1,195 / 1,557
第3章 仲間達
出迎え
しおりを挟む
「そう言えば、挨拶行かないの?」
機体を降りた誠の前でさんざんかなめにプロレス技をかけられていたアメリアが、屈伸をしながらカウラの顔を見上げる。
「そうだな。地球の会議に出発してひと月か……出張帰りだから顔を見せておくのもいいかも知れないな」
そう言いながらカウラはエメラルドグリーンのポニーテールを秋の風になびかせる。だが、一人眉をひそめているのがかなめだった。
「おい、姐御のところに行くのかよ?」
「いや、その必要はなさそうだぞ」
カウラはそう言って顔を上げた。噂をすれば何とやらと言うことで本部の建屋からランが実験を成功裏に終わらせてリラックスした表情を浮かべて歩いてくる。
「おう、元気そうじゃねーか!こんなところまで来て……ご苦労なこった」
ランはそう言うとかなめ達を見渡した。
「中佐は……引継ぎがまだなんですか?」
急に仕事モードの態度になったアメリアにランは苦笑いを浮かべる。
「まあな……アタシが異動になったのはいいが……ここも元々人手が足りてるところじゃねーからな。とりあえずアタシが作った訓練プログラムが実施されているかの確認とかがあってさ。それよりオメー等は遊んでていーのか?」
「お言葉ですが、法術兵器の使用については術者の身体や精神に過度の負担がかかると聞いていますから、彼の上官としてそのケアに当たるための方策を……」
カウラがそこまで言うと、ランが彼女をにらみつけた。思わずその迫力に気おされてカウラは黙り込んだ。そしてその視線は隣で引きつった笑みを浮かべるアメリアとかなめと順に向けられた後、にんまりとした笑みへと変わる。
「へー、神前曹長。相変わらずモテモテなんだなオメーは」
そう言って誠の肩を叩こうとするが、途中で背伸びをして手を伸ばす姿があまりにも間抜けになると気付いたのか、ランがは誠にボディーブローを放った。
「うおっ!!」
みぞおちに決まった一撃で誠はそのまま倒れこんだ。
「中佐!」
さすがのカウラもたまりかねて二人の間に割り込んだ。
「鍛え方が足りねーみたいだな。戻ったらしごいてやんよ」
そう言うと誠に寄り添うアメリアとカウラを残してランは管制塔へと去っていく。
「相変わらず傍若無人な奴だねえ。神前、大丈夫か?」
誠はかなめの言葉を聞くとゆっくりと立ち上がった。
「ええ、まあ」
ランの腹への一撃で噴出した脂汗を拭いながら誠は立ち上がった。
「じゃあとっとと着替えて来いよ」
そう言って誠からかなめは目を逸らして実験を眺めていた東和陸軍の兵士達の群れに向かっていく。
「あのーもしかして迎えに来てくれたんですか?」
ようやく気がついたように誠は三人にそう言った。頭を掻きながらカウラは天を見つめる。立ち止まって誠に背を向けたままポケットから取り出したタバコをくわえながらかなめはわざとらしくライターを探している。生暖かい視線を誠に送る西をアメリアは気を紛らすべく睨み付けて威嚇していた。
とりあえず逆らわないことが身のためと思った誠は着替えのためにそのまま駆け足でトレーラーの止めてあるハンガーへと急いだ。
機体を降りた誠の前でさんざんかなめにプロレス技をかけられていたアメリアが、屈伸をしながらカウラの顔を見上げる。
「そうだな。地球の会議に出発してひと月か……出張帰りだから顔を見せておくのもいいかも知れないな」
そう言いながらカウラはエメラルドグリーンのポニーテールを秋の風になびかせる。だが、一人眉をひそめているのがかなめだった。
「おい、姐御のところに行くのかよ?」
「いや、その必要はなさそうだぞ」
カウラはそう言って顔を上げた。噂をすれば何とやらと言うことで本部の建屋からランが実験を成功裏に終わらせてリラックスした表情を浮かべて歩いてくる。
「おう、元気そうじゃねーか!こんなところまで来て……ご苦労なこった」
ランはそう言うとかなめ達を見渡した。
「中佐は……引継ぎがまだなんですか?」
