可愛げのないチート巫女とその下僕たち

鵺紅深

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第1章 接触編

動き

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side天月

 私は個人で情報屋を得ている。と言ってもその程度はこの世界では普通の事で、問題はその質。情報を得ることは時間かかる割に雇い主との接点はなく、報酬の内容によって左右もされる。
「でもまさか、その報酬がカラオケ…」
「違うよぉ、カラオケデート!双子コーデでね!」
 無邪気に笑う少女に私は頭を抱えていた。私たちの格好は所謂いわゆるメイドさんで、私が黒、少女が赤の同じデザインのもの。
 彼女の名前はゆい北翁きたおきなの出身者で、生まれるまで、生まれてからも遺伝子を操作された造られた人間。勿論身体能力、基本的感覚は並の人間以上。そんな彼女が北翁きたおきなを名乗らないのは、彼女曰く「ある日突然なんか違うなーって思って、気付いたら半分くらい殺して外にいた」ためらしい。
 目の前で熱唱している女の子をみてても、そんな過去は分からない。

「ーーで、情報は?」
 唯が歌い終わったタイミングで声をかける。正直、早く帰りたいし早く着替えたい。
「はーい、先にお仕事しまーす!……んー、てんちゃんの聞きたいことは何?」
「今疑ってるのは、北翁きたおきなの家に何者かが紛れていること、または紛れてはいないけれど何かしらの接触を南嫗みなみおうなにしたのではないかということ、あとは……両方勘違い」
「天ちゃん、面倒臭くなったでしょ?」
 ふふっと笑う唯は持ってきた紙とシャープペンシル、消しゴムをテーブルに置いて少しだけ首を傾げて。すぐにその首を戻すとここ一週間の日付と時間、起こった出来事を細かく書く。中心あたりで線を引いて同じような事を繰り返し、暫くして手を止めると唯はその紙を私に差し出す。
「これが私の知ってること。こっちが北翁で、こっちが南嫗ね?…この中には特に目立った行動はないよ。でも、気になったことはあるの。ーーこの日、たまたま南嫗の家の前にいたら聞こえた。ーー「お前は家を潰す気かっ!」ていう怒鳴り声」
 二日ほど前の日付を指さし、赤いペンで書き加えていく。「家を潰す」のは掟違反有り得ないから、恐らくそのような内容なんだろう。その上位は家どうしのいさかいだけど…。
「ってわけでお仕事しゅーりょー!天ちゃん、歌お歌お!」
「いや、私歌は……」
「CMソングだからへーきだよ!」
 はしゃぐ唯に引っ張られて仕方なく私はマイクを握った。




side天月

「総合すると…北翁きたおきな南嫗みなみおうなで何かあったのは確実」
「だけど証拠がないし、目的もわからない。当然、詳しい詳細も」
「それを探る方法は?」
須佐皇すさのお様から手紙もらったけど、これが助けてくれるんじゃない?」
 白に渡された手紙を開けると、私は薄く笑った。
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