪さは、返せば貞淑の証である。挿入に至るまでに色々な体位を試し、趣味の悪いラブホテルから高級ホテルに至るまで色々な場所でセックスしてきたが、結局ヒカルは一番正常位がリラックスできて、麗景は『自宅でするセックス』というのが一番好きだった。
一期一会の場所も確かに興奮はあるが、いつまでも染み付く生活スペースでのセックスの記憶がたまらない。手足を小さく折り畳んだヒカルを、上から押し潰すように挿入する。全部咥え込むまでにもじっくり時間を使って、根元まで見えなくなると、スローで叩き始める。たん、たんと一定のリズムで抜いたり淹れたりするたび、凹凸のある肉の狭い道が性器を優しく包んで、それでいて締め付けて刺激する。奥にある小さなコリコリ部分をトントンと突くと、ヒカルはその度に腹の底から「アッ、アッ、」と声を上げた。
普段のヒカルの、良く通るがまろくて角のない優しい声が、ひっくり返って高くなり、甘くていやらしい媚びを含む声に変わるのが何とも言えず興奮を煽った。ヒカルはヒカルで、麗景の一本調子で、地を這うような低くて静かなバリトンが、ひっ、ひっと息を吸う断続的な掠れ声になり、甘えて囁いてくる様に、カアッと躰の芯が熱くなった。一度セックスしてしまうと、普段の声や表情とは違う、秘められた裏側を見てしまった事で、たまらない劣情がジリジリと本能を焦げつかせていく。
「ずいぶん、よさそうだな……?」
「っ、あっ……っそ、そこぉ……ッ! ゆっくり、そんな、……ッしたら……ぁ!」
「いつもはゆっくりやれと言うじゃないか、今日はわがままだな」
とんっ、とんっとスローに突いていた腰の動きを、だんだん早めていく。お望み通り、ベッド壊れるくらい激しいスラストで攻めてやろうか。ホテルでは広いベッドを使っていたから。
正常位で泣かせた後、膝立ちで背後から、インタバールを挟んでベッドの上で互いにフェラチオを。背中に覆い被さって四つ這いで後背位。すっかり肉が柔らかくなってぽってりした尻を掴んでガツガツ奥まで突いた後、絡まり合ってシックスナイン。最後にもう一度正常位で、やっと麗景が達する。
ヒカルは麗景とのセックスで数回は絶頂する羽目になるので、終わる頃にはぐちゃぐちゃで、声もどんどん大きくなった。そういう開放的なセックスに慣れていた所為で、ヒカルは途中からここが自宅で、隣の住人が少し歩くだけで音が響く安アパートである事を忘れてしまった。
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