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ヤンキーの支配する王国
ヤンキーは名言が好き
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誠は目を覚ました。そして、すぐに自分が全裸で腹部にタオルケットだけの姿であることに気が付いた。
すぐに室内を確認しようとすると、とんでもない生き物が隣でタバコを吸いながら誠を見つめていることに気づいた。
「あ、起きたんだ。麦茶飲む?麦茶が嫌いなら言いな。俺の兵隊が部屋の外で待機してるから、好きなの買ってこさせるから。マックスコーヒーは……違うの。……そう」
その真っ白なTシャツとジーンズを着た非常識な生命体は短いタバコをマックスコーヒーの缶に突っ込んで火を消した。
誠は慌てて周りを見回した。これまで典型的な『寮』と言う感じの雰囲気の畳の6畳くらいの部屋の中央に自分は寝ていることが分かった。
「あんまりピッチ上げて飲まねえ方が良いわ。あの三人潰す気で飲ませてたけど、記憶飛んでんだろ?まあ、あんなに俺の罵倒する酔っ払い初めて見たわ。言いたいことがあるなら俺は聞く。直すべきと俺が思えば直すわ。腹に抱えて悩んでると、自爆するって典型をオメエに見た」
そう言った後、島田は立ち上がる。そして当たり前のように隣にあった誠には見覚えのあるカバンを開けた。
「朝立ちすんだ。EDじゃねえんだ。いいことだ。パンツは全部トランクスか、普通だね。青と、赤と、黒どれにする」
島田は当たり前のように誠の着替えの入った。誠の旅行鞄から誠のパンツを三枚取り出して、あきれ果ててあんぐりと口を開けている布団の脇に並べていた。
「何も言わねえんだ。じゃあ、何となく青。今日のラッキーカラーは青。青い色に意外と良いことが……」
「出てけ、ヤンキー」
誠は暴走して暴れまわる島田の性格を覚悟の上、怒りの表情を浮かべながら凄んでみた。
「出てけって?本心からみたいだな。じゃ出てく」
島田は暴れまわるのではなく、そのままマックスコーヒーの缶を持って立ち上がる。
「あのー出てくんですか?」
拍子抜けするほど、島田はあっさりと振り返り、誠のいる6畳間の引き戸に手を伸ばそうとした。
「出てくよ。お前は一人になりたい。今そう言ったんだ。俺は馬鹿だが日本語は分かるんだ」
そして、島田は引き戸を開けて出ていこうとした。
島田は言葉の通り、出ていった。引き戸は締まった。
とりあえずパンツを履こうと手を伸ばすと、再び島田が顔を出した。下半身を露出させていた誠はタオルケットで局部を隠す。
「言っとくわ。酒に頼らなきゃ本音を離せない。今のオメエ。ちょっと不幸だわ。その不幸から解放される方法。俺は知ってる。馬鹿なのは認めるが、それを覚えたきゃ隊長に『残りたい』と言え。オメエは気に入ってる。間違った人生は歩ませたくねえ」
そう言って島田は軽く手を挙げて扉を開けたまま出ていった。
誠は気が付いた。ここの隊員は馬鹿ばかりだが、何か違う。それがどう違うか分かるまで回答は待つことが出来ると隊長が言っている。とりあえず何が違うのか確認する。そんなことを考えながら立ち上がると静かに青いトランクスを手に取った。
すぐに室内を確認しようとすると、とんでもない生き物が隣でタバコを吸いながら誠を見つめていることに気づいた。
「あ、起きたんだ。麦茶飲む?麦茶が嫌いなら言いな。俺の兵隊が部屋の外で待機してるから、好きなの買ってこさせるから。マックスコーヒーは……違うの。……そう」
その真っ白なTシャツとジーンズを着た非常識な生命体は短いタバコをマックスコーヒーの缶に突っ込んで火を消した。
誠は慌てて周りを見回した。これまで典型的な『寮』と言う感じの雰囲気の畳の6畳くらいの部屋の中央に自分は寝ていることが分かった。
「あんまりピッチ上げて飲まねえ方が良いわ。あの三人潰す気で飲ませてたけど、記憶飛んでんだろ?まあ、あんなに俺の罵倒する酔っ払い初めて見たわ。言いたいことがあるなら俺は聞く。直すべきと俺が思えば直すわ。腹に抱えて悩んでると、自爆するって典型をオメエに見た」
そう言った後、島田は立ち上がる。そして当たり前のように隣にあった誠には見覚えのあるカバンを開けた。
「朝立ちすんだ。EDじゃねえんだ。いいことだ。パンツは全部トランクスか、普通だね。青と、赤と、黒どれにする」
島田は当たり前のように誠の着替えの入った。誠の旅行鞄から誠のパンツを三枚取り出して、あきれ果ててあんぐりと口を開けている布団の脇に並べていた。
「何も言わねえんだ。じゃあ、何となく青。今日のラッキーカラーは青。青い色に意外と良いことが……」
「出てけ、ヤンキー」
誠は暴走して暴れまわる島田の性格を覚悟の上、怒りの表情を浮かべながら凄んでみた。
「出てけって?本心からみたいだな。じゃ出てく」
島田は暴れまわるのではなく、そのままマックスコーヒーの缶を持って立ち上がる。
「あのー出てくんですか?」
拍子抜けするほど、島田はあっさりと振り返り、誠のいる6畳間の引き戸に手を伸ばそうとした。
「出てくよ。お前は一人になりたい。今そう言ったんだ。俺は馬鹿だが日本語は分かるんだ」
そして、島田は引き戸を開けて出ていこうとした。
島田は言葉の通り、出ていった。引き戸は締まった。
とりあえずパンツを履こうと手を伸ばすと、再び島田が顔を出した。下半身を露出させていた誠はタオルケットで局部を隠す。
「言っとくわ。酒に頼らなきゃ本音を離せない。今のオメエ。ちょっと不幸だわ。その不幸から解放される方法。俺は知ってる。馬鹿なのは認めるが、それを覚えたきゃ隊長に『残りたい』と言え。オメエは気に入ってる。間違った人生は歩ませたくねえ」
そう言って島田は軽く手を挙げて扉を開けたまま出ていった。
誠は気が付いた。ここの隊員は馬鹿ばかりだが、何か違う。それがどう違うか分かるまで回答は待つことが出来ると隊長が言っている。とりあえず何が違うのか確認する。そんなことを考えながら立ち上がると静かに青いトランクスを手に取った。
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