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「瑞希…ちゃん?」
大好きな高めの声が背中から聞こえて振り返ると、そこには困ったような、怒ったような、なんとも言えない表情をした皐月先生がいた。
「え、なんで??まだ授業ありるよね…??」
「なんでって 俺今日はもうあがりなの」
驚いて出てしまったタメ口に冷たい声で返されたから怒らせたか…?と思ったが呆れたように笑う先生の顔には怒ったような表情は読み取れずほっと一安心していると彼氏待ち??と茶化されたので
「傘を忘れたんです!!!それに彼氏なんていませんし!!!!!!!」
とつい意地になって叫んでしまった。年齢=彼氏いない歴の私に対する茶化しにしては面白くない。好きな人に言われたのだから余計に面白くない。それに叫ぶにしても随分と可愛くないことを叫んでしまった…
この気持ちは忘れるって決めたじゃん!と喝を入れて冷静になると何も言わない先生に不安になって恐る恐る顔を上げると、何故か顔を伏せている先生がいた。
「え…????」
──そんな表情を見るのは先生と出会って初めてだった。
先生の顔を覗くと幸せそうに、長年の恋がかなった時のように最愛の人を見つめるような優しい甘い笑みを浮かべていた。
その笑みを見た瞬間ギリギリと胸が締め付けられた。
そんな表情を向けてもらえる先生の好きな人になりたかった。決心はまるでできていなかったようで、嫌われて避けられてしまうぐらいされないと私は諦められないのかもしれない。
「ねえ、傘ないなら駅まで一緒に行こ?うちの大事な生徒をこんな夜中にほっとけないし」
「え、いいんですか?」
「いいよ俺もどうせ駅まで行くし」
普段の生徒と一線を引く先生からはありえないような言葉にびっくりしたけど冷え込みが厳しくなってきたので嫉妬心と躊躇いがまだ残っていたが、一緒に傘に入れてもらう事にした。
完全に浮かれていたのだ。
触れ合う肩と、いつもと違う場所で先生と一緒にいることに浮かれて大雨で、車の通りが多い道を歩いていることも忘れて、好きな人と一緒に帰るという幸せを噛み締めていた。
忘れていたのだ。
いつもなら気をつけて渡る、信号のない横断歩道はトラックやバスが突っ込んできて危ないということを。
『危ない!!!!!!!!』
誰かが叫んだがその時にはもう遅く、、、
車に轢かれてしまった。
大好きな高めの声が背中から聞こえて振り返ると、そこには困ったような、怒ったような、なんとも言えない表情をした皐月先生がいた。
「え、なんで??まだ授業ありるよね…??」
「なんでって 俺今日はもうあがりなの」
驚いて出てしまったタメ口に冷たい声で返されたから怒らせたか…?と思ったが呆れたように笑う先生の顔には怒ったような表情は読み取れずほっと一安心していると彼氏待ち??と茶化されたので
「傘を忘れたんです!!!それに彼氏なんていませんし!!!!!!!」
とつい意地になって叫んでしまった。年齢=彼氏いない歴の私に対する茶化しにしては面白くない。好きな人に言われたのだから余計に面白くない。それに叫ぶにしても随分と可愛くないことを叫んでしまった…
この気持ちは忘れるって決めたじゃん!と喝を入れて冷静になると何も言わない先生に不安になって恐る恐る顔を上げると、何故か顔を伏せている先生がいた。
「え…????」
──そんな表情を見るのは先生と出会って初めてだった。
先生の顔を覗くと幸せそうに、長年の恋がかなった時のように最愛の人を見つめるような優しい甘い笑みを浮かべていた。
その笑みを見た瞬間ギリギリと胸が締め付けられた。
そんな表情を向けてもらえる先生の好きな人になりたかった。決心はまるでできていなかったようで、嫌われて避けられてしまうぐらいされないと私は諦められないのかもしれない。
「ねえ、傘ないなら駅まで一緒に行こ?うちの大事な生徒をこんな夜中にほっとけないし」
「え、いいんですか?」
「いいよ俺もどうせ駅まで行くし」
普段の生徒と一線を引く先生からはありえないような言葉にびっくりしたけど冷え込みが厳しくなってきたので嫉妬心と躊躇いがまだ残っていたが、一緒に傘に入れてもらう事にした。
完全に浮かれていたのだ。
触れ合う肩と、いつもと違う場所で先生と一緒にいることに浮かれて大雨で、車の通りが多い道を歩いていることも忘れて、好きな人と一緒に帰るという幸せを噛み締めていた。
忘れていたのだ。
いつもなら気をつけて渡る、信号のない横断歩道はトラックやバスが突っ込んできて危ないということを。
『危ない!!!!!!!!』
誰かが叫んだがその時にはもう遅く、、、
車に轢かれてしまった。
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