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体温
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彼女の手を握ったら、暖かくて何だか泣きたくなった。ねぇ、好きだと言ったら、君はどんな反応をしてくれるだろうか。
「寒い……」
ブルッと小木野は体を震わせる。秋と言っても、最近は朝晩一気に寒くなった。
「さむー……」
もっと厚手の上着を出しておけばよかったの後悔しながら、一人でトボトボ学校までの道を歩く。
「あー……うー……」
誰も居ないので、ついつい変な声を出しながら登校中、前に見慣れた小さな背中が見えてきた。
「あ、」
「小木野先輩?」
「おはよ、淡島ちゃん」
小走りで後輩の隣に並んだ。
「おはよごうざいます。今日は寒いですね」
朝から元気な後輩の挨拶にこくりと首を縦に振って応える。自分はともかく、彼女が一人でいるのは珍しい。
「一緒に行っていい?」
「はい」
「先輩、ほんま寒そうですね」
「うん」
もう一度身震いすると、それに気づいた後輩が顔を覗きこんできた。
うわ、ちっか。無自覚なんだろうな、彼女のその人懐っこい仔犬みたいで動作は、不快に感じない。
「……っ、ちょ!」
「あれぇ、お肉少ない。そら余計に寒いですわ」
小さく驚きながら、淡島は小木野の手を握った。
「手ぇヒンヤリしてますね」
ニコニコ笑う彼女の手は、暖かかった。
「あ、淡島ちゃんは、あったかいね」
ちゃんと意味のある言葉を紡げているだろうか。不安になるくらい、ドキドキが、とまらない。
「結良ちゃんには結構ドライやからて言われてまいましたわ。先輩は、手が冷たいから心あったかいんですね」
嗚呼もう、なんて愛おしいんだ。抱き締めたい衝動に、駆られた。
「寒い……」
ブルッと小木野は体を震わせる。秋と言っても、最近は朝晩一気に寒くなった。
「さむー……」
もっと厚手の上着を出しておけばよかったの後悔しながら、一人でトボトボ学校までの道を歩く。
「あー……うー……」
誰も居ないので、ついつい変な声を出しながら登校中、前に見慣れた小さな背中が見えてきた。
「あ、」
「小木野先輩?」
「おはよ、淡島ちゃん」
小走りで後輩の隣に並んだ。
「おはよごうざいます。今日は寒いですね」
朝から元気な後輩の挨拶にこくりと首を縦に振って応える。自分はともかく、彼女が一人でいるのは珍しい。
「一緒に行っていい?」
「はい」
「先輩、ほんま寒そうですね」
「うん」
もう一度身震いすると、それに気づいた後輩が顔を覗きこんできた。
うわ、ちっか。無自覚なんだろうな、彼女のその人懐っこい仔犬みたいで動作は、不快に感じない。
「……っ、ちょ!」
「あれぇ、お肉少ない。そら余計に寒いですわ」
小さく驚きながら、淡島は小木野の手を握った。
「手ぇヒンヤリしてますね」
ニコニコ笑う彼女の手は、暖かかった。
「あ、淡島ちゃんは、あったかいね」
ちゃんと意味のある言葉を紡げているだろうか。不安になるくらい、ドキドキが、とまらない。
「結良ちゃんには結構ドライやからて言われてまいましたわ。先輩は、手が冷たいから心あったかいんですね」
嗚呼もう、なんて愛おしいんだ。抱き締めたい衝動に、駆られた。
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