humanics

黒遠

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「痛かった?」 
 俺がぐったりと体を投げ出している少年に聞くと、彼は目を開けて俺を見上げた。 
「痛くなかった……ちょっと痛かったけど、もっと気持ちよかった……」 
「本当は、殴ったりとかして欲しいの?」 
「ううん……」 
 俺はチャンネルを回した。他の3人はもう食事の準備に移っていた。 
『お食事の用意ができました。ホールで皆さんで召し上がることができます』 
 上司たちはそれぞれ部屋を出て行った。俺はホールの映像に切り替えた。 
『どの部位を注文しましたかな?』 
『やっぱりアレでしょう。ち・ん・ち・ん。精力もつきそうじゃないですか?』 
『私は尻の肉のソテーも頼みましたよ。脂がのっておいしいらしいじゃないですか』 
『いや、実はねえ、最中に思わず太ももに噛み付いてしまいましてな。焼いてもらうことにしました。私の歯型がついてくるはずです』 
『このヒューマニクスというやつは、何をやっても暴れなくていいですね』 
『そうですねえ。女房なんかより数段いいよね。締まりもいいし、新鮮だしね、ハハ』 
『実はね、首を絞めて殺してしまったんですよ。ウフフ。息の根が止まる寸前ですか、すごく締め付けてきてねえ。一度やってみたかったんです。人間だったらそんなプレイ怖くてなかなかね。でも合法ですよ。病み付きになっちゃいそうですよ』 
『気をつけてくださいよお~。間違ってつい奥さんを!なーんてね!』 
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