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第三十七章 『特殊な部隊』の辛い飲み会
第77話 従属する心、解放されぬ体
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「春子さん。あなたは『普通の人間』だから、ちょっと分かりにくいかもしれないけど……私たち『ラスト・バタリオン』には、身体の造りそのものに複雑な事情があるの。だからそう簡単には割り切れないのよ」
黙ってビールを飲んでいたアメリアが春子に向かってそう言った。意外な人物が言葉を発したことに驚いたように春子はアメリアの顔をまじまじと見つめた。
「でも、今はちゃんと人間として扱われてるじゃない。アメリアさんもリンさんも。しかも今では立派な……いえ、警察官よね、『特殊な部隊』の皆さんは」
春子はそう言って笑顔を浮かべた。
「さっきリンが言ってた『従属本能』って奴が厄介なのよ。戦後起動型、この場にいるカウラなんかにはそれはないけど、密輸品だったリンや私みたいに戦後すぐにロールアウトしたタイプにはその『従属本能』が植え付けられていたの」
アメリアの独白で、誠はアメリアがあの二十年前の第二次遼州戦争直後にロールアウトしたということを初めて知った。
「『従属本能』って、分かる? 簡単に言えばね……誰かに『絶対服従』してしまうよう、脳に組み込まれてる命令よ。戦闘と兵士慰安の為に作られたための『ラスト・バタリオン』には必須の本能……初期覚醒体の私にも仕組まれていたわ……それは……善悪の判断なんて、全部ぶっ飛ぶの。私も戦後も抵抗を続けたネオナチの施設で目覚めた……それはそれはひどい扱いを受けたわ。そこで受けた仕打ちはここに誠ちゃんが居るから言いたくないけど」
アメリアはそう言ってビールを飲んだ。いつもの月島屋の明るい雰囲気はそこには無かった。どんよりとした宿命を背負った女が三人ここに居る。誠にはそのことだけは分かった。
「私も……岡場所で十人の男たちの相手をさせられて、どんなひどい扱いを受けても、『それが当然』だと受け入れていたんです。それが『従属本能』の持つ力です。その場にかえで様がお見えにならなかったらその男達に死ぬまで犯されていたでしょう。しかも、それに一切逆らうこともできずに」
リンは改めてかえでの顔を見やった。かえでは悲しい笑みを浮かべながらそう語るリンを優しい目で見つめていた。
「そう、それが『従属本能』の恐ろしいところ。じゃあ、聞くけど誠ちゃん。なんで『ラスト・バタリオン』が女ばかりなのはわかる?」
誠は深刻な話の中でのアメリアからの突然の質問に言葉を発することもできなかった。
「分からないでしょうね。誠ちゃんは社会情勢に疎いから。『ラスト・バタリオン』が女ばかりなのは子供を産むため。『民族の純血を守る』ってのが当時ゲルパルト第四帝国を支配していたアーリア人民党のスローガンだもの。その為の兵隊の相手をさせられる『産む機械』。それが『ラスト・バタリオン』が作られた本当の目的よ」
アメリアの言ったことはあまりに衝撃的すぎて誠は言葉が無かった。同時に人間を機械として扱うネオナチのやり方に憤りと軽蔑を感じていた。
「ネオナチの残党から救出されたとき、すでに私のお腹に子どもがいたらしいの。……そのまま産んだわ。何も分からないままに。でもそれからは会ってない。会う気にもなれないわ。だって当時の私と今の私は別人だもの。今更母親面なんてできないわ」
この告白も誠は初めて知るものだった。そしてアメリアの気持ちも分からないでは無かった。アメリアの告白を聞きながら、誠は言葉も出なかった。人を守るために戦ってきたと思っていた彼女が、かつてそんな目に遭っていたとは。いつの間にか誠の手は焼鳥に伸びることが無くなっていた。
「だからそんな国、こちらから捨ててやるって言ってこの東和に来たのよ。ああ、軍籍がなぜまだゲルパルトにあるかってこと?当時、ゲルパルトは戦うことしか知らない『ラスト・バタリオン』の教育プログラムとして通信教育で士官学校の教育をするという制度を設けていたの。おかげで、東和の小さなアパートでバイトしながら通信課程で士官学校を出た。それで今の私があるのよ」
