渚のバースデー(3/22編集)

狂言巡

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白浜潤平の誕生日

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 何が欲しいかと聞かれたら、何も要らないと答えるし、じゃあ何をして欲しいかと聞かれたら、何もしなくていいと答える。餅のように膨れていく頬をつつきながら、フグみたいだと言ってやれば、もう知らないとそっぽを向かれた。離れられると困るので、白浜は淡島を後ろから抱き締めたなら、涙を溜めてこちらを見上げる。

「初めての、誕生日やのに」

 もちろん、二人が付き合いに至ってからの話だ。

「だからこそ、だ」
「どーしてですか?」

 更に抱き締めると、くぐもった声の後に鼻を啜る音が混じった。

「要らねぇから要らねぇんだよ」

 グッと白浜の服を握り締める、小さな指に力が籠もる。

「だってなぁ、オマエ。もう、色んなもんもらってっし」
「……ワタシ、先輩にそんなプレゼントした事ないです」
「バーカ。たくさん、もらってんだよ」

 そのおかげで、夜叉がポメラニアンを嫁にしたって意味不明な噂が流れてんだぞバーカ。ぽけっつらでおかしな電波発信させやがって。

「心配しなくても、オマエの誕生日にはスイパラ連れてってやるし夜通しホラー映画鑑賞会でもやるか」
「っそんなの……!」

 言いかけて、止まった。 白浜の胸に顔を押し付けて、僅かに震えている。

「……本当に、うち、なんもしなくてよろしいんですか?」
「ああ」
「……今日一日、うちを好きにしてもええて言うても?」
「……ああ(来年にとっとくわ)」
「……潤平さん」
「あ?」
「お誕生日、おめでとうございます」

 ……やっぱり、素直にプレゼントもらっておけばよかったかも、なんて。クソ殺傷力の高い可愛い笑顔で白浜を見上げる恋人に、内心後悔してみた。

 ……それと、角からわざとらしく出刃亀しているゴリラとビッチと女たらしとオネエは明日覚えとけよ。
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