【R18】転生先は男女比1:30の貞操逆転世界~ビッチを夢見る三十路の魂~

尾和 ハボレ

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『冊子』

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『冊子』

帰宅後、おじいちゃん先生にもらった冊子をパラパラと読む。

「ふーむ、なるほどね」

認知やら妊娠に関して、法的な手続きや実例などが記されていたそれは、過去の世界と転生したこの世界との違いを顕著にあらわした。

この世界の女性が妊娠するにあたって、大きく二つ。

男性との性交渉による自然妊娠。

もしくは、精子バンクからの提供を受けての人工妊娠。

バンクからの妊娠・認知に関してはとりあえずおいておくとして、自然妊娠に至った場合の父親の立ち位置に関してだ。

成人済の男性であれば対象の子を認知する事により、以後、国から補助金が出る。

ただし、これは養育費などではない。

年に十日以上の交際費用として与えられる。

これは毎年更新されるもので、母親側が来年度の補助金を申請する事で男性に付与される。

つまり年に十日は母親や子供と会ってコミュニケーションをとれ、という事らしい。

男性側がこれを怠ると、相手女性から当然更新申請されないため、補助金は出ない。

こまごまとした規則などはあるが、簡単にいうとそんな仕組みだ。

「……これを歪んでいると思う価値観の違いか」

子供まで作っておいて結婚もせず、年に十日会うだけ? さらに国からお金が出る?

オレの価値観では異常と思ってしまうが、男性一人が女性一人に対してのみ子供を作るとすると、人口はどうなるか? 

男性に多くの女性と交際してもらいつつも、生まれた子や母親に対しても何かしらのつながりを保つ、そういった反する内容を鑑みての施策だろうか?

少なくともこの世界にやってきて新米もいいとこのオレがどうこういう言えるものではない。

「郷に入っては郷に従え、か。それはともかくとして」

おじいちゃん先生いわく、学生妊娠だとこの認知ができない。

しかし自然妊娠した女性は相手男性に認知されなくても、出産を望むケースが多いらしい。

それもわかる気はする。

女性側からすれば、次に男をつかまえられるのがいつかわからない。

あと、これは想像でしかないが、精子バンクなんてものよりも、好きな相手と自然の営みの結果、授かった子の方がかわいいというのもあるんだろう。

だが学生という立場上、様々な弊害などもある。

冊子の実例いわく、休学し出産後に復学というケースもないではないが、多くはそのまま退学してしまう。

また、妊娠した女性の面倒は、たいていがその母親がみるがそれが難しい家庭もある。

一方で、男性側の責任というのはどうなんだろうかとも思うが、堕胎費用相当の金銭のやりとりがあって終わるそうだ。

それはどうなんだと思うがこの世界はあくまで女性が男性を抱く世界。

男が無責任に女をはらませた、というよりも、女が無責任に男にはらまさせた、となる。

男性側が支払う金銭は、手切れ金を含む意味合いもあるらしい。

そういったやりとりの際、怒っているのは男側の親であり女側の親が頭を下げる。

色々とあるが学生同士で妊娠した時、悪いのは女側となる、という事だった。

つまり、好き放題やっても大丈夫!

「ひゃっほーい、やりたい放題だー! ……ってテンションにはならないなぁ」

冊子を閉じたオレはこの世界での立ち居振る舞いに関して色々と注意しようとは思う。

だが少なくともオレの都合で女の子が理不尽に責められるというのは受け入れがたい。

例えそれがこの世の普通であり、オレがかつての価値観で生きる事で奇異に見られようとも、だ。

だが、それはそれとして。

「避妊をしっかりすれば今まで通りモテモテビッチを目指せるわけだ。ビバ、第二の人生!」

オレの野望は絶たれる事なく、明日へ未来へとつながったわけである。
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