誠は今の趣味人のアメリアからは想像がつかないような暗い過去が彼女にあることを知って衝撃を受けていた。
「隊長、ちょっとすまねーが」
そのかわいらしい声を聞いた時、この場にいる全員が後悔の念に包まれた。
この場にいる誰もがそこに見た目がどう見ても8歳幼女のランが居ることを忘れていた。
「そうだったな。お前さんがここにいることを忘れてた。今までの話、無かったことにならないかな?」
そう言う嵯峨にランは苦笑いを浮かべる。
「犯った、犯らねえの話は戦場で嫌って程聞いてるから別に良―よ。それに殺したことに関していえばアタシは人の事を言えた義理じゃねー。そんな数、かわいいもんだなアタシはその10万倍は殺してる」
ランは自嘲気味な笑みを浮かべながらそう言った。
「アメリア、その『従属本能』ってやつ、カウラの『パチンコ依存』と何か関係あんのか?今のアタシにとってはそっちの方が気になるんだ」
どうやらランが気にしているのは話題が性犯罪に関するものであることよりもカウラの『ギャンブル依存症』と『従属本能』との関係の事らしいと誠にも分かった。
「それは関係ないと思うわよ。『従属本能』は『ラスト・バタリオン』の初期型の場合は表面に出て誰が見ても分かる程度のものだけど、カウラちゃんは最終ロットだから『従属本能』の心理への影響は私達に比べたらほとんど無いはずよ。要するに……カウラちゃん、それは自業自得ってことね。カウラちゃん、パチンコにはまる言い訳が一つ減って残念だったわね」
アメリアはあっさりとそう言った。カウラは苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべて烏龍茶を飲んでいた。
「ということは、アメリアさんにはまだ『従属本能』が残ってるんですか?」
誠はつい、蒸し返すようにそう口走っていた。アメリアは苦笑いを浮かべてそんな誠を見つめていた。
「私がネオナチの残党から救出されて処置を施された段階で洗脳に近かった『従属本能』はかなり消え去ったとは聞いてるけど……残ってるかもね。もしかして、誠ちゃん。私を従わせたいの?もしかして、かなめちゃんと一緒のドSになりたいわけ?」
こういった時、アメリアはいつもの明るいアメリアに戻っていた。
「誰がドSだ!誰が!」
トリ皮を食べていたかなめがアメリアを怒鳴りつけた。
「オメーら。学習能力がねーのか?アタシがこの場に居るって何度言えばわかるんだ?そんな話はこれ以上禁止だ!それとこのことを他の隊員に漏らすんじゃねーぞ。連中も男だ。変な目でテメーらを見るようになる。特に『純情硬派』が売りの島田にだけは知られないようにしておけ。アイツの事だ、どう暴走するか分かったもんじゃねー。それこそ『ゲルパルトの人間は皆殺しだ!』とか言って星間シャトルをかっぱらうこともやりかねねー。これはここに居る人間だけの秘密。そーしとこーや」
ランはそう言って純情硬派で自分の正義感だけで突っ走る男、整備班班長島田正人の事を気遣っていた。
「お姉さま、すみません。時間になりましたので」
まだ開始一時間を過ぎたばかりだというのにかえでとリンは帰り支度を始めた。
「おいおい、なんだよ。これからだろ?辛気臭い話はこれくらいにしてこれからは楽しい話をしようや!これからうちの馬鹿な連中の話とか教えてやろうと思ってたのによう。付き合いの悪い奴だ?なんでこの時間に帰る?」
妹の突然の帰宅表明にかなめは不機嫌そうにそう言った。
「今日はね、僕がリンに『攻められる日』って決めてあるので。僕の身体がそれを欲してやまないんです」
かえでの爆弾発言に、誠は思わず豚串を噛み砕くのを忘れた。
『『僕が攻められる日』って……どんなスケジュール帳だよ、日野少佐。リンさんとの関係、昔と何も変わってない気がする……』
誠はそんな思いを抱きながら、空になったビールジョッキを見つめていた。
「やっぱり……かえでちゃんは……私達が作ってるエロゲに出てくるようなエッチな日常を送ってるのね。感動しちゃった。じゃあタクシーの手配をするわね。当然、私も同乗させてもらうけど。色々プレイの内容とか話を聞きたいし。今後の創作活動の参考の為に」
