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12.灯りの途絶えぬ一夜 2
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「苦しくない?」
「うん、少しだけ」
澪梨は帯をさすった。瑞稀は申し訳なさそうに、だが微笑んだ。
「時間が経つと、紐も身体に馴染んでくるから大丈夫」
そして、未だに扉の向こうにある気配に目を向ける。きっと聞き耳を立てているであろうことを想定して、音や声を極力立てずに終わらせた。
恐らく、不安に思っていることだろう。
瑞稀は澪梨に目配せをして、両者頷いた。
そして、その人物に声を掛けたのだ。
「…彰。終わったから、慎也連れてこっち来れば?」
大きくも小さくもない声。だが、彼ーー彰の耳にはきっと届いただろう。
彰の慌てふためく姿が目に浮かぶ。
それから暫くして、瑞稀の部屋にノックの音が響いた時には、澪梨の肩下まであった淡い金髪は、ルーズに結わえられていた。
「みおりん、大丈夫や!?」
扉を開けて一番に彰は声を荒らげる。
だが、椅子に座る澪梨を見て、力を失ったように膝を折り、地面に突っ伏した。
「あかん…直視したら鼻血出して貧血で倒れてまう…」
ブツブツ呟くその横を慎也が通り過ぎ、ソファに座った。
「椎名、似合うじゃん」
「本当? 良かった。ありがとう」
この4人の中でも普段あまり喋らない慎也と澪梨が、こうしてナチュラルに話すのは珍しい。
彰もこんな風に、自然に接してやれれば、澪梨が一歩引いた目で見ることもなくなるのだろうが…。
瑞稀も着替えて出てくると、キッチンから麦茶を入れたグラスを トレーで運んで来た。
「コーヒーじゃないのな。珍しい」
「夏は麦茶でしょ。…彰は?」
「入り口で悶えてる」
慎也が指を差した方へ目をやると、まだ呟きがやまない彰が不気味に存在していた。
声を掛けようか迷い、放っておくことに決めた瑞稀。
触らぬ神に祟りなし だ。
「だんだん日が落ちてきたね」
「町の提灯の数、また去年より増えたよな」
夕暮れのオレンジが町を染める。
もう提灯も点灯し始めていた。
「揃ったし、出掛けようか。…提灯って、どのくらいあるんだろ」
「今年は1万3千個って話だ」
瑞稀はふとした疑問が解決したが、ふうん と一つ関心のないような返事をしたのみだった。
「うん、少しだけ」
澪梨は帯をさすった。瑞稀は申し訳なさそうに、だが微笑んだ。
「時間が経つと、紐も身体に馴染んでくるから大丈夫」
そして、未だに扉の向こうにある気配に目を向ける。きっと聞き耳を立てているであろうことを想定して、音や声を極力立てずに終わらせた。
恐らく、不安に思っていることだろう。
瑞稀は澪梨に目配せをして、両者頷いた。
そして、その人物に声を掛けたのだ。
「…彰。終わったから、慎也連れてこっち来れば?」
大きくも小さくもない声。だが、彼ーー彰の耳にはきっと届いただろう。
彰の慌てふためく姿が目に浮かぶ。
それから暫くして、瑞稀の部屋にノックの音が響いた時には、澪梨の肩下まであった淡い金髪は、ルーズに結わえられていた。
「みおりん、大丈夫や!?」
扉を開けて一番に彰は声を荒らげる。
だが、椅子に座る澪梨を見て、力を失ったように膝を折り、地面に突っ伏した。
「あかん…直視したら鼻血出して貧血で倒れてまう…」
ブツブツ呟くその横を慎也が通り過ぎ、ソファに座った。
「椎名、似合うじゃん」
「本当? 良かった。ありがとう」
この4人の中でも普段あまり喋らない慎也と澪梨が、こうしてナチュラルに話すのは珍しい。
彰もこんな風に、自然に接してやれれば、澪梨が一歩引いた目で見ることもなくなるのだろうが…。
瑞稀も着替えて出てくると、キッチンから麦茶を入れたグラスを トレーで運んで来た。
「コーヒーじゃないのな。珍しい」
「夏は麦茶でしょ。…彰は?」
「入り口で悶えてる」
慎也が指を差した方へ目をやると、まだ呟きがやまない彰が不気味に存在していた。
声を掛けようか迷い、放っておくことに決めた瑞稀。
触らぬ神に祟りなし だ。
「だんだん日が落ちてきたね」
「町の提灯の数、また去年より増えたよな」
夕暮れのオレンジが町を染める。
もう提灯も点灯し始めていた。
「揃ったし、出掛けようか。…提灯って、どのくらいあるんだろ」
「今年は1万3千個って話だ」
瑞稀はふとした疑問が解決したが、ふうん と一つ関心のないような返事をしたのみだった。
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