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39話 今後の方針
しおりを挟むギルドをでた俺たちは、今後のことを話しながら街を歩くことにした。
「Sランク冒険者はみんな変人だからな。そう簡単に集められないぞ」
「そもそも、俺冒険者になったばかりだから、Sランク冒険者をほとんど知らないんだよな」
冒険者になってから日が浅いこともあり、高ランクの冒険者についてほとんど聞いたことがない。
Sランクだと、グレンとイグニスの2人しか知らないくらいだ。
「俺の知ってるSランク冒険者で、事情を話したら協力してくれそうなのはイグニスくらいだが、あいつは旅して回ってるからどこにいるかわからない。他の奴らは‥‥出来れば頼りたくないな」
グレンの苦々しい表情から、他のSランク冒険者達の厄介さが伝わってくる。
「どんな人たちなんだ?」
「どいつもこいつも会うたびに戦いを仕掛けてくるような戦闘狂ばっかりだ」
思い出したくもないという様子でグレンが言う。
どうやら、グレンはSランクの中でも別格と言われているため、頻繁に戦いを挑まれていたみたいだ。
それも、Sランクの実力者が全力で戦ってくるため、周りに被害が出ないようにするのも一苦労らしい。
「そんな奴らに手伝ってもらおうと思ったらどんな要求されるか分からん。事情が事情だから背に腹は変えられないが‥‥」
「あー、大変そうだな。今度からは俺も少しは手伝うよ」
「いいのか!?」
「あぁ、俺も早く魔人化を制御できるようになりたいからな。強い人と戦えるのは歓迎だよ」
「ありがとうフリージア!お前とパーティーを組んでてよかったっ!」
これまで見たことがないほどに喜ぶグレンの姿に、どれだけ嫌だったんだと苦笑する。
グレンがこれだけ嫌がるのだから少し不安にもなるが、Sランク冒険者と戦えるのはそれ以上に価値があるだろう。
それに、グレンには天輪花の採取を手伝ってもらうんだから、それくらいのことなら恩返ししたい。
「落ち着け、落ち着け。それより、今後のことを決めようぜ」
「あぁ、そうだな。俺はしばらくは王都で依頼を受けて留まっている方がいいと思う。ここが一番依頼も多いし、ここを拠点にしている奴は多い。無闇に動き回るよりここにいた方が見つけやすいと思う」
「確かにそうかもしれないな。取り敢えずひと月は様子を見よう」
一先ず今後の予定が決まったところで近くの店に入り昼食を取ることにした。
「あれから体の調子はどうだ?異変とかないか?」
「少し怠いけど今のところは大丈夫。グレンの神聖領域のおかげだな」
魔人化中は暴走しそうになるのを必死に抑え込まなければならないためとても疲れる。
だが、その分凄まじい力を発揮できるので、切り札として使えるようにはしておきたい。
「そういえば、フリージアは聖魔法が使えるんだろ?それを鍛えて魔人化の反動を抑えれるようにしとけよ」
「分かったけど、グレンがいれば問題ないんじゃないか?」
「常に一緒にいるとは限らないだろ?それに、お前は特殊スキルの効果でどんどん強くなっていく。俺がただの足手纏いになる時もそう遠くないだろう。その時のためにも一人でなんとかできるようになっておけ」
グレンの真剣な表情から本気で言っている事がわかり、こちらの気も引き締まる。
「でも、グレンはSランクの中でも飛び抜けてるんだから、足手纏いになることなんてないだろ」
「しばらくは大丈夫だろうが、そのうち技術じゃどうしようにもないステータスの差ができる。それに、俺の冒険者としての目的はもう達成したんだ。冒険者は引退してリオード商会で護衛とかするのも悪くないさ」
「そうか‥‥少し寂しくなるな」
「まだ先の話だ。そう簡単に追い越させるわけにはいかないからな」
「それもそうだな。あはは」
先の話だと言われて安心するが、いつかは一人で冒険すると思うと不安でいっぱいになる。
これまでグレンに甘えていた部分もあったかもしれない。
今後はグレンに教わりながらすこしずつ、冒険者として必要な技術や知識を身につけていこうと心に決めた。
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