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白い雲
十五
しおりを挟む花月 紅と名乗る少女が消えて
まるで夢の中での出来事だったと錯覚しそうになる或だったが
「……………」
不思議と心は穏やかで
その日は朝まで、母のために祈った
少しでも母が安らかに眠れるようにと。
そして、この出来事から2日後。
【花月 紅】より、約束通り文が届いた
紙には、日付と時間、何処かを示す地図が記されていた
『今度はあなたが護る側になる番』
「……………」
あの日の彼女の言葉がずっと頭に残っている
「母さん。俺、行くよ」
準備していた重い荷物をまとめ、仏壇に頭を下げた
「……………」
母の遺影に1番の笑顔を向けると
「いってきます」
と伝え、家を出た。
或は
これから始まる未知の世界に
大きな一歩を踏み出したのだった。
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