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第二十章 大人になれば分かること
第93話 大人の秘めたる思い
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「叔父貴の奥さん役ってのが良いんじゃねえの?あのおっさんのどこが良いのかはしらねえけどさ。まあ、春子さんにとって正義派を気取っていた弁護士として輝いて見えてたのはもう昔の話さ。今は誰から見ても駄目人間だろ?でも忘れられねえのかねえ……それとも叔父貴は女慣れしてるからアレが上手いのかも」
カウラと誠はかなめの言葉に顔を見合わせた。
「それは無いんじゃないかな?確か二人の付き合いは『東都戦争』のころからって聞いてるけど、見ていてなにも感じないが。確かに隊長に女将が悪い男から自分を救ってくれた隊長に恩を感じているのは事実かも知れないが、それはそれ、これはこれだ。それに二人とも遼州人だ。遼州人は愛を知らない人種だ。そんな甘い思いで動いているとは考えられない」
カウラは嵯峨と現時点においてほとんど嵯峨との接点の無い春子の事を思って自然とそう言っていた。
「鈍いねえ小隊長殿は。叔父貴は一度女将さんを地獄から救ってるんだぜ。恩を感じねえのは人としてどうかってところだろ?それにああ見えて叔父貴は不死人だから若い。若いツバメの一人も欲しいのが熟女の願望なんじゃねえかな?しかも、叔父貴は実は9歳で童貞を捨ててるくらい女性経験豊富なんだぜ。当然女の喜ばせ方も知り尽くしてる。しかも最初は客として本番アリの違法風俗店の嬢だった女将さんと会ってるんだ。そこで何もなかったなんて考えられねえだろうが。そん時の叔父貴の味が忘れられねえとかあるんじゃねえの?」
首をひねる純情なカウラをかなめは下品な笑みを浮かべながら笑い飛ばした。
「一度、男に懲りた人間が再び人を好きになることはあるのだろうか?私には理解できない。それに遼州人はそもそも人を好きになることが少ない。隊長も春子さんも遼州人だ。そんな二人が結ばれたがってるとは私には到底思えない。しかも隊長の女に見境の無いことは誰もが知るところだ。前の男のようになるのは目に見えてる。ただ隊長を客として立てているだけだろう。客と女将の関係。それ以上のものでは無いと思うぞ」
カウラはかなめの推測に断固として抵抗した。
「それを言うならあの恋愛体質のかえでの半分も遼州人の血だぜ?それでもアタシや『許婚』である神前にはぞっこんだ。遼州人だからって恋をしねえわけじゃねえ。実際統計学的にも遼州人の結婚の0.001%は恋愛結婚だと言うぞ。ゼロじゃ無いんだ。それにうちにも『純情硬派』な島田がサラと付き合っていると言う身近な例がある。だから男を知らねえ処女は話にならねえんだ」
かなめはそう言って恋に無頓着なまるで遼州人そのもののようなカウラの考え方を否定して見せた。
「すると貴様も遼州人と地球人のハーフだな……ああ、そうか。東都戦争の時に男が居たとか言ってたな。確かに、遼州人の遺伝子は劣性遺伝子で遼州人の要素は地球人と混血するとほぼ無くなると言う。つまり、貴様も遼州人とは違って恋をするということか?それで神前に突っかかっていくわけか?良く分かった。ただし神前には日野少佐と言う『許婚』が居る。そして日野少佐は貴様の妹で貴様を慕っている。それを裏切って神前を奪うような真似はしてくれるなよ。隊の士気に関わる」
挑発的なカウラの言葉にかなめは明らかに激しい怒りに囚われたと言う表情をした。
「お二人とも冷静に……女将さんが隊長をどう思っていても良いじゃないですか。二人とも子供もいる立派な大人です。僕達がどうこうできる話じゃありません」
誠はかなめとカウラの間に入ってそう仲裁した。二人の視線が誠に突き刺さった。
「なんですか……その目。二人とも僕は何かまずいことを言いました?それに僕は日野少佐を『許婚』として認めて無いって何度も行ってるじゃないですか!僕は迷っている一遼州人の青年に過ぎないんです!答えを出すのはまだまだ先です!」