18禁同人誌を集めることも趣味の1つである多趣味の人アメリアは感動に打ち震えながらそう言っていた。
「いいえ、別にこれが普通ですよ。今日は僕がリンに女性として扱われる日。そう決めているんです」
かえでは笑顔でアメリアに感謝しながらそう言った。
「それのどこが普通なんだよ!そんな普通聞いたことがねえよ!アタシのせいか?これも全部アタシが悪いのか?」
妹の妄言にかなめがキレた。今にも銃を持ち出してかえでを射殺しかねないかなめの殺気に誠はかなめもかえでとリンの関係は普通ではないと感じていた。
「ねえ、どんなプレイをするの?おもちゃとか使うの?変態的なプレイとか?タクシーの中でゆっくり聞かせてよ。動画とかある?ちょっとエロゲ製作の参考になればうれしいんだけど」
アメリアはかなめの事など全く無視してかえでがリンに何をされるのかをただ知りたがっていた。彼女自身が先ほどまでは悲劇のヒロインであったという事実はもうすでにこの場にいる全員が忘れ去っていた。
「それでは失礼します」
好奇心で自分の私生活を覗かれるのはあまり好きではないようで、かえではアメリアを無視してそう言うとリンを連れて階段を下りて行った。
「待ってよ!タクシー来るのあと5分くらいかかるわよ!それに私の名前で予約したから私が居ないと乗れないわよ!」
アメリアはそう叫んでかえで達に続いて階段を駆け下りて行った。
「なんだよ、つまらねえな。この場には第二小隊はまだ18歳だから酒が飲めねえアンしかいねえ。もうこうなったらやけ酒だ!女将さん!『レモンハート』追加で!」
明らかに不機嫌そうになるかなめに誠は冷や汗を浮かべていた。
「……これが『飲み会』ってやつなんですか?なんだか、ずいぶん重たい話が多いんですね。でも……次は、もうちょっと楽しい話が聞けたら嬉しいです」
烏龍茶を飲み干して、アンはそう呟いた。
その瞳には、ほんの少しだけ未来への期待が宿っていた。
アンは初めての飲み会というものの話題の重さにただ沈黙して烏龍茶を飲んでいた。
「アン君。それは誤解だから。いつもはもっと明るい日常の話題とかする場所だから。というかなんでこんな話題になったんですか?」
飲み会というものを完全に誤解した状態で烏龍茶を飲んでいるアンを見ながら、誠はただ変な方向に話題を持って行った主犯格が消え去った月島屋で豚串を頬張っていた。
黙ってビールを飲んでいたアメリアが春子に向かってそう言った。意外な人物が言葉を発したことに驚いたように春子はアメリアの顔をまじまじと見つめた。
「でも、今はちゃんと人間として扱われてるじゃない。アメリアさんもリンさんも。しかも今では立派な……いえ、警察官よね、『特殊な部隊』の皆さんは」
春子はそう言って笑顔を浮かべた。
「さっきリンが言ってた『従属本能』って奴が厄介なのよ。戦後起動型、この場にいるカウラなんかにはそれはないけど、密輸品だったリンや私みたいに戦後すぐにロールアウトしたタイプにはその『従属本能』が植え付けられていたの」
アメリアの独白で、誠はアメリアがあの二十年前の第二次遼州戦争直後にロールアウトしたということを初めて知った。
「『従属本能』って、分かる? 簡単に言えばね……誰かに『絶対服従』してしまうよう、脳に組み込まれてる命令よ。戦闘と兵士慰安の為に作られたための『ラスト・バタリオン』には必須の本能……初期覚醒体の私にも仕組まれていたわ……それは……善悪の判断なんて、全部ぶっ飛ぶの。私も戦後も抵抗を続けたネオナチの施設で目覚めた……それはそれはひどい扱いを受けたわ。そこで受けた仕打ちはここに誠ちゃんが居るから言いたくないけど」
アメリアはそう言ってビールを飲んだ。いつもの月島屋の明るい雰囲気はそこには無かった。どんよりとした宿命を背負った女が三人ここに居る。誠にはそのことだけは分かった。
「私も……岡場所で十人の男たちの相手をさせられて、どんなひどい扱いを受けても、『それが当然』だと受け入れていたんです。それが『従属本能』の持つ力です。その場にかえで様がお見えにならなかったらその男達に死ぬまで犯されていたでしょう。しかも、それに一切逆らうこともできずに」
