親友をセフレにする方法

藍栖 萌菜香

文字の大きさ
36 / 54

36-【ダメ見本】アニリングスは危険です。

「ああ本当に、ゆきなりはこんなところまで綺麗だ」
 大悟が俺の尻たぶを撫でながらつぶやいた。どんな近さでそこを覗き込んでいるのか、大悟が喋るたびアナルに息がかかって、腰が勝手に揺らめいてしまう。

 こんな、俺の下から大悟がするりと抜けだしただけの、斜めに崩れたままの四つん這いじゃ、興奮に充血したアナルも、緊張に丸く凝った睾丸も、その先で先走りを垂らしているペニスまで、きっと丸見えなんだろう。

「赤く腫れて痛そうだったのが、すっかり治ってるな」
 アナルのふちを親指でそっと撫でられ、驚き弾んだ身体がベッドヘッドへ向かって逃げる。けどすぐに腹へとまわされた長い腕に捕まって、腰だけが高いポーズに直されてしまった。

「ボディーソープと、……ゆきなりの匂いだ」
「や、やめっ、そんな、嗅ぐなぁ」
 アナルに感じる大悟の呼気がさっきよりも温かい。こいつ、本当に嗅いでるんだ。あんなところを。
 『もう恥ずかしいことは何もない』だなんて、俺はまだまだ甘かった。まさかそんな場所の匂いを嗅がれるとは思ってなくて、遠のいていた羞恥がまたじわりと込みあげてくる。


「ここ、美味そう」
「へ? やっ、なにし、ひっ、ぁああッ」
 身に覚えのある濡れたものが、充血に膨らんだアナルの上をぬらりと撫でた。アナルのふちに軽くひっかかった舌先がぴちゃりと音を立ててひらめく。その瞬間、快感とも悪寒ともつかないぞくぞくが下半身から全身へと走った。

「だっ、やっ、やめッ、ぅんんーっ」
 襞の隙間に唾液を塗り込めようとしてるのか、力の籠った舌先でぐりぐりされる。どれだけやめろ舐めるなと叫んでも、ぬめぬめとそこを行き交う感触は一向にとまらない。

「舐められるの、好きって言った」
 一瞬、舌が離れたかと思ったら、そんなことだけ主張してすぐに舞い戻ってくる。
「ちがっ、そ、そこじゃなっ」
 ぬらりぬらりと繰り返しひらめく厚い舌の感触は、乳首で感じたときよりも鮮明だった。表面のわずかなざらつきも、舌先に籠る力加減も、こと細かくアナルへと伝わってくる。

 アニリングスなんて……そんなプレイがあることは茂兄から聞いていたけど、生ハメ同様衛生面に問題があるからと、したこともなければされたこともない。男漁りのときは事前にローションを仕込んでいたからか、そんなことを仕掛けてくる輩もいなかったし、バリタチばかりを相手に選んでいたから、してくれと要求されるようなこともなかった。


「おしりが好きとも言ってた」
「それっ、ちがッ」
 おしりをなめてだなんて、ひと言も言ってないっ。舐められたかったのは乳首で、おしりでイクのが好きだと言ったんだ。

「なにが違う?」
 わざとだ。わざと、俺の言葉の切れ端をちぐはぐに組み合わせてる。
 からかって、俺の反応を楽しんでるとしか思えない。それが、悔しくももどかしい。でも同時に、あの大悟がそこを舐めながら楽しんでるのかと思えば、否応もなくアナルの奥がざわざわと落ち着きをなくした。

「なかぁ。なか、さわってっ」
 乳首を舐められたときから……いや、そのずっと前からアナルの奥が疼いていた。その疼きを宥めるには、そこを硬いもので擦ってもらうほかない。舌なんて頼りないものじゃなく、もっと確かなものがいい。

 切羽詰まったような俺の言葉に、「わかった」と大悟が言った。
 言ったはずなのにっ。
「ひあッ、なかぁっ、ちがああっ」
 尻たぶを撫でまわしていた指がアナルを左右に広げる。ひやりと感じたのは、内側の粘膜が外気に晒されたせいだろう。そこをぺろりと舌先で撫でられた。

「ひぁっ、なめなっ、なかっ、だめぇッ」
 来ないで、やめてと、アナルを引き絞ろうとしても、浅いふちをぬぷぬぷと舐められれば、ふわわと力が抜けてその場を明け渡してしまう。ぬちぬちと奥へ進んでくる舌先を追い返したくて反射で息めば、逆にアナルが口を開いて深く迎え入れてしまった。


