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カウドゥール
爽やかにいらつく5世+愚痴聞くRsさん
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罪人の個人情報が書かれた羊皮紙が積み重なる机の前で、5世は顔を大きく歪めて小さく舌打ちをした。
そうしてから、すぐそばに護衛のRs(通称サッちゃん)がいる事を思い出し、慌てて歪んだ表情を穏やかなものに取り繕った。
Rsは無口……というか喋る事が出来ない。おまけに存在を消すのがうまい。なので、気を抜くと、まるで部屋に自分1人しかいないように錯覚してしまう。
Rsが《どうしましたか》と“思考”した。
「あ……すみません、気にしないでください、つい……」
5世は申し訳なさそうに頭をかいた。
「……考え事をしていたら、どんどんイライラしてしまいまして」
《ほぅ》と、Rsが思考する。
第三者が見たら、5世がひとりごとを呟いているように見えるが、実際はそうではない。
喋れないRsの思考を5世が読み、そして応える。2人はれっきとした“会話”をしている。
《窓を開けて空気の入れ替えでもしますかな》
「あ、うん。ありがとう」
窓、というか人1人が通れるほどの大きさのガラス扉に向かって、スタスタと歩いていくRsの背中に礼を言う。
ガチャ、と窓を開けると心地よい風が部屋に流れた。5世は、その涼やかな風を受けて心落ち着いたのか、ふぅ、とため息をついた。
「ん……。あのさ、ほら」
5世が穏やかに微笑んだまま、各国から送られてきた罪人達の資料を見つめながら、口を開く。
「私がこうやって気ッ色の悪い犯罪者の行動や凶器や殺害方法や死体の行方なんかを“見て”報告書を書いている時に私と同い年のコはこのいい天気の下でキャッキャキャッキャお友達と遊んでいるのかと思うと若干嫉妬してしまうよね、っていう」
5世が、ふわりと微笑を浮かべながら一気に言い放った。そして更に続ける。
「人殺しするような奴の理由とか叙情酌量とか、どーでもいいよ。全員死刑でいいじゃん。面倒くさい……全員の首を刎ねてお国に返してやろうよ」
5世が、こうやって思いの丈を吐き出すとは珍しい。Rsはその愚痴を黙って聴いてあげていた。
「……と、同時に弟に対しても、ついムカムカしてきちゃってね……あいつ、“自由”だよね。私があいつくらいの年の頃はあんなに自由行動を許されていなかったよ。……いいよねぇ、2番目の子はラクで。あ、聞いてくださいよ。Pnの奴、『髪を赤く染めたい』とか抜かすんですよ。何言ってるんですかね、あの子。せっかく親からもらった美しい金の髪を台無しにしたいとか、不良ですよ、不良。悪い子ですよ……! こちとら近々、一般の学校に学びに行かせようかと思っていたところですからね。許しませんよ、絶対赤くなんかさせないぞ、この野郎………」
滔々と5世はボヤき続けた。更に何か言おうと息を大きく吸い込んだが、しばらく静止してからそのまま息を吐き出した。
「……ごめんなさい。なんでもないです」
5世が泣きそうな顔で、しょげる。
《……要するに『同い年の友達がほしいな~』という事でよろしいですかな?》
5世の真剣な愚痴・悩みをRsが大まかに、適当にムリヤリまとめた。
「……!? なんですかソレ! どうしてそうなるのですか!」
5世が顔を真っ赤にする。
《と、いうわけで喜んでください。この前、募集して見事受かった新しい護衛は5世よりちょい年上くらいの人ですよ》
「えっ?!」
5世が、面倒くさそうな顔をする。
《ちょっと無表情で無口で目つきもノリも悪くてつまらない人ですが、まぁ、仲良くしてみてくださいよ》
「マイナス要素しか言ってないよ!? Rsさん!」
また勝手に、周りに決められた。5世はうんざりした。
……まぁ、こんな僕のそばにいる事を仕事として選んだ人なのだ。適度に仲良くはしよう、と5世は息を吐いた。
数年後、その新人護衛と「適度」どころではないレベルの仲に発展するとは、この時の誰もが予想していなかった。
そうしてから、すぐそばに護衛のRs(通称サッちゃん)がいる事を思い出し、慌てて歪んだ表情を穏やかなものに取り繕った。
Rsは無口……というか喋る事が出来ない。おまけに存在を消すのがうまい。なので、気を抜くと、まるで部屋に自分1人しかいないように錯覚してしまう。
Rsが《どうしましたか》と“思考”した。
「あ……すみません、気にしないでください、つい……」
5世は申し訳なさそうに頭をかいた。
「……考え事をしていたら、どんどんイライラしてしまいまして」
《ほぅ》と、Rsが思考する。
第三者が見たら、5世がひとりごとを呟いているように見えるが、実際はそうではない。
喋れないRsの思考を5世が読み、そして応える。2人はれっきとした“会話”をしている。
《窓を開けて空気の入れ替えでもしますかな》
「あ、うん。ありがとう」
窓、というか人1人が通れるほどの大きさのガラス扉に向かって、スタスタと歩いていくRsの背中に礼を言う。
ガチャ、と窓を開けると心地よい風が部屋に流れた。5世は、その涼やかな風を受けて心落ち着いたのか、ふぅ、とため息をついた。
「ん……。あのさ、ほら」
5世が穏やかに微笑んだまま、各国から送られてきた罪人達の資料を見つめながら、口を開く。
「私がこうやって気ッ色の悪い犯罪者の行動や凶器や殺害方法や死体の行方なんかを“見て”報告書を書いている時に私と同い年のコはこのいい天気の下でキャッキャキャッキャお友達と遊んでいるのかと思うと若干嫉妬してしまうよね、っていう」
5世が、ふわりと微笑を浮かべながら一気に言い放った。そして更に続ける。
「人殺しするような奴の理由とか叙情酌量とか、どーでもいいよ。全員死刑でいいじゃん。面倒くさい……全員の首を刎ねてお国に返してやろうよ」
5世が、こうやって思いの丈を吐き出すとは珍しい。Rsはその愚痴を黙って聴いてあげていた。
「……と、同時に弟に対しても、ついムカムカしてきちゃってね……あいつ、“自由”だよね。私があいつくらいの年の頃はあんなに自由行動を許されていなかったよ。……いいよねぇ、2番目の子はラクで。あ、聞いてくださいよ。Pnの奴、『髪を赤く染めたい』とか抜かすんですよ。何言ってるんですかね、あの子。せっかく親からもらった美しい金の髪を台無しにしたいとか、不良ですよ、不良。悪い子ですよ……! こちとら近々、一般の学校に学びに行かせようかと思っていたところですからね。許しませんよ、絶対赤くなんかさせないぞ、この野郎………」
滔々と5世はボヤき続けた。更に何か言おうと息を大きく吸い込んだが、しばらく静止してからそのまま息を吐き出した。
「……ごめんなさい。なんでもないです」
5世が泣きそうな顔で、しょげる。
《……要するに『同い年の友達がほしいな~』という事でよろしいですかな?》
5世の真剣な愚痴・悩みをRsが大まかに、適当にムリヤリまとめた。
「……!? なんですかソレ! どうしてそうなるのですか!」
5世が顔を真っ赤にする。
《と、いうわけで喜んでください。この前、募集して見事受かった新しい護衛は5世よりちょい年上くらいの人ですよ》
「えっ?!」
5世が、面倒くさそうな顔をする。
《ちょっと無表情で無口で目つきもノリも悪くてつまらない人ですが、まぁ、仲良くしてみてくださいよ》
「マイナス要素しか言ってないよ!? Rsさん!」
また勝手に、周りに決められた。5世はうんざりした。
……まぁ、こんな僕のそばにいる事を仕事として選んだ人なのだ。適度に仲良くはしよう、と5世は息を吐いた。
数年後、その新人護衛と「適度」どころではないレベルの仲に発展するとは、この時の誰もが予想していなかった。
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