かなめとカウラの反応に誠は怯えを感じた。だが、そんな時かなめの表情が不意に険しくなった。
「神前。オメエは典型的な遼州人だな。恋をまったくしない。恋心とか全然わからねえだろ?性欲だけは旺盛なくせに。正直に言えよ、あんな動画を見せられて結婚とかは別としてかえでとやりてえんだろ?ついでにリンと使用人を自由にしてえんだろ?『許婚』が嫌だってのはかえでが変態すぎて手に負えないのとかえでが男には手を出さねえが女とみると見境なく手を出すところが有るからそれが気になってるんだろ?正直に言ってみろ。本音で行こうや」
かなめはそう言って誠に詰め寄った。
「そんな……僕なんかがかえでさんを好きになって言い訳無いじゃないですか!あの人あんなに美人なんですよ!それに四大公家の貴族。つりあいませんよ。それの他に僕の事を好きになる人なんて居るわけが無いじゃないですか!だから恋をしようにもできないんです!西園寺さんも同僚として付き合ってくれてるんでしょ?それくらい僕だってわかりますよ」
誠は典型的な遼州人の思考でそう答えた。
「しかし、日野少佐は貴様を『許婚』だと言って結婚する気でいるぞ?嫌いな人間にあそこまで迫るなどと言うことはあの日野少佐の性格からして有り得ない。少なくとも日野少佐には貴様は愛されている。貴様が下手なこだわりを捨てる事さえすれば貴様は日野少佐と言う美女を手に入れることが出来る境遇にある」
カウラは冷静を装ってそう静かに言い切った。ただし、カウラのその目はどこかしら諦めを含んだように泳いでいた。
「え?僕がこだわりを捨てれば日野少佐が僕を好きになる?」
カウラに指摘されて誠は驚いた。遼州人である誠にとってかえでの誠への態度はかえでの変態行為の一環だとしか認識していなかった。それが愛だという発想は誠には無かった。
「またまた、カウラさん。冗談ばっかり。成り行きですよ成り行き。僕を好きになる人なんて現れるわけが有りません!断言します!」
誠は遼州人として自信を持ってそう答えた。
そんな二人の会話を笑って見守っていたかなめの表情に緊張が走った。
「オメエ等、黙ってろ。非常事態だ」
そう言うとかなめは忍び足で外に暖簾のはためくガラスの引き戸へ向かった。
「かなめ、何やってるの?」
着替えてきた小夏に静かにするようにかなめは人差し指を立てた。そしてそのまま扉に手をかけた。
カウラと誠はかなめの言葉に顔を見合わせた。
「それは無いんじゃないかな?確か二人の付き合いは『東都戦争』のころからって聞いてるけど、見ていてなにも感じないが。確かに隊長に女将が悪い男から自分を救ってくれた隊長に恩を感じているのは事実かも知れないが、それはそれ、これはこれだ。それに二人とも遼州人だ。遼州人は愛を知らない人種だ。そんな甘い思いで動いているとは考えられない」
カウラは嵯峨と現時点においてほとんど嵯峨との接点の無い春子の事を思って自然とそう言っていた。
「鈍いねえ小隊長殿は。叔父貴は一度女将さんを地獄から救ってるんだぜ。恩を感じねえのは人としてどうかってところだろ?それにああ見えて叔父貴は不死人だから若い。若いツバメの一人も欲しいのが熟女の願望なんじゃねえかな?しかも、叔父貴は実は9歳で童貞を捨ててるくらい女性経験豊富なんだぜ。当然女の喜ばせ方も知り尽くしてる。しかも最初は客として本番アリの違法風俗店の嬢だった女将さんと会ってるんだ。そこで何もなかったなんて考えられねえだろうが。そん時の叔父貴の味が忘れられねえとかあるんじゃねえの?」
首をひねる純情なカウラをかなめは下品な笑みを浮かべながら笑い飛ばした。
「一度、男に懲りた人間が再び人を好きになることはあるのだろうか?私には理解できない。それに遼州人はそもそも人を好きになることが少ない。隊長も春子さんも遼州人だ。そんな二人が結ばれたがってるとは私には到底思えない。しかも隊長の女に見境の無いことは誰もが知るところだ。前の男のようになるのは目に見えてる。ただ隊長を客として立てているだけだろう。客と女将の関係。それ以上のものでは無いと思うぞ」
