法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』

橋本 直

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第三十四章 本当に魔法少女なので

第143話 『本物』の余裕を見せるリアル魔法少女

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「なるほど少しはできるようだな!ならば名乗ってやろう!」 

 そう言うと再びつむじ風が教室に吹きつけた。生徒達は次々と砕けていく窓ガラスから逃げるようにして廊下へと飛び出していった。部屋に残っているのは小夏とアメリアだけだった。考えてみれば他のキャラクターは全て合成なので、演技などをさせればそのことがバレることを恐れての新藤の気配りだろうと誠は思った。その残ったアメリアも強風にあおられてパニック状態に陥っていた。

「アタシは機械帝国に忠誠を尽くす者!すべてを血に染め、向かうものすべてを切り裂く定めを持つもの!ブラッディー・ラン!」 

 ランは剣を小夏に突きつけて叫んだ。

『いつもよりよっぽど大人に見えるな。いつも『人類最強』とか子供みたいなことを抜かしてるからそう見えるのか。それとあの口調。いつものだれた口調と違って緊張感が有るな。いつもこういう風にしゃべればいいのに』 

 かなめのつぶやきにアメリアが思わず噴出した。誠はただ苦笑いを浮かべて二人の戦いを見つめていた。周りに人の気配が消えたのを知って、小夏のかばんから飛び出したのは小さなグリンだった。

「今だ!変身するんだ!そうしなければこの学校も機械帝国に侵略されてしまう!」 

 グリンの声に小夏は頷くと右手を掲げた。すぐさま手にしていた杖が元のサイズに戻り淡いピンク色の光を放った。

「天空と地と海を統べる世界よ!アタシに力を!」 

 その変身の呪文が前回とまるで違うことに気づいた誠達の前で、小夏の制服がはじけるように消えた。やわらかい桃色の光に包まれた小夏の体に靴やソックスや手袋などが次々と現れて前回と同じ魔法少女の姿が見え始めた。

 そして桃色の光がはじけ飛んだときに表れたのは、魔法少女『キャラットなっちゃん』の姿だった。

『なあ、神前。あいつの呪文ってなんか意味あるのか?前回とかなり違う割には出来上がった姿が同じなんだが』

 かなめは不思議そうにそう言って納得がいっていないようだった。

『ただ前のを覚えてなかっただけじゃないですか?小夏ちゃんは理系であまり演技とかには興味ないみたいですから』 

 誠は言い訳がましくそう言った。

 明らかに違う呪文を唱える小夏を前にして、ランもあえて突っ込みをいれずにシリアスモードで変身した小夏に剣を構えて立った。

「所詮は素人。戦いを知らないものには、死!あるのみ!」 

 そう言って切りかかるランだが、小夏は桃色の光を放ちながら宙に待ってその剣を避ける。振り下ろされたランの剣はまるで豆腐でも切るようにあっさりと机を両断していた。

『凄い切れ味だな……神前。刀とはあれほど切れるものなのか?』

 カウラは剣に慣れていないので誠に素直にそう聞いてきた。

『要は使う人次第と言うところですね。ちなみに僕は出来ますけど』

 誠は『光の剣(つるぎ)』の法術のおかげで、竹刀で大木を切り倒すこともできてしまうので剣道をやめさせられた経験からそう言った。

『神前、オメエ結構凄い腕なんだな……ああ、オメエは『光の剣』が子供のころから仕えたとか言ってたな。斬れて当然か』

 かなめは誠の剣術の腕を舐めていたことを思い知ってそう言っていた。

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