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帰省中

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 人通りの少ない街の中で目的に店に入る。暗記した長いオーダーをすると若い女性店員が半笑いになった。心底嫌々だと言わんばかりに顔を顰めて、淡々と呪文オーダーを口にする美少年に、罰ゲームか何かだと思ったのだろう。先に店に入っていた真朱は必死に笑いを堪えている。貴族権限で他人様の帰省に勝手についてくるのだから、これくらい楽しませてほしい。
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