消滅世界 僕の世界

猫猫黒猫

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第一章 自分

3話貴族美少女

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「馬車を出して」

少女が僕が馬車に乗ったことを確認すると使用人らしき人に馬車を出すように命令する。

ガタガタと音を立てながら馬車が前に進み始める。

「落ち着いているのね」

少女が僕に言う。
その声からは優しさが感じられると同時に力強さも伝わってくる。

「そうですか??普通だと思うんですけど、、、」

僕にとっては2回目だからな、前とは少し展開は違うけど、、、。
セレスと話すのは何年ぶりだろうか。
敬語を使った記憶はほとんど残っていない。

「名前聞いてもいいかしら??」

セレスが僕の方を見ている。
視線を前に向けると目が合った。
僕は少し慌てて目を逸らした。

「僕の名前はカリ、、、あなたは?」

もちろん知っている。
僕は君と会ったことあるからだ。
たくさん話をした。
それに、たくさん遊んだ。

僕の脳に燃えている館の記憶が押し寄せてきた。

「急に怖い顔になりましたね、もしかして私のこと警戒しているのですか??」

心配そうな声だ。
セレスという女性はさまざまな人間や動物に優しく接する。
懐かしい思い出だ。
でも、素直に喜べない遠い記憶が喜びの感情を邪魔するのだ。

「いえ、少し馬車で酔ってしまって、乗ったことがあまりないんですよ」

セレスの表情が和らいだ。
嫌われていない、警戒されてないと知り安心したのだろう。

「そうですか、余計なことを言ってしまいましたね」

セレスは一呼吸おき、落ち着きを取り戻してから口を開く。

「私の名前はセレス・ミセス この先の館に住んでいる貴族です、セレスと呼んでください」

その声を聞き涙が出てきそうになったが堪えた。

「わかりました。セレスと呼びます」

少しセレスは恥ずかしそうにしている。

「では、私は、カリと呼びます。おそらく同い年なので敬語はなしにしましょう」

セレスは少し変わっている。
貴族が平民に対し敬語で話さなくて良いと言うのはこの社会の暗黙のルールと少しずれているからだ。
貴族は立場が平民より上これは、常識として人々の頭に定着している。

僕は軽く頷く。
セレスの顔が少し変わった。
真剣な話をしようとしてくるのが伝わった。

「僕を馬車に乗っけた理由教えてくれるんですね」

セレスは頷き喋り始めた。
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