リンは改めてかえでの顔を見やった。かえでは悲しい笑みを浮かべながらそう語るリンを優しい目で見つめていた。
「そう、それが『従属本能』の恐ろしいところ。じゃあ、聞くけど誠ちゃん。なんで『ラスト・バタリオン』が女ばかりなのはわかる?」
誠は深刻な話の中でのアメリアからの突然の質問に言葉を発することもできなかった。
「分からないでしょうね。誠ちゃんは社会情勢に疎いから。『ラスト・バタリオン』が女ばかりなのは子供を産むため。『民族の純血を守る』ってのが当時ゲルパルト第四帝国を支配していたアーリア人民党のスローガンだもの。その為の兵隊の相手をさせられる『産む機械』。それが『ラスト・バタリオン』が作られた本当の目的よ」
アメリアの言ったことはあまりに衝撃的すぎて誠は言葉が無かった。同時に人間を機械として扱うネオナチのやり方に憤りと軽蔑を感じていた。
「ネオナチの残党から救出されたとき、すでに私のお腹に子どもがいたらしいの。……そのまま産んだわ。何も分からないままに。でもそれからは会ってない。会う気にもなれないわ。だって当時の私と今の私は別人だもの。今更母親面なんてできないわ」
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「だからそんな国、こちらから捨ててやるって言ってこの東和に来たのよ。ああ、軍籍がなぜまだゲルパルトにあるかってこと?当時、ゲルパルトは戦うことしか知らない『ラスト・バタリオン』の教育プログラムとして通信教育で士官学校の教育をするという制度を設けていたの。おかげで、東和の小さなアパートでバイトしながら通信課程で士官学校を出た。それで今の私があるのよ」
誠は今の趣味人のアメリアからは想像がつかないような暗い過去が彼女にあることを知って衝撃を受けていた。
「隊長、ちょっとすまねーが」
そのかわいらしい声を聞いた時、この場にいる全員が後悔の念に包まれた。
この場にいる誰もがそこに見た目がどう見ても8歳幼女のランが居ることを忘れていた。
「そうだったな。お前さんがここにいることを忘れてた。今までの話、無かったことにならないかな?」
そう言う嵯峨にランは苦笑いを浮かべる。
「犯った、犯らねえの話は戦場で嫌って程聞いてるから別に良―よ。それに殺したことに関していえばアタシは人の事を言えた義理じゃねー。そんな数、かわいいもんだなアタシはその10万倍は殺してる」
ランは自嘲気味な笑みを浮かべながらそう言った。
「アメリア、その『従属本能』ってやつ、カウラの『パチンコ依存』と何か関係あんのか?今のアタシにとってはそっちの方が気になるんだ」
どうやらランが気にしているのは話題が性犯罪に関するものであることよりもカウラの『ギャンブル依存症』と『従属本能』との関係の事らしいと誠にも分かった。
「それは関係ないと思うわよ。『従属本能』は『ラスト・バタリオン』の初期型の場合は表面に出て誰が見ても分かる程度のものだけど、カウラちゃんは最終ロットだから『従属本能』の心理への影響は私達に比べたらほとんど無いはずよ。要するに……カウラちゃん、それは自業自得ってことね。カウラちゃん、パチンコにはまる言い訳が一つ減って残念だったわね」
アメリアはあっさりとそう言った。カウラは苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべて烏龍茶を飲んでいた。
「ということは、アメリアさんにはまだ『従属本能』が残ってるんですか?」
誠はつい、蒸し返すようにそう口走っていた。アメリアは苦笑いを浮かべてそんな誠を見つめていた。
「私がネオナチの残党から救出されて処置を施された段階で洗脳に近かった『従属本能』はかなり消え去ったとは聞いてるけど……残ってるかもね。もしかして、誠ちゃん。私を従わせたいの?もしかして、かなめちゃんと一緒のドSになりたいわけ?」
こういった時、アメリアはいつもの明るいアメリアに戻っていた。
「誰がドSだ!誰が!」
