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柔らかな密室2【やや不穏】
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食事を終え、廃屋は再び静まり返った。こんな得体のしれない男と二人きりというのは気分のいいものでない。そのはずなのに、コロンは何となく安心している。劣化の進んだ壁一枚の向こうには、そろそろ骨になりそうな死体が転がっているというのに。
傷は塞がったようだが、それでも血の匂いを漂わせるフリージアがそこにいる事を、自然と受け入れている感覚があった。すらりと高い鼻梁の、美しい男だった。独特の雰囲気と真実は不明だが禍々しい所業ゆえに、この男が美しいという事を、コロンはこの時までほとんど気にかけていなかった。銀糸の髪が、一本もほつれる事なく簾のように垂れている。背中から見ると大柄な女のようだ。腰まで伸びた髪はするりとまっすぐで、髪の手入れは必要最低限しか手間をかけないコロンには、その髪からそっと香ってくる整髪料にどきりとする。フリージアが不意にコロンの方を向いた。
「何を見てるの」
嘲弄でも、疑念でもない、そっと笑いを含んだ声だ。揶揄うように、細くはあるが男らしく骨ばった指がコロンの顎先に触れた。
「私は意味ありげな視線を受け流せる程、鈍い男じゃないの」
コロンはその後の事をいまだにきちんと理解ができていない。ただ唇に温もりが残り、鼻先を血の匂いが掠めていった。
傷は塞がったようだが、それでも血の匂いを漂わせるフリージアがそこにいる事を、自然と受け入れている感覚があった。すらりと高い鼻梁の、美しい男だった。独特の雰囲気と真実は不明だが禍々しい所業ゆえに、この男が美しいという事を、コロンはこの時までほとんど気にかけていなかった。銀糸の髪が、一本もほつれる事なく簾のように垂れている。背中から見ると大柄な女のようだ。腰まで伸びた髪はするりとまっすぐで、髪の手入れは必要最低限しか手間をかけないコロンには、その髪からそっと香ってくる整髪料にどきりとする。フリージアが不意にコロンの方を向いた。
「何を見てるの」
嘲弄でも、疑念でもない、そっと笑いを含んだ声だ。揶揄うように、細くはあるが男らしく骨ばった指がコロンの顎先に触れた。
「私は意味ありげな視線を受け流せる程、鈍い男じゃないの」
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