葬送士

りふる

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白い雲

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「…な…に………」 


状況が読み込めない或の前に、霊体の群れの中から〝赤い目をした少女〟 が現れた


「……(あ…あれは…)」 


それは今朝、通学路で会った少女だった 


「護る側になる決心はついた?」 


「…え…」 


彼女は今朝と同じ声、同じ表情で言った


「ついたのなら、これでやるべきことをして」 


目の前に差し出された一振りの小刀


「これは…どういう…」


「あなたは、今まで霊達に襲われないように母親に護られて生きてきた。母親が死んだ今でも」 


「……!…」 


「霊体を引き寄せる特異体質。あなたに怖い思いや辛い思いをさせないように、ずっと彼女が力を使っていた。
だけど、もうその力は残りわずかしかない」 


「…母さんが…?」 


光は今にも消え入りそうだった


「彼女を休ませてあげて。そして今度はあなたが護る側になる番」 


「…………」 


「あなたならできる」 


「…っ…」 


或は少女から小刀を受け取ると霊達に向けた 






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