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第7章 初めての部下
人質に近い配属
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『ワシも年を食った……って20代が言う台詞やないなあ』
明石はそう言うと直立不動の楓をつれて隊長室を出た。
廊下は静まり返っていた。帝都警備を任務とする海軍部隊の基地では最大規模の三条基地だが、その中にも西園寺派と烏丸派の対立があった。
基地司令の名前を貸している赤松の影響もあり、どうやっても西園寺派の優勢である部隊だが、烏丸派やその被官である隊員も少なくはない。誰もが無用な接触を避けて部屋に閉じこもっているばかりで一人の隊員ともすれ違わずに明石の中隊の詰め所にたどり着いた。
「お!隊長」
第一小隊指揮官の少尉が明石を見つけて敬礼する。そしてその後ろに美少年のような楓を見てなにやらニコニコと笑いを浮かべる隊員達。
「隊長、その坊やは」
「失敬な!僕は坊やじゃない!」
その言葉が女性の声なのに驚く隊員達。
「おう、ワレ等の後輩になる奴じゃ。挨拶せい」
「正親町三条楓曹長であります!」
その言葉に部屋の奥で腕立て伏せをしていた予科練上がりの下士官達が飛び上がって敬礼する。
「しかし、なんですな。どこかの姫君みたいな名前じゃないですか」
教導隊らしい雰囲気の第二小隊の古参の小隊長の中尉が楓に目をやる。
「ああ、嵯峨大公の娘さんじゃ」
そんな明石の言葉にそれまで緩んでいた部屋の空気が張りつめる。
「赤松のおやっさんも思い切ったことをするねえ」
古参の中尉の言葉に意味が分からないと言うように明石を見上げる楓。
「人質か?そないな姑息なことをする赤松さんじゃないやろ。おい楓曹長。部隊配属の希望はどこで出した」
「は!教導部隊であります!」
その言葉に奥で直立不動の大勢を取る若手が拍手を送っていた。
「まあ俺等は軍人だ。親父が宰相だろうが皇帝だろうが特別扱いはしないからな。それじゃあ荷物の片付けに行って来い!」
「了解しました!」
古参の中尉の一言で廊下を早足で歩いていく楓。
「使えるんですか?あの娘」
そう言う第二小隊隊長の肩をさっきから端末を叩いていた第三小隊の部隊長の眼鏡の少尉が叩く。そしてその画面に映っている楓の成績を見て口笛を吹いた。
「お前等!すぐに追いつかれるぞ!とりあえず鍛えろ」
その言葉に奥で直立していた若手のパイロット達は再び腕立て伏せを始める。
「確かにこの成績なら人質じゃなくてスカウトですね」
第一小隊の少尉の言葉に隊の下士官達も頷く。
「ええ人材や。ちゃんと育てろ」
そう言うと明石は晴れやかな気持ちで彼等を置いて部屋を出て行った。
明石はそう言うと直立不動の楓をつれて隊長室を出た。
廊下は静まり返っていた。帝都警備を任務とする海軍部隊の基地では最大規模の三条基地だが、その中にも西園寺派と烏丸派の対立があった。
基地司令の名前を貸している赤松の影響もあり、どうやっても西園寺派の優勢である部隊だが、烏丸派やその被官である隊員も少なくはない。誰もが無用な接触を避けて部屋に閉じこもっているばかりで一人の隊員ともすれ違わずに明石の中隊の詰め所にたどり着いた。
「お!隊長」
第一小隊指揮官の少尉が明石を見つけて敬礼する。そしてその後ろに美少年のような楓を見てなにやらニコニコと笑いを浮かべる隊員達。
「隊長、その坊やは」
「失敬な!僕は坊やじゃない!」
その言葉が女性の声なのに驚く隊員達。
「おう、ワレ等の後輩になる奴じゃ。挨拶せい」
「正親町三条楓曹長であります!」
その言葉に部屋の奥で腕立て伏せをしていた予科練上がりの下士官達が飛び上がって敬礼する。
「しかし、なんですな。どこかの姫君みたいな名前じゃないですか」
教導隊らしい雰囲気の第二小隊の古参の小隊長の中尉が楓に目をやる。
「ああ、嵯峨大公の娘さんじゃ」
そんな明石の言葉にそれまで緩んでいた部屋の空気が張りつめる。
「赤松のおやっさんも思い切ったことをするねえ」
古参の中尉の言葉に意味が分からないと言うように明石を見上げる楓。
「人質か?そないな姑息なことをする赤松さんじゃないやろ。おい楓曹長。部隊配属の希望はどこで出した」
「は!教導部隊であります!」
その言葉に奥で直立不動の大勢を取る若手が拍手を送っていた。
「まあ俺等は軍人だ。親父が宰相だろうが皇帝だろうが特別扱いはしないからな。それじゃあ荷物の片付けに行って来い!」
「了解しました!」
古参の中尉の一言で廊下を早足で歩いていく楓。
「使えるんですか?あの娘」
そう言う第二小隊隊長の肩をさっきから端末を叩いていた第三小隊の部隊長の眼鏡の少尉が叩く。そしてその画面に映っている楓の成績を見て口笛を吹いた。
「お前等!すぐに追いつかれるぞ!とりあえず鍛えろ」
その言葉に奥で直立していた若手のパイロット達は再び腕立て伏せを始める。
「確かにこの成績なら人質じゃなくてスカウトですね」
第一小隊の少尉の言葉に隊の下士官達も頷く。
「ええ人材や。ちゃんと育てろ」
そう言うと明石は晴れやかな気持ちで彼等を置いて部屋を出て行った。
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