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白い雲
十
しおりを挟む「…な…に………」
状況が読み込めない或の前に、霊体の群れの中から〝赤い目をした少女〟 が現れた
「……(あ…あれは…)」
それは今朝、通学路で会った少女だった
「護る側になる決心はついた?」
「…え…」
彼女は今朝と同じ声、同じ表情で言った
「ついたのなら、これでやるべきことをして」
目の前に差し出された一振りの小刀
「これは…どういう…」
「あなたは、今まで霊達に襲われないように母親に護られて生きてきた。母親が死んだ今でも」
「……!…」
「霊体を引き寄せる特異体質。あなたに怖い思いや辛い思いをさせないように、ずっと彼女が力を使っていた。
だけど、もうその力は残りわずかしかない」
「…母さんが…?」
光は今にも消え入りそうだった
「彼女を休ませてあげて。そして今度はあなたが護る側になる番」
「…………」
「あなたならできる」
「…っ…」
或は少女から小刀を受け取ると霊達に向けた
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