 納得。わかった。認めるよ。アニリングスが危険だとわかっててもなお確立されてるのは、この上もなく気持ちいいからだ。
 硬くて太いものに擦られる確かな快感とはまた違う。頼りない何かが這い擦っていく感触が、焦れったくも気持ちがいい。舐めちゃいけない場所を大切な人に舐めさせているという背徳感も気分を盛りあげていた。でも。でもっ。

「やぁ、やめっ、もぐもぐぃやああっ」
 キスのとき口いっぱいに受け入れた大悟のあの舌が、いまはアナルいっぱいに押し込まれてる。その舌先で少し奥をくちくちと舐められながら、咀嚼するような顎の動きに翻弄された。

 これ以上は入ってこれないと思ってたのに、伸ばした舌先をぐぐっと奥へと押し込まれる。その拍子に、力強い大悟の顎が俺の会陰に食い込んだ。その衝撃が前立腺にじぃんと響く。

「んっ、んんんーーッ」
 二、三瞬、全身がククッと硬直し、ひくんひくんと段階を踏んでは脱力していく。アナルがきゅっと締まるたび、その肉が大悟の舌を食んでは味わった。
 もういやだ。軽くドライでイッてしまった。気持ち良かったのは確かだけど、中途半端で、物足りなくて、イキきれないのがかなりツラい。

「も、むり。だいご、はやく、はやく……」
 大悟が欲しくて堪らない。硬いぺニスで擦られたい。アナルをみっちり塞がれたい。もっとちゃんと感じてイキたかった。
 そのためには、まずアナルを解して拡張しないと。
 こんなにも欲しがって想うだけでも奥がきゅんとなるのに、大悟もとうに勃起しててすぐそこに望むものがあるのに、それがまだもらえないなんて……。

 その道のりの遠さが悲しくなって、ドライの余韻に痺れる身体を無理やり捻り、大悟の膝に触れて先をねだった。

 そうしてやっと顔をあげてくれた大悟だったけど、どうやらまだ舐め足りないらしい。サイドテーブルから何かを取りあげながら、「今度は舐めてもいいローションにするか」とつぶやいた。
 よほどアニリングスがお気に召したようで……。そのときはまた地獄を見そうだけど、この際、そんな先のことはどうでもいいから。


 早く早くと頭のなかで催促していると、濡れた指がアナルに触れてきた。冷たさを覚悟してたのに、ほんのりと温かい。大悟が手のひらで温めたのかと思ったけど、そんな温感でもなかった。

「それ、なに?」
 ぬるぬるとした感触をまとって、大悟の指がアナルの周りを行き来する。塗りつけられるというよりも塗り込められるような感覚は、俺がいつも使ってるローションとは明らかに違った。

「保湿成分入りのワセリン。融点の低い特別製だそうだ」
 商品ジャンルとしては高級化粧品の部類にあたるが、ネットではアナル利用者がアナル用に開発した潤滑油じゃないかと噂されているらしい。ワセリンを塗り足しながら大悟がそう教えてくれた。

 確かに特別製と謳うだけはある。容器から絞り出したときには固形らしいのに、肌に触れた端からとろりと溶けていく。一度塗った場所ではしっとりと馴染み、重ねて塗ることで粘度を増して、充分以上の潤滑性を発揮した。

「どうだ?」
「あ、ふ……ぬるぬるするっ」
 ローション特有の水っぽいぬるぬるとは違う、どこか摩擦を孕んだようなぬるぬる感がアナルの表面を行き来している。すでにアニリングスでいくらか解れているそこはふくふくと膨らんでいて、指先で少し押し揉むようにされただけで、すぐにでもそれを飲み込んでしまいそうだった。

 もうすぐだ。もうすぐ大悟の指がもらえる。それで、なかを擦って、ひらいて。それから、それから……。

「え、ゆきなり? どうしたんだ?」
 いきなり大悟が戸惑いの声をあげる。
「ど、どう、って……なにが」
 もう、何がどうでもいいからっ。
「ゆきなりの、おしりの穴が」
 ぱくぱくしだした、と続けた大悟が、ひらいたアナルの内側をくるりと撫でた。
感想 19

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。