急に仕事モードの態度になったアメリアにランは苦笑いを浮かべる。
「まあな……アタシが異動になったのはいいが……ここも元々人手が足りてるところじゃねーからな。とりあえずアタシが作った訓練プログラムが実施されているかの確認とかがあってさ。それよりオメー等は遊んでていーのか?」
「お言葉ですが、法術兵器の使用については術者の身体や精神に過度の負担がかかると聞いていますから、彼の上官としてそのケアに当たるための方策を……」
カウラがそこまで言うと、ランが彼女をにらみつけた。思わずその迫力に気おされてカウラは黙り込んだ。そしてその視線は隣で引きつった笑みを浮かべるアメリアとかなめと順に向けられた後、にんまりとした笑みへと変わる。
「へー、神前曹長。相変わらずモテモテなんだなオメーは」
そう言って誠の肩を叩こうとするが、途中で背伸びをして手を伸ばす姿があまりにも間抜けになると気付いたのか、ランがは誠にボディーブローを放った。
「うおっ!!」
みぞおちに決まった一撃で誠はそのまま倒れこんだ。
「中佐!」
さすがのカウラもたまりかねて二人の間に割り込んだ。
「鍛え方が足りねーみたいだな。戻ったらしごいてやんよ」
そう言うと誠に寄り添うアメリアとカウラを残してランは管制塔へと去っていく。
「相変わらず傍若無人な奴だねえ。神前、大丈夫か?」
誠はかなめの言葉を聞くとゆっくりと立ち上がった。
「ええ、まあ」
ランの腹への一撃で噴出した脂汗を拭いながら誠は立ち上がった。
「じゃあとっとと着替えて来いよ」
そう言って誠からかなめは目を逸らして実験を眺めていた東和陸軍の兵士達の群れに向かっていく。
「あのーもしかして迎えに来てくれたんですか?」
ようやく気がついたように誠は三人にそう言った。頭を掻きながらカウラは天を見つめる。立ち止まって誠に背を向けたままポケットから取り出したタバコをくわえながらかなめはわざとらしくライターを探している。生暖かい視線を誠に送る西をアメリアは気を紛らすべく睨み付けて威嚇していた。
とりあえず逆らわないことが身のためと思った誠は着替えのためにそのまま駆け足でトレーラーの止めてあるハンガーへと急いだ。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
時き継幻想フララジカ
日奈 うさぎ
ファンタジー
少年はひたすら逃げた。突如変わり果てた街で、死を振り撒く異形から。そして逃げた先に待っていたのは絶望では無く、一振りの希望――魔剣――だった。 逃げた先で出会った大男からその希望を託された時、特別ではなかった少年の運命は世界の命運を懸ける程に大きくなっていく。
なれば〝ヒト〟よ知れ、少年の掴む世界の運命を。
銘無き少年は今より、現想神話を紡ぐ英雄とならん。
時き継幻想(ときつげんそう)フララジカ―――世界は緩やかに混ざり合う。
【概要】
主人公・藤咲勇が少女・田中茶奈と出会い、更に多くの人々とも心を交わして成長し、世界を救うまでに至る現代ファンタジー群像劇です。
現代を舞台にしながらも出てくる新しい現象や文化を彼等の目を通してご覧ください。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
蒼穹の裏方
Flight_kj
SF
日本海軍のエンジンを中心とする航空技術開発のやり直し
未来の知識を有する主人公が、海軍機の開発のメッカ、空技廠でエンジンを中心として、武装や防弾にも口出しして航空機の開発をやり直す。性能の良いエンジンができれば、必然的に航空機も優れた機体となる。加えて、日本が遅れていた電子機器も知識を生かして開発を加速してゆく。それらを利用して如何に海軍は戦ってゆくのか?未来の知識を基にして、どのような戦いが可能になるのか?航空機に関連する開発を中心とした物語。カクヨムにも投稿しています。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる