24 / 50
オシャレ
しおりを挟む
ハート模様の可愛らしいポーチから、マジシャンのようにシュシュを出してくる同級生の船戸は、今に鼻歌を歌いだしそうな程に上機嫌だった。その傍らでは、後輩の蛇尾が淡島の髪を丁寧に梳いていた。
「淡島さんの髪はふわふわで本当触り心地が最高いですね。叶うならずっと触っていたい……」
そろそろ腰に届きそうな長さの黒髪に指を絡ませ、うっとりと呟いた蛇尾に、巾着袋を整理していた淡島は首を傾げた。
「そうかえ? うちの髪て伸ばして重たしてもすぐ寝癖がついたり絡まって大変じょ。うちゃ、蛇尾ちゃんや船戸くんみたいにまっぐすな髪に憧れるわぁ」
「きっとさらさらヘアーな渚ちゃんも可愛いよね!」
「淡島さんならどんな髪型にされても世界一素敵ですよ」
「おおきにやれ。お世辞でも嬉しいわ」
過剰なぐらいだが素直に好意を示す二人の言動は未だに照れ臭くて、淡島ははにかんだように微笑んだ。花が綻ぶような可憐な笑みに、蛇尾も船戸も黄色い悲鳴をあげる。
「淡島さん! なんでこんな可愛いんですか! 後光が差していらっしゃる……まさに地獄に菩薩……!」
「もーお世辞じゃないっていつも言ってるでしょ! もう宇宙一可愛い!まさに天使!」
きゃあきゃあな桃色的悲鳴を通り越してぎゃあぎゃあの蛍光色で言っている二人だが、これもいつもの事。淡島は一人冷静に時計を見て「あっ」と声をあげた。
「蛇尾ちゃん、船戸くん、もう部活始まってまうわ」
「えっ、マジっすか」
「もうそんな時間!?」
「船戸先輩、シュシュ決まりましたか?」
「うん。今日は清楚な白のお花模様のレース!」
「最高に淡島さんにお似合いです!」
「白は淡島ちゃんの髪に映えるからねぇ」
蛇尾の長い指先が器用に淡島の髪をまとめてポニーテールにし、可憐なシュシュを結ぶ。
「完成しました」
「おおきに、スッキリしたわ」
シュシュは船戸の私物で毎日違い物をセレクトしてくる。髪を結わうのは蛇尾の仕事。彼らは、愛する少女のその髪の毛一本まで愛していた。
「淡島さんの髪はふわふわで本当触り心地が最高いですね。叶うならずっと触っていたい……」
そろそろ腰に届きそうな長さの黒髪に指を絡ませ、うっとりと呟いた蛇尾に、巾着袋を整理していた淡島は首を傾げた。
「そうかえ? うちの髪て伸ばして重たしてもすぐ寝癖がついたり絡まって大変じょ。うちゃ、蛇尾ちゃんや船戸くんみたいにまっぐすな髪に憧れるわぁ」
「きっとさらさらヘアーな渚ちゃんも可愛いよね!」
「淡島さんならどんな髪型にされても世界一素敵ですよ」
「おおきにやれ。お世辞でも嬉しいわ」
過剰なぐらいだが素直に好意を示す二人の言動は未だに照れ臭くて、淡島ははにかんだように微笑んだ。花が綻ぶような可憐な笑みに、蛇尾も船戸も黄色い悲鳴をあげる。
「淡島さん! なんでこんな可愛いんですか! 後光が差していらっしゃる……まさに地獄に菩薩……!」
「もーお世辞じゃないっていつも言ってるでしょ! もう宇宙一可愛い!まさに天使!」
きゃあきゃあな桃色的悲鳴を通り越してぎゃあぎゃあの蛍光色で言っている二人だが、これもいつもの事。淡島は一人冷静に時計を見て「あっ」と声をあげた。
「蛇尾ちゃん、船戸くん、もう部活始まってまうわ」
「えっ、マジっすか」
「もうそんな時間!?」
「船戸先輩、シュシュ決まりましたか?」
「うん。今日は清楚な白のお花模様のレース!」
「最高に淡島さんにお似合いです!」
「白は淡島ちゃんの髪に映えるからねぇ」
蛇尾の長い指先が器用に淡島の髪をまとめてポニーテールにし、可憐なシュシュを結ぶ。
「完成しました」
「おおきに、スッキリしたわ」
シュシュは船戸の私物で毎日違い物をセレクトしてくる。髪を結わうのは蛇尾の仕事。彼らは、愛する少女のその髪の毛一本まで愛していた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる