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0話。ヴィヴィアンの初恋4
しおりを挟む暫くの間は平穏な日々が続き、ライアンの執事の仕事も慣れてきたようで身のこなしも美しく軽やかである。
寒い日から暖かい季節に変わり執事の制服も衣替えしたある日、若く美しい女性がライアンを訪ねてきた。
彼女の名前はチェリーで、ライアンとは同じ職場で出会い交際していたようだ。
庭のガゼボで、お茶を淹れ、チェリーの目の前に置いた。
チェリーは、カップに注がれた紅茶にレモンの輪切りを入れて飲んでいる。
ライアンは、チェリーが何しに来たのか知りたいが彼女は話す様子が無いので彼が質問してみた。
「ここには、何か用事があって来たのか?」
「そうね、ライアン貴方はパパになるわ」
彼女は、ニコニコ笑顔で腹を撫でながら答えたが、ライアンは顔色が変わっていた。
訝しげな表情で、チェリーを見ている。
まさか妊娠したと言ってるのか?
1年も前に別れているんだ、おかしいだろう。
産まれたのよ可愛いい子でしょう、そう言うなら分かるが......。
一旦、帰らせ改めて話しを聞くことにして、ライアンは仕事に戻った。
彼女は1週間後、玄関の呼び鈴を鳴らしながら叫んでいる。
「ライアン、産まれたの男の子よ抱っこして、名前はマイケルよ、お願いよ」
ドンドン
ドアを叩く音が鳴り響き、うるさいのでドアを閉めたまま返答した。
「こんな時間に何しに来た!?」
チェリーはドアに頬を、つけて答えた。
「私、子供が産まれて給仕の仕事首になったのよ、このままだと親子で死ぬしかなくて......」
カチャ
扉が開いてチェリーは、ドアの隙間にハイヒールを履いた足をねじ込んだ。
ライアンは閉めようとしたが遅かった。
まさか、このガキを利用して俺から金を、むしり取るつもりか?
俺と結婚したいとか?いやまてよ、結婚なら俺より、もっと条件の良い男はいるよな?
貴族で金持ちの男でイケメンなら、ざっと10人はいる。
そうか、チェリーは父親になる独身男が必要なんだ!?
本当の父親は逃げた?
それか、死んだか?
誰だか分からないのか?
それにしても、俺なら父親になってくれそうと思ったのか?
いろいろ調べたほうが、よさそうだな!
考えれば、おかしい話しだ。
産まれたのって1週間で産まれた子が、どう見ても2歳くらいだ!
俺は馬鹿だから解らない、そう思われているのか?
チェリーはライアンに捨てられた!?
そう思いながら暮らした。
ノイローゼになり仕事も、上の空で子供は誘拐したのだった。
ライアンに貴方の子よ、告白したらきっと結婚してくれる、現実は、そう上手くいかない、ライアンの顔色で察した。
そこへ、ウ"ィウ"ィアンと侍女マリが、お茶の準備を始めた。
「お茶をどうぞ茶菓子もあるわよ」
チェリーはライアンの隣に座った美しい少女を見ている。
誰かしら、ライアンがこんなに気を使う女が、この世にいるなんて見るのは初めてだわ。
チェリーは思わず握り拳に力を入れていた。
ライアンの膝に手を置いて擦りながら甘ったるい声で囁くように話した。
「一晩留めてくれる?息子がいると野宿は辛いのよ」
ビィビィアンは、イライラしながらライアンに話した。
「ライアン一晩くらい家に、と.め.て.あげたら」
そう言いながら自分の部屋に戻って行った。
ライアンはヴィヴィアンが、ヤキモチをやいた!?
嬉しくて思わず1人で踊っている。
チェリーは2人の様子を見て嫉妬で地団駄、踏んでいた。
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