法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』

橋本 直

文字の大きさ
11 / 201
第二章 着替える『特殊な部隊』

第11話 コンプレックスを刺激する女

しおりを挟む
「そういえばアタシも鎧を着ている間中胸がきつくてねえ。良いなあカウラは体の凹凸が少なくて……胸がでかい身体もこういう時は考えものだわ」 

 そう言ったかなめだが、いつもなら皮肉を飛ばす相手のカウラがかなめの言うことを無視して黙っているところで、かなめは背後の小さな存在に気づくべきだった。

「おー、言うじゃねーか。それにはアタシも当てはまるんだな?確かにアタシは鎧を着ても邪魔になるものはねーな。着るのもすんなり着れた。便利だぞ、胸の無い身体も」 

 恐る恐るかなめが視線を下げるとそこにはどう見ても8歳くらいに見える制服姿のランが立っていた。その手にいつもどおり竹刀が握られていた。

「いえ、姐御。そう言う意味では……それに姐御が胸が無いのは幼いからであってこれから成長すれば……まあ4億年成長してないってことは成長しないんですよね、姐御は」 

 思いもかけぬところに登場した天敵であるランの存在にかなめはみるみる青ざめていった。

「じゃあどういう意味なのか言ってみろよ!詳しく知りてーんだ。懇切丁寧に教えてくれ。誰の身体の凹凸がほとんどねーんだ?言ってみろ?西園寺」 

 ランの竹刀がかなめの足元を叩いた。誠はうまいことそのタイミングを利用してすばやく上着を着込み、帽子をかぶった。

「じゃあ、クバルカ中佐。私達は先行ってますからその生意気な部下をボコっておいてください。かなめちゃん、口は災いの下よ、周りをよく見てから発言することね」 

 敬礼をしたアメリアが誠とカウラを引っ張って境内に歩き始めた。そのかなめの色気のあるタレ目が誠に助けを求めているような様子もあったが、満面に笑みを浮かべたアメリアは誠の手を引いてそのまま豆まきの会場に向かう観光客の群れに飛び込んだ。

「それにしても混みますねえ。なんか東都浅草寺より人手が多そうですよ。やっぱり流鏑馬なんて東和じゃ珍しいですからね。イベントが有ると集客効果が有ると言うことでしょうか?」 

 アメリアの手が緩んだところで誠は自分を落ち着かせるためにネクタイを直そうとしてやめた。恐怖すら感じる数の人の波を逆流するためにはそんなことは後回しだった。そのまま三人は押し負けてそのまま道の端に追いやられて八幡宮の階段を下りていった。人ごみを抜けたと言う安堵感でアメリアとカウラは安堵したような笑みを誠に投げかけた。

 そのまま群集から見放されたような階段が途切れ、コンクリート製の大きな鳥居が見える広場に出た。

「隊長の流鏑馬は去年も好評だったからな……去年よりかなり客は増えたようだな。たぶん人伝(ひとづて)でいろんなところに広まっているんだろう。かなり訛っている人もいたから地方からきている客も居るんだろうな。そう考えると我々の活動も市の役に立っていると言うわけだ」 

 そう言ってようやく人ごみを抜け出して安心したというようにカウラは笑った。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...