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第一章 聖者降臨
〇一一 勇者の子種
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尿道に残った子種まで一滴残らず搾り取ろうと腹の奥がきゅうっと収縮して、結腸に届いてるエリアスの亀頭にじゅぽじゅぽとあさましく吸い付いているのが自分でも分かった。死にたい。
二ターン目が終わってとりあえず満足したらしいエリアスが瀕死の俺の中から引き抜くと酷い喪失感がして、栓がなくなった俺のソコからびっくりするほど大量の精液が溢れ出る。
コイツ、どんだけ射精したんだよ。
「やはり子種を贄にしていましたか。どうやらあなたの中に射精されたものも贄として換算されるようですね」
「えっ……?」
言われて初めて気付いたが、例の発情は何時の間にか治まっている。
いつもなら、あの患者の容体と人数ならあと数時間はシコっていないと治まらないはずなのに。
必要なのは、時間じゃなくて精子の数だったのか。
エリアスは恐らく中出し分も計上されるだろうという読みをつけて、俺が長時間苦しまないように協力してくれたのだろう。
「あ、あの……俺、その、すまない……」
「……何故あなたが謝るのですか? 謝るべきはあなたの窮地に便乗して本懐を遂げた私のほうです」
本懐って……ああ、やっぱり求婚は女王陛下からの命令だったか。
任務を遂行するにあたって俺を助けるっていう大義名分に便乗しちゃったから良心の呵責に苛まれているわけだな。
でも、結果的に俺は助けられたわけだし、寧ろエリアスが謝る理由が見当たらない。
まあ、俺は大事なものを失ったが……。
「いや、だ、だって、事情が事情とはいえ、俺なんかとこんなことするの、嫌じゃ……?」
「それは……本気で言っているのですか?」
お前こそ本気で言ってるのか?
それだとまるでエリアスが俺とセックスするのが嫌じゃないみたいに聞こえるんだが。
「とにかく、俺一人だったらあと数時間はあの状態だったし……その、助けてくれたんだよな? だからありがとう」
エリアスは瞠目して穴のあくほど俺を見ていたかと思うと、何度か口を開きかけたが結局何も言わず、代わりに「……いえ、当然のことをしたまでです」とだけ言った。
それから未だくったりして動けずにいる俺の身体をてきぱきと拭き清めてくれたのだが、恥ずかしすぎて死ねる。
「初めてなのに性急に事を進めて申し訳ありませんでした。お疲れでしょう。ポーションです。お飲みください」
エリアスは衣服を身に着けながら何やら蛍光ピンク色の液体が入った綺麗な硝子の小瓶を取り出すと、俺にくれるのかと思いきや、やにわに自分で煽り、口移しで俺に飲ませた。
人生初めてのポーションは勇者様の味かよ。
もう今日だけでこの男にどんだけ俺の初めてを奪われているのか。
とか思ってるうちに起き上がれるまでに体力が回復していた。
すげえなポーション。
高価だし戦闘職でもないから存在は知っていても今まで目にしたことすらなかったけど、こんなに即効性の高いものだったとは。
「ナナセ。今後治癒の後、贄として子種を捧げる大役はどうか私だけにお許しください」
異世界で聖者やってたら勇者に犯されたんだが、何故かその張本人に他の奴に股を開くな的な意味合いの牽制をされている件について……。
俺はそんなビッチじゃねえし、お前に操を立てる義理もねえぞ!
と、この時は本気でそう思っていた。
しかしこの数日後、あろうことか、また複数の男に股を開いてしまうことをこのときの俺はまだ知らないし、もっというと「勇者の子種」というこの世界で最強レベルの贄を捧げてしまった後では俺なんかの子種では贄としてほぼ通用しなくなることも、知らない――。
「は……? いや、今後も俺はソロで……」
「明朝、お迎えに上がります」
呆然としている俺にエリアスはもう一度キスをして、それはそれは幸せそうに満面の笑顔を浮かべると、またニスデールを頭からすっぽり被り、長い裾を翻して颯爽と去って行った。
待って♡
さっき俺キッパリハッキリ求婚断ったよな!?
なのに迎えって、待てよオイィッ!
話が通じなさ過ぎて怖いんだが!?
ヤッちまったら即彼氏面なのか!?
しかもヤり逃げかよっ!
明日って祝勝祭の式典じゃねえか!
この国の女王陛下だけでなく帝国の皇帝陛下も出席すんだぞ!
勇者様がそんな場所に俺を引っ張り出す目的っていったら結婚の承諾とかどうせそんなんだろ!?
いやもう求婚はさっきちゃんと断ったはずなんだが、明日のそれはのこのこついて行ったら絶対拒否できないやつだよな!?
勇者様の求婚を公衆の面前でお断りなんてしようものなら、俺の職業が「聖者」から「闇魔法士」を通り越して「悪者」に強制ジョブチェンジされてしまうからな。
二ターン目が終わってとりあえず満足したらしいエリアスが瀕死の俺の中から引き抜くと酷い喪失感がして、栓がなくなった俺のソコからびっくりするほど大量の精液が溢れ出る。
コイツ、どんだけ射精したんだよ。
「やはり子種を贄にしていましたか。どうやらあなたの中に射精されたものも贄として換算されるようですね」
「えっ……?」
言われて初めて気付いたが、例の発情は何時の間にか治まっている。
いつもなら、あの患者の容体と人数ならあと数時間はシコっていないと治まらないはずなのに。
必要なのは、時間じゃなくて精子の数だったのか。
エリアスは恐らく中出し分も計上されるだろうという読みをつけて、俺が長時間苦しまないように協力してくれたのだろう。
「あ、あの……俺、その、すまない……」
「……何故あなたが謝るのですか? 謝るべきはあなたの窮地に便乗して本懐を遂げた私のほうです」
本懐って……ああ、やっぱり求婚は女王陛下からの命令だったか。
任務を遂行するにあたって俺を助けるっていう大義名分に便乗しちゃったから良心の呵責に苛まれているわけだな。
でも、結果的に俺は助けられたわけだし、寧ろエリアスが謝る理由が見当たらない。
まあ、俺は大事なものを失ったが……。
「いや、だ、だって、事情が事情とはいえ、俺なんかとこんなことするの、嫌じゃ……?」
「それは……本気で言っているのですか?」
お前こそ本気で言ってるのか?
それだとまるでエリアスが俺とセックスするのが嫌じゃないみたいに聞こえるんだが。
「とにかく、俺一人だったらあと数時間はあの状態だったし……その、助けてくれたんだよな? だからありがとう」
エリアスは瞠目して穴のあくほど俺を見ていたかと思うと、何度か口を開きかけたが結局何も言わず、代わりに「……いえ、当然のことをしたまでです」とだけ言った。
それから未だくったりして動けずにいる俺の身体をてきぱきと拭き清めてくれたのだが、恥ずかしすぎて死ねる。
「初めてなのに性急に事を進めて申し訳ありませんでした。お疲れでしょう。ポーションです。お飲みください」
エリアスは衣服を身に着けながら何やら蛍光ピンク色の液体が入った綺麗な硝子の小瓶を取り出すと、俺にくれるのかと思いきや、やにわに自分で煽り、口移しで俺に飲ませた。
人生初めてのポーションは勇者様の味かよ。
もう今日だけでこの男にどんだけ俺の初めてを奪われているのか。
とか思ってるうちに起き上がれるまでに体力が回復していた。
すげえなポーション。
高価だし戦闘職でもないから存在は知っていても今まで目にしたことすらなかったけど、こんなに即効性の高いものだったとは。
「ナナセ。今後治癒の後、贄として子種を捧げる大役はどうか私だけにお許しください」
異世界で聖者やってたら勇者に犯されたんだが、何故かその張本人に他の奴に股を開くな的な意味合いの牽制をされている件について……。
俺はそんなビッチじゃねえし、お前に操を立てる義理もねえぞ!
と、この時は本気でそう思っていた。
しかしこの数日後、あろうことか、また複数の男に股を開いてしまうことをこのときの俺はまだ知らないし、もっというと「勇者の子種」というこの世界で最強レベルの贄を捧げてしまった後では俺なんかの子種では贄としてほぼ通用しなくなることも、知らない――。
「は……? いや、今後も俺はソロで……」
「明朝、お迎えに上がります」
呆然としている俺にエリアスはもう一度キスをして、それはそれは幸せそうに満面の笑顔を浮かべると、またニスデールを頭からすっぽり被り、長い裾を翻して颯爽と去って行った。
待って♡
さっき俺キッパリハッキリ求婚断ったよな!?
なのに迎えって、待てよオイィッ!
話が通じなさ過ぎて怖いんだが!?
ヤッちまったら即彼氏面なのか!?
しかもヤり逃げかよっ!
明日って祝勝祭の式典じゃねえか!
この国の女王陛下だけでなく帝国の皇帝陛下も出席すんだぞ!
勇者様がそんな場所に俺を引っ張り出す目的っていったら結婚の承諾とかどうせそんなんだろ!?
いやもう求婚はさっきちゃんと断ったはずなんだが、明日のそれはのこのこついて行ったら絶対拒否できないやつだよな!?
勇者様の求婚を公衆の面前でお断りなんてしようものなら、俺の職業が「聖者」から「闇魔法士」を通り越して「悪者」に強制ジョブチェンジされてしまうからな。
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