引きこもり令嬢エスリーンの逆襲 婚約破棄・追放からの逆転人生の答えは魔導書にあった!

らんた

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第七章

第二話

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死神が玉座に座る。鎌を地面に叩きつける。

「お前たち、分かってるんだろうな!! 逃げるのは許さん!!」

残った兵士に激励を飛ばす。死の声で。

「「はっ!」」

エスリーンとアドルフは謁見室に来た。

「もうその仮面は取って!!」

エスリーンが懇願する

「もう辞めるんだ。意味はない。それに我々はロロ帝国の領土を一ミリも欲しいとは思わん。願うのは農奴解放と民主主義だ。和平条約を結ぼう。悪いようにはしない」

アドルフの言葉を聞くと死神が笑った。

「まさか妾が負けたと思ってるのかね、この少年は?」

地下から軍勢が登場した。

面頬だけ……仮面だけ死神の文様!? 服装は黒のフード!?

「たとえ私が死んでもこの者どもが次の皇帝よ」

「なんでござるか、この者どもは?」

万次郎がきっと見つめる。

「私の手となり耳となり眼となる部隊『黒曜』よ。そしてこの子らは国の直系貴族」

(「この子」だと!? どこまで邪悪なの!! スパイ行為を子供にさせるなんて!!)

「そうかい。てめえはそうやって恐怖でしか支配できない小物なんだな」

死神がもう一人やってきた。

◆◇◆◇

「ほら、もう大丈夫」

マリアンヌが市民のけがを治してる。治癒魔法ももう限界だ。なにせ多数のけが人が居るのだ。

「おいら、もうガンマンできねえだ」

(?)

「おいらもうこの圧政に耐えられねえだ」

「農奴制度なんてもうこりごりだ」

「連盟や北方王国のように自由と平等が欲しい」

ロロ帝国の人々が口々に言う。

「じゃ、言いますけど!!」

マリアンヌが言った。

「この御旗のもとに立ち上がる勇気あるの!?」

その旗は黄色と青の半色旗だった。

「いいぜ!?」

「やろうぜ?」

「もうこの帝国は終わりだ」

その声にマリアンヌは問いただす。

「じゃ、あの死神と戦えるのね!?」

「「おお~っ!!」」

「トマシュ! 彼らに武器を!!」

「いいんですか、マリアンヌさん!?」

「いいんです。民主主義というものは自分で勝ち取るものですから」

「さあ、付いてきなさい。この悪夢を終わらせたい人だけ、私に付いて来るのです!」

「「おお~っ!!」」

◆◇◆◇

「弱い……弱すぎる」

周りには黒曜隊の死体が転がっていた。

死神がエリザベート1世に向ける。

「辞めるんだ」

何と止めたのはアドルフだった。

「もうこれ以上、戦闘に意味はない。後ろを見ろ!」

なんと宮廷に民衆が詰めかけていた。

「お前は、終わりだ」

「終わってない!」

「終わったんだよ!! 民の事を思わない王や皇帝になんざその資格は無いんだよ!」

その言葉を止めようと死神は風の刃をアドルフに向って投げる!

「危ない!!」

エスリーンが悲鳴を上げる。

間一髪で死神の鎌が風の刃を跳ね返す。

「我、アズラエル! 汝を死地へ帰す。地獄でまた共に戦おう」

そう言って瞬時にカマエルの……エリザベート1世の懐に向かう。死神の鎌同士が火花を散らす。しかしとうとうカマエルの鎌が折れた。

そしてアズラエルの鎌が一刀両断する。

カマエルの面頬が割れた。

間違いなくエリザベート1世の……ゾフィーの顔だった。

そしてもう一回死神は鎌を振るう。まるで踊っているかのようだ。

ゾフィーの顔が飛んだ。

「終わった」

死神が宣告する。民衆が沸き返る。

死神が死馬を呼ぶと死馬に乗って去ろうとする。

「あの!」

死神が振り返った。

「ありがとうございました」

エスリーンは深く頭を下げた。

「勘違いするなよ!!」

「今度前らが民衆を害するようになったらお前らにこの鎌が向かう。それを忘れるな!」

そういうと死馬を乗せた死神は去っていった。

「エスリーン、この国の復興も考えないと」

アドルフの言葉にはっとする。

そう、連盟の盟主としての仕事は終わってないのだ。

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