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『冬原のスーツ姿』
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『冬原のスーツ姿』
翌日の放課後。
「え」
「な、なんだ」
進路指導室の前で待っていたら、スーツ姿の冬原先生がやってきた。
「ジャージじゃないんですね」
「校外をジャージでうろつくわけないだろう」
「え? 校外?」
「お前。まさか神聖な学び舎で本気であんな事をするつもりだったのか?」
「……」
「……本気だったのか。い、いや、まぁそれくらい切羽詰まっている苦しみがあるんだな、すまん」
そう真摯になられるとこっちも恐縮してしまう。
オレはただヤリたい放題ヤリたいだけのクソビッチであり、そうやって親身になって心配されると良心に色々と刺さってしまう。
「今日は外に出るからな」
指にからめた車のカギをオレに見せてくる。
「どこへですか?」
ラブホ一直線というのであればオレは一向に構わんッと言いたいところだが?
「その、いわゆる”姉”としてお前の面倒を見ると約束したわけだし……デートのエスコートくらいはするさ。今夜は私がうまいものを食わせてやる。予約も入れてあるから、今から行くぞ」
「……え?」
確かに昨日、関係を持つという承諾は得たものの、本当に姉活の姉として面倒を見てくれる気でいたとは。
完全に予想外だったため、一瞬戸惑ってしまった。
そんなオレの様子を見た冬原先生が。
「な、なんだ? やっぱり昨日までの話は冗談だったのか……うわっ!」
オレは引け腰になった冬原先生を逃すまいと、とっさに抱き着いた。
「ッ! や、やめろ、誰かに見られたらどうする!」
「……失礼しました」
すっと離れるオレ。
「いいか。学校では絶対に、その、そういう関係だと知られないよう普段通りにするんだぞ? 今みたいに校内で抱き着くなんてもってのほかだ」
「はい」
とりあえずは素直にうなずくが、女教師相手に校内でいたさないなんて選択肢はない。
いずれなし崩し的に学校内でスリルあるシチュエーションを楽しむつもりマンマンだ。
乱れたスーツをなおしながら冬原先生がオレに確認する。
「教員用の駐車場はわかるか?」
「はい、校舎裏のところですよね」
「先に行ってどこかに隠れてろ。私が合図したら乗り込め」
「わかりました」
確かに見られたら一発でアウトだし、気をつけないとね。
***
「先生、こういう車、好きなんですか?」
「なんとなくな。それに見た目がイカついと煽り運転もされないし、それはそれで便利だぞ」
まさかのツーシーター。
エンジンがシートの後ろ、つまり車の真ん中にあるミッドシップタイプの赤いスポーツカーだった。
「でも、この車。シートが倒れませんね」
「ああ。だから車の中で仮眠とかできないのが不便だ」
「カーセックスのお誘いかと思ったのに違ったんですね、残念です」
「み、宮城!?」
そんな楽しい会話の先で到着したのは焼き肉屋だった。
店内に入ると、香ばしくも強烈な匂いが充満している。
先生のスーツにも匂いがうつってしまわないかと心配になる。
そんな事など構わないとばかりに冬原先生は店員さんを呼んで、予約している事を告げる。
案内されたのは店の奥の個室だった。
「男の子は焼肉とか好きだろう」
「ええ、まぁ」
「好きなだけ食べろ」
確かに今の体ならドカ食いができるし、それはさぞ気持ちいいだろう。
しかしデートで焼き肉屋?
と思いつつも、女が男の機嫌を取る世界なら、そういうものかと納得した。
つい生前の感覚でデートに使う店というとオシャレなカフェとか、夜景の綺麗なレストランとかを想像しがちだが、ここでは逆なのだ。
焼き肉、ラーメン、回る寿司、このあたりが鉄板コースな気がする。
そんなわけで先生が焼いてくれる肉をおいしく頂き続けるオレ。
「先生は食べないんですか?」
「お前の食べっぷりが気持ちよくてな。見ているだけで満たされる」
「けど、今から体力使いますよ?」
遠回しにセックスするんでしょ? と確認する。
「っつ!? いや、その、なんだ。ええとだな」
おやおや、ここまで来て?
昨日は女に二言はないと言っておきながら?
