異世界の世界へようこそ?

スナイパー

文字の大きさ
1 / 4

天国の先

しおりを挟む
 俺は今、目の疑うほどの出来事に襲われている。なぜなら俺の目の前には頭に輪っかみたいなものが浮かんで、背中からは羽が生えている自称天使とやらが前にいるからである。
「あなたは先ほど死なれました」
 その天使とやらが死んだという衝撃的なことを発言してきた。
「はっ?俺が死んだ?どういうことだ?」
 俺は自称なんとかやらの話が急すぎてなにを言ってるのかが理解ができなかった。
「はい!あなたは先ほど隣の家に侵入した泥棒に殺されました」
 確かに俺は隣の家に侵入していく怪しい男に声をかけて誰だかを確認しようとしたが…………え…………えぇぇ!?その後そいつが包丁を俺に刺してきた……ってことは俺はホントに死んだ?…………のか?
 そう俺が一人で考えていると天使とやらが声をかけてきた。
「理解ができたようですね!私の名前はリリース。見た目からなにまで天使です!よろしくです!」
 リリースという天使が自己紹介をしてきた。俺はこれが夢だと思っていたがどうやらホントのことらしい。
「じゃあ、俺の名前は――」
 俺の名前を言おうとすると
鈴本香すずもとかおる様ですよね?」
 ……なんで俺の名前を……そりゃあ知ってるよな……なんてたって天使ですもんね……
「はい、そうですけど……で?なんか俺やることでもあるんですか?それともグータラと寝てればいいんですか?」
 俺はだるそうに話をした。
「はい!やることならいっぱいあります!まずあなたは人間生活でいいことをいっぱいしてきたので、あなたは天国に行けます!」
 やった!俺は天国行きか!これで安心安全の生活ができるぜ!
 俺がこうして喜んでいると
「そんなに喜んでいるところで悪いんですが、天国にいられる時間は一週間ですよ?」
 天使のリリースは俺が聞きたくもなかったことを言ってきた。
「え!?経った一週間?ふざけんなよ!なんでそんなに短いんだよ!」
 俺はあまりの短さに激怒した。俺の想像していた天国は死んだ人がゆっくり豊かに暮らせるのだと思っていた。しかし、中身を見てみればゆっくりと暮らしている暇はなく、逆にゆっくりなどはできないのである。
「まぁまぁ、そんなに怒らないでくださいな!理由としましては、生まれ変わりです。あなたが次の人つまり来世になるのです。ご理解いただけましたか?」
 リリースが落ち着いてそしてニコニコしながら言ってきた。
「ってことは、俺がいなくなる?」
 俺はそう考えた途端に背中が寒くなってきた。
「はい!そうでございます!記憶もなくなりまた別の誰かになります!」
 俺の頭の中が真っ白になっていくのを感じられた。
「ってことはつまり、俺は一週間後に他の誰かになるってことだよな?」
「そうでございます!」
 リリースはニコニコといらつくほどの表情をしているが、それがホントのことだとしたらこれから一週間の暮らしは地獄となるだろう。なぜなら俺が俺のことを一生考えられなくなるからだ。
「マジかよ……」
 俺は落ち込んだ。まぁ、当然である。いきなり一週間後別の人になってくださいと言われたら、普通に驚く。しかも、これが今起こっているということに驚きである。
「そんなに落ち込まないでくださいな!実はですね!天国に来られた方にはご褒美があるんです!」
 俺はそのご褒美とやらを受けられるようだ。ご褒美とはなにか?この一週間贅沢に暮らせるとか?ゲームし放題とか?
「で?そのご褒美ってのはなんですか?当然俺に得があるようなものなんだろうな?」
 俺は天使のリリースに少しキレ気味で言った。立場では、圧倒的に天使であるリリースの方が上なんだろうが、死んだ俺は怖いものなどなかった。
「はい!それはそれはかなりの得があります!天国に来られる方は年間通してもかなり少ないので、あなたはすごくラッキーボーイですよ!」
 俺はどうやらこの天使に褒められているようだが、不思議と嬉しくなかった。それよりも殺意とやらが湧いてくるのは気のせいだろうか。
「はいはい!俺が運がいいのはわかった。早くご褒美を言え!」
 俺は天国には絶対にいなそうな人になってきた。俺がホントに天国ここにいて良いのかが不安になってきた。もしかしたら、今地獄に落とされるかもしれない。
「わかりました!じゃあ説明していきますね!まず天国に来れたあなたにはご褒美が与えられます。そのご褒美とは、私どもが叶えられる程度のお願いがひとつだけできます!いいですかひとつだけですよ!」
 なぜかリリースはひとつだけを強調して言ってきた。
「あの……なんでひとつだけを強調してくるんですか?なにかあったんですか?」
 俺は素直に強調している理由が知りたくて聞いた。
「実はですね!たまにひとつだけと言って!お願いを無限にするという、お願いをしてくるバカがいます!そういうお願いをしてくる人は問答無用で地獄に落とします!なのでそういうお願いはしてこないでくださいね!」
 リリースは笑ったまま言っているが怖い話だ。でも、その話が聞けたのは嬉しい。なぜなら、さっきまで俺もそう願おうと思っていたからである。
「そ……それはひどいですね!そんなの許されませんね!」
 俺は必死で天使のリリースの味方を演じた。
「あれ~?まさか鈴本様もそんなこと思っていたのではないですか~?」
 まずい!ばれたらそく地獄に送られる!
 俺はそう思い口の中に溜まっていた唾液だえきをゴクリと飲み込んだ。
「まぁ、いいです!それで鈴本様はなんのお願いをなさるのですか?」
 リリースは一瞬で話を変えてくれたので地獄に送られることはなくなった。それよりお願いをなににするか決めてなかったので、迷った。
「えーと……じゃあ!異世界で暮らすで!」
 俺はできないと思って、冗談のつもりで言ってみた。するとリリースは1回ニコッと笑った。
「わかりました!異世界に移転ですね!」
 俺は頭の中で1回はっ?と呟くと急いでツッコミに入った。
「いやいや、待て待て待て!え?できるんですか?」
「できるに決まってるじゃないですか?私のことバカにしてます?」
 天使のリリースが少し怒って俺を睨んできた。
「いえいえ!バカにするはずがないじゃないですか!そんな失礼なことはしませんよ!あははは」
 俺は地獄に送られたくないあまりお世辞の言葉を言った。
「そうですか?それでどうするんですか?異世界に行くんですか?行かないんですか?」
 リリースは怒ったまま俺の返事を求めてきた。この案以外になにもお願いを考えていなかったので行くことを決心した。
「行きます!宜しくお願いします!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜

namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。 かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。 無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。 前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。 アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。 「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」 家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。 立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。 これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。

一流冒険者トウマの道草旅譚

黒蓬
ファンタジー
主人公のトウマは世界の各地を旅しながら、旅先で依頼をこなす冒険者。 しかし、彼には旅先で気になるものを見つけると寄らずにはいられない道草癖があった。 そんな寄り道優先の自由気ままなトウマの旅は、今日も新たな出会いと波乱を連れてくる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~

専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。 ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...