トリ皮を食べていたかなめがアメリアを怒鳴りつけた。
「オメーら。学習能力がねーのか?アタシがこの場に居るって何度言えばわかるんだ?そんな話はこれ以上禁止だ!それとこのことを他の隊員に漏らすんじゃねーぞ。連中も男だ。変な目でテメーらを見るようになる。特に『純情硬派』が売りの島田にだけは知られないようにしておけ。アイツの事だ、どう暴走するか分かったもんじゃねー。それこそ『ゲルパルトの人間は皆殺しだ!』とか言って星間シャトルをかっぱらうこともやりかねねー。これはここに居る人間だけの秘密。そーしとこーや」
ランはそう言って純情硬派で自分の正義感だけで突っ走る男、整備班班長島田正人の事を気遣っていた。
「お姉さま、すみません。時間になりましたので」
まだ開始一時間を過ぎたばかりだというのにかえでとリンは帰り支度を始めた。
「おいおい、なんだよ。これからだろ?辛気臭い話はこれくらいにしてこれからは楽しい話をしようや!これからうちの馬鹿な連中の話とか教えてやろうと思ってたのによう。付き合いの悪い奴だ?なんでこの時間に帰る?」
妹の突然の帰宅表明にかなめは不機嫌そうにそう言った。
「今日はね、僕がリンに『攻められる日』って決めてあるので。僕の身体がそれを欲してやまないんです」
かえでの爆弾発言に、誠は思わず豚串を噛み砕くのを忘れた。
『『僕が攻められる日』って……どんなスケジュール帳だよ、日野少佐。リンさんとの関係、昔と何も変わってない気がする……』
誠はそんな思いを抱きながら、空になったビールジョッキを見つめていた。
「やっぱり……かえでちゃんは……私達が作ってるエロゲに出てくるようなエッチな日常を送ってるのね。感動しちゃった。じゃあタクシーの手配をするわね。当然、私も同乗させてもらうけど。色々プレイの内容とか話を聞きたいし。今後の創作活動の参考の為に」
18禁同人誌を集めることも趣味の1つである多趣味の人アメリアは感動に打ち震えながらそう言っていた。
「いいえ、別にこれが普通ですよ。今日は僕がリンに女性として扱われる日。そう決めているんです」
かえでは笑顔でアメリアに感謝しながらそう言った。
「それのどこが普通なんだよ!そんな普通聞いたことがねえよ!アタシのせいか?これも全部アタシが悪いのか?」
妹の妄言にかなめがキレた。今にも銃を持ち出してかえでを射殺しかねないかなめの殺気に誠はかなめもかえでとリンの関係は普通ではないと感じていた。
「ねえ、どんなプレイをするの?おもちゃとか使うの?変態的なプレイとか?タクシーの中でゆっくり聞かせてよ。動画とかある?ちょっとエロゲ製作の参考になればうれしいんだけど」
アメリアはかなめの事など全く無視してかえでがリンに何をされるのかをただ知りたがっていた。彼女自身が先ほどまでは悲劇のヒロインであったという事実はもうすでにこの場にいる全員が忘れ去っていた。
「それでは失礼します」
好奇心で自分の私生活を覗かれるのはあまり好きではないようで、かえではアメリアを無視してそう言うとリンを連れて階段を下りて行った。
「待ってよ!タクシー来るのあと5分くらいかかるわよ!それに私の名前で予約したから私が居ないと乗れないわよ!」
アメリアはそう叫んでかえで達に続いて階段を駆け下りて行った。
「なんだよ、つまらねえな。この場には第二小隊はまだ18歳だから酒が飲めねえアンしかいねえ。もうこうなったらやけ酒だ!女将さん!『レモンハート』追加で!」
明らかに不機嫌そうになるかなめに誠は冷や汗を浮かべていた。
「……これが『飲み会』ってやつなんですか?なんだか、ずいぶん重たい話が多いんですね。でも……次は、もうちょっと楽しい話が聞けたら嬉しいです」
烏龍茶を飲み干して、アンはそう呟いた。
その瞳には、ほんの少しだけ未来への期待が宿っていた。
アンは初めての飲み会というものの話題の重さにただ沈黙して烏龍茶を飲んでいた。
「アン君。それは誤解だから。いつもはもっと明るい日常の話題とかする場所だから。というかなんでこんな話題になったんですか?」
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