「宮城、お前に話しておきたい事がある」
おや、冬原先生の様子がちょっとおかしい。
翌日の放課後。
「え」
「な、なんだ」
進路指導室の前で待っていたら、スーツ姿の冬原先生がやってきた。
「ジャージじゃないんですね」
「校外をジャージでうろつくわけないだろう」
「え? 校外?」
「お前。まさか神聖な学び舎で本気であんな事をするつもりだったのか?」
「……」
「……本気だったのか。い、いや、まぁそれくらい切羽詰まっている苦しみがあるんだな、すまん」
そう真摯になられるとこっちも恐縮してしまう。
オレはただヤリたい放題ヤリたいだけのクソビッチであり、そうやって親身になって心配されると良心に色々と刺さってしまう。
「今日は外に出るからな」
指にからめた車のカギをオレに見せてくる。
「どこへですか?」
ラブホ一直線というのであればオレは一向に構わんッと言いたいところだが?
「その、いわゆる”姉”としてお前の面倒を見ると約束したわけだし……デートのエスコートくらいはするさ。今夜は私がうまいものを食わせてやる。予約も入れてあるから、今から行くぞ」
「……え?」
確かに昨日、関係を持つという承諾は得たものの、本当に姉活の姉として面倒を見てくれる気でいたとは。
完全に予想外だったため、一瞬戸惑ってしまった。
そんなオレの様子を見た冬原先生が。
「な、なんだ? やっぱり昨日までの話は冗談だったのか……うわっ!」
オレは引け腰になった冬原先生を逃すまいと、とっさに抱き着いた。
「ッ! や、やめろ、誰かに見られたらどうする!」
「……失礼しました」
すっと離れるオレ。
「いいか。学校では絶対に、その、そういう関係だと知られないよう普段通りにするんだぞ? 今みたいに校内で抱き着くなんてもってのほかだ」
「はい」
とりあえずは素直にうなずくが、女教師相手に校内でいたさないなんて選択肢はない。
いずれなし崩し的に学校内でスリルあるシチュエーションを楽しむつもりマンマンだ。
乱れたスーツをなおしながら冬原先生がオレに確認する。
「教員用の駐車場はわかるか?」
「はい、校舎裏のところですよね」
「先に行ってどこかに隠れてろ。私が合図したら乗り込め」
「わかりました」
確かに見られたら一発でアウトだし、気をつけないとね。
***
「先生、こういう車、好きなんですか?」
「なんとなくな。それに見た目がイカついと煽り運転もされないし、それはそれで便利だぞ」
まさかのツーシーター。
エンジンがシートの後ろ、つまり車の真ん中にあるミッドシップタイプの赤いスポーツカーだった。
「でも、この車。シートが倒れませんね」
「ああ。だから車の中で仮眠とかできないのが不便だ」
「カーセックスのお誘いかと思ったのに違ったんですね、残念です」
「み、宮城!?」
そんな楽しい会話の先で到着したのは焼き肉屋だった。
店内に入ると、香ばしくも強烈な匂いが充満している。
先生のスーツにも匂いがうつってしまわないかと心配になる。
そんな事など構わないとばかりに冬原先生は店員さんを呼んで、予約している事を告げる。
案内されたのは店の奥の個室だった。
「男の子は焼肉とか好きだろう」
「ええ、まぁ」
「好きなだけ食べろ」
確かに今の体ならドカ食いができるし、それはさぞ気持ちいいだろう。
しかしデートで焼き肉屋?
と思いつつも、女が男の機嫌を取る世界なら、そういうものかと納得した。
つい生前の感覚でデートに使う店というとオシャレなカフェとか、夜景の綺麗なレストランとかを想像しがちだが、ここでは逆なのだ。
焼き肉、ラーメン、回る寿司、このあたりが鉄板コースな気がする。
そんなわけで先生が焼いてくれる肉をおいしく頂き続けるオレ。
「先生は食べないんですか?」
「お前の食べっぷりが気持ちよくてな。見ているだけで満たされる」
「けど、今から体力使いますよ?」
遠回しにセックスするんでしょ? と確認する。
「っつ!? いや、その、なんだ。ええとだな」
おやおや、ここまで来て?
昨日は女に二言はないと言っておきながら?
「宮城、お前に話しておきたい事がある」
おや、冬原先生の様子がちょっとおかしい。
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