カウラはかなめの推測に断固として抵抗した。
「それを言うならあの恋愛体質のかえでの半分も遼州人の血だぜ?それでもアタシや『許婚』である神前にはぞっこんだ。遼州人だからって恋をしねえわけじゃねえ。実際統計学的にも遼州人の結婚の0.001%は恋愛結婚だと言うぞ。ゼロじゃ無いんだ。それにうちにも『純情硬派』な島田がサラと付き合っていると言う身近な例がある。だから男を知らねえ処女は話にならねえんだ」
かなめはそう言って恋に無頓着なまるで遼州人そのもののようなカウラの考え方を否定して見せた。
「すると貴様も遼州人と地球人のハーフだな……ああ、そうか。東都戦争の時に男が居たとか言ってたな。確かに、遼州人の遺伝子は劣性遺伝子で遼州人の要素は地球人と混血するとほぼ無くなると言う。つまり、貴様も遼州人とは違って恋をするということか?それで神前に突っかかっていくわけか?良く分かった。ただし神前には日野少佐と言う『許婚』が居る。そして日野少佐は貴様の妹で貴様を慕っている。それを裏切って神前を奪うような真似はしてくれるなよ。隊の士気に関わる」
挑発的なカウラの言葉にかなめは明らかに激しい怒りに囚われたと言う表情をした。
「お二人とも冷静に……女将さんが隊長をどう思っていても良いじゃないですか。二人とも子供もいる立派な大人です。僕達がどうこうできる話じゃありません」
誠はかなめとカウラの間に入ってそう仲裁した。二人の視線が誠に突き刺さった。
「なんですか……その目。二人とも僕は何かまずいことを言いました?それに僕は日野少佐を『許婚』として認めて無いって何度も行ってるじゃないですか!僕は迷っている一遼州人の青年に過ぎないんです!答えを出すのはまだまだ先です!」
かなめとカウラの反応に誠は怯えを感じた。だが、そんな時かなめの表情が不意に険しくなった。
「神前。オメエは典型的な遼州人だな。恋をまったくしない。恋心とか全然わからねえだろ?性欲だけは旺盛なくせに。正直に言えよ、あんな動画を見せられて結婚とかは別としてかえでとやりてえんだろ?ついでにリンと使用人を自由にしてえんだろ?『許婚』が嫌だってのはかえでが変態すぎて手に負えないのとかえでが男には手を出さねえが女とみると見境なく手を出すところが有るからそれが気になってるんだろ?正直に言ってみろ。本音で行こうや」
かなめはそう言って誠に詰め寄った。
「そんな……僕なんかがかえでさんを好きになって言い訳無いじゃないですか!あの人あんなに美人なんですよ!それに四大公家の貴族。つりあいませんよ。それの他に僕の事を好きになる人なんて居るわけが無いじゃないですか!だから恋をしようにもできないんです!西園寺さんも同僚として付き合ってくれてるんでしょ?それくらい僕だってわかりますよ」
誠は典型的な遼州人の思考でそう答えた。
「しかし、日野少佐は貴様を『許婚』だと言って結婚する気でいるぞ?嫌いな人間にあそこまで迫るなどと言うことはあの日野少佐の性格からして有り得ない。少なくとも日野少佐には貴様は愛されている。貴様が下手なこだわりを捨てる事さえすれば貴様は日野少佐と言う美女を手に入れることが出来る境遇にある」
カウラは冷静を装ってそう静かに言い切った。ただし、カウラのその目はどこかしら諦めを含んだように泳いでいた。
「え?僕がこだわりを捨てれば日野少佐が僕を好きになる?」
カウラに指摘されて誠は驚いた。遼州人である誠にとってかえでの誠への態度はかえでの変態行為の一環だとしか認識していなかった。それが愛だという発想は誠には無かった。
「またまた、カウラさん。冗談ばっかり。成り行きですよ成り行き。僕を好きになる人なんて現れるわけが有りません!断言します!」
誠は遼州人として自信を持ってそう答えた。
そんな二人の会話を笑って見守っていたかなめの表情に緊張が走った。
「オメエ等、黙ってろ。非常事態だ」
そう言うとかなめは忍び足で外に暖簾のはためくガラスの引き戸へ向かった。
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