2 / 21
教室
しおりを挟む
教師でさえ不気味がって入りたがらない教室がある。床には洗剤を使っても落ちない複数の足跡が全て、板が貼りつけられている窓へと爪先を向けているのだ。
九組の担任が生徒の頭を貪り食っている光景を目撃した。慌てて職員室に向かう途中、どの学年にも九組など存在しない事を思い出した。
学級崩壊した隣のクラス、とうとう誰一人登校しなくなった。掃除に入った教員達は悲鳴を上げた。机の中にぎゅうぎゅうに詰め込まれた生徒達がいたのだ。
自殺か他殺かはっきりしないが、人が死んだのを理由に閉鎖されている教室が存在する。だというのに毎日一人の教師が授業している。
「しばらくあそこには近づくなよ。そろそろ替え時だ」
「はい?」
合点がいかない後輩に退職寸前の古株は肩を竦めた。
「あの教師を例の教室以外で見た事あるか?」
とにかく独り言の多い同級生だった。ただ近づかなければ聞き取れない声量なので皆我慢していた。刺激して暴れ出されてはたまらない。
「あれ、文章の音読じゃないの」
後ろの席の友人がそう指摘する。気味の悪い同級生は隣のクラスの保護者に椅子で殴られて欠席、その独り言を担任教師が継いで呟いている。
二等生(中等部二年生)は遠足で学園にいないはずなのに、どうして階上の教室が賑やかなのだろうと、階下の三等生(中等部一年生)達が訝し気に話し込んでいる。
九組の担任が生徒の頭を貪り食っている光景を目撃した。慌てて職員室に向かう途中、どの学年にも九組など存在しない事を思い出した。
学級崩壊した隣のクラス、とうとう誰一人登校しなくなった。掃除に入った教員達は悲鳴を上げた。机の中にぎゅうぎゅうに詰め込まれた生徒達がいたのだ。
自殺か他殺かはっきりしないが、人が死んだのを理由に閉鎖されている教室が存在する。だというのに毎日一人の教師が授業している。
「しばらくあそこには近づくなよ。そろそろ替え時だ」
「はい?」
合点がいかない後輩に退職寸前の古株は肩を竦めた。
「あの教師を例の教室以外で見た事あるか?」
とにかく独り言の多い同級生だった。ただ近づかなければ聞き取れない声量なので皆我慢していた。刺激して暴れ出されてはたまらない。
「あれ、文章の音読じゃないの」
後ろの席の友人がそう指摘する。気味の悪い同級生は隣のクラスの保護者に椅子で殴られて欠席、その独り言を担任教師が継いで呟いている。
二等生(中等部二年生)は遠足で学園にいないはずなのに、どうして階上の教室が賑やかなのだろうと、階下の三等生(中等部一年生)達が訝し気に話し込んでいる。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2025/12/20:『にんぎょう』の章を追加。2025/12/27の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/19:『ひるさがり』の章を追加。2025/12/26の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/18:『いるみねーしょん』の章を追加。2025/12/25の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/17:『まく』の章を追加。2025/12/24の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/16:『よってくる』の章を追加。2025/12/23の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/15:『ちいさなむし』の章を追加。2025/12/22の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/14:『さむいしゃわー』の章を追加。2025/12/21の朝8時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる