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蘊蓄

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「真珠さん、ちょっと質問があるんだけど」
「はい、何でしょう」
「春の七草って、冬に七草粥で食べるあれ?」
「その通りですよ。セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロの七種を指しますの。秋の七草は鑑賞用として用いられますけど、春の七草は主に食用ですわ。そもそも七草粥というのは……」

 延々と続く講義に、面白くないわけではないが聞く相手を間違えたかもしれないと、紅水晶はやや後悔した。だが、それはもう後の祭り。
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