葬送士

りふる

文字の大きさ
上 下
29 / 29
勾玉

十二

しおりを挟む



「無論、それ以外の色を放つ者も失格とする」


「……っ……」


闇のように黒く染まった勾玉


「制限時間は10分。色が変わらなかった者達は速やかに退場し、色が変わった者はその場に残れ。以上だ」


「……………」


試験内容は或が思い描いていたものとは程遠く、その内容は簡潔でいて残酷だった


「…(頑張りようがない)」


努力や実力、持って生まれたものが一瞬で決められる


「……………」


周りから聞こえてくるのは
結果が出なかった者達の悲痛な叫び


「この五年間…ッ…修行し続けたのにどうして…!!!」


「嘘だ…!!!嘘だッ!!!」


「おい、お前達!速やかに退場しろ!!」


「嫌だァァア!!」


もうすでに半分以上の受験者は脱落しているこの状況で


「はぁ……はぁ…」


制限時間は残り五分となった


しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...