【1部完・2部準備中】人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ

文字の大きさ
26 / 98

第26話 王宮の終わりはどこ!?

しおりを挟む
「ふぁぁ……」
絵本をそーっと閉じて、ぼくは知らないあいだにつめていた息をはいた。

「すごぉぉぉい!」
ソファの上でぴょんぴょんしそうになるのをおさえて、絵本の表紙をじっと見返す。

「オルゴールくん、ほんとにじぶんでじぶんをなおしちゃった!」

あんなにボロボロだったのに! 部品もたりなくて、音もでなくなって、もうすぐ捨てられるところだったのに!
「じぶんで、ぶひんを見つけて、じぶんで直して……すごぉい!」

ねぇねぇ、と言いかけて、侍女さんが今ちょっといないのを思い出す。
しかもじぶんでそうしたんだった。たまにはぁ、3人でいっしょにごはん食べたらいいのにぃって。姉妹と従姉妹なんだからぁ、ゆっくりお話しておいでぇ、っていったんだった。

ちょっとカッコつけた結果、話す相手いなくなってる。

「でもまぁよし」

ぼくにはあの子がいるからへーき!

「きいて、うさたん!」
寝室のベッドにかけあがると、ふわふわのうさぎさんが、まんまる目でこっちを見る。

「あのねぇ、こわれたオルゴールくん! ぼうけんして、じぶんでしゅうりしたんだって! すごいねぇ!」

うさたんを抱きあげて、ふわふわをぎゅっとする。

「音が出るようになったんだよ! 前とはちがう、べつのとくべつな音なんだって!」

うさたんの長い耳にすりすり。

「じぶんでできるの、すごいよねぇ……ぼくなんか――」

ぼくなんか、なぁんにもできなくて。そう言おうとしてハッと気がつく。

「ちょっとぉ、なにぃ、ぼく」

ぼくは、なにをただのふつうの5才みたいなことをしているの?と急にわれにかえる。

「ぼくはぁ、ただの子どもじゃないでしょぉ?」

どうにも、5才のメンタルにひっぱられがちで、ちょこちょこ肝心なことを忘れている。

「ぼくは、前はぁ、15才まで生きてたじゃぁないぃ?」

しかも、前世で読んだこの世界のこと、ここでこれから起こること、今世のぼく、サファの未来も知ってる。

「今のぼくだってぇ、できること、ぜったいあるでしょぉ」

たとえ、今は幼児ボディでも。さっぱり口がまわらなくて、しゃべり方がどうにもホニャホニャしてても。

……ついでに、気持ちがどうも5才にひっぱられがちでも。

前世からひきついだ知識を忘れたらダメ。これはほんとうに、今後のぼくの命にかかわるので!


「えほんの中のオルゴールくんより、ちしきをもってるぼくのほうが、たくさんできることあるはず!」

ここでじーっと、10年後にビクビク待つんじゃなくって!

「そぉだ!」

もっとじぶんで、サイアクな未来をかえる方法をさがさなくちゃ!

「よぉぉし!」

ここを出て、どこかとぉーいところで、平和にひっそり、それなりに楽しくくらすんだ!
一応人質のぼくがいなくなっっちゃったら、ぼくの国の人が困るかもぉだけど……それはぁ、後でなんとか考えよっ!
とにかくとにかく、ここから出る方法だけでもぉ、探しておかないとねっ!

出てからどぉぉするとか、国のこととかはぁぁ、あと。
はぁぁ……どうにかしなきゃなこと多すぎるけど、命がかかってるんだから、なんとかしないと。
うん。

「がんばろぉぉね!」

うさたんのまんまるお目々にやくそく。
そしてぼくはさっそく、かんがえはじめた。

「うぅーーん、まずは――」

将来の、へいおんな生活のために!


***

「まずはぁ――」

とにかく、ここから出る方法を知っておかないとね。じゃないと話にならないよね、うん。
だけど、

「どぉぉやって、みつけよぉぉ……?」

ファランさまと会ったときに、王宮の外に出る門まで案内して!って頼む……ってダメダメ。ぜんぜんありえない! あやしすぎるでしょ。
変に思われたらどおするのぉぉぉ!?

「となるとぉ、やっぱり……」

ぼくはぴょん、とソファから立ち上がる。

「ここは、じりきでなんとか」

ちょうど今は、侍女さんたちお昼ごはん中。
かわりについててくれる人もいるけど、ふふん、ぼくには作戦があるんですねー。

「あのねー、ぼくお庭にでるねー」
「はい、では私もご一緒――」
すかさずついてこようとする、お部屋の人を両手でストップ。

「だいじょーぶ! お花つんだら、すぐもどるから!」
「そうですか……?」
「どんなお花つんでくるか、ないしょだから、楽しみにしててぇ」

ふふーん、どうだ! これで着いてこれまい!

「そうですか? では、遠くまでいかないようになさってくださいね?」
「は、――い!」

はっきりウソをついちゃうことになるので、ちょびっと心がジクっとする。ごめんね、ちゃんとすぐ帰ってくるから、うん。たぶん。

「いってきまーーす!」

ひとりで庭をでるミッションに成功!


ぼくの作戦はこう。
「とにかく、外に行くほうっぽい道をさがしてみよぉぉ!」

……作戦っていうか、無策?

「だって、どっちのほうが外にいく道なのか、わかんないからしょーがないしぃ」

自分で自分にいいわけ。

「もし見つかったらぁ、迷子になったふり。これ、だいじ!」  

まずは、ちゃーんとお花をさがしてるかんじで。
ほらほら、部屋の中から、まだこっち見てるもんね。

お花を探しながらぁ、あっちこっち。 

「あっちのお花も見よぉぉ」

とか言ったりして!

「おおお、このお花きれぇぇ!」

って、ほんとにお花に見とれてどーするのぉ。ちゃんと目的をはたせないと!
なのでぇ、

「あっちも咲いてるかなぁ」
とかつぶやきながら、庭の花の間を歩いて、さりげなく奥へ奥へ。
ちらっと部屋の方を見ると――

「……! まだ、こっち見てるぅ」

お部屋の人、責任感つよすぎぃ。

「そーっと、ばれないようにしないとぉ」
あやしまれないように、ちょっとだけ花をながめてから、またじわ~り前進。  


「わぁぁ、水がキラキラ……!」  
すると、きれいな水が吹き出す、ふんすいに到着!

「ちょっとだけ休憩~」
のふりをして、部屋から見えない方へ、っと。
さりげなく横へずれて、奥の道へ向かう。

「いそげぇぇぇ!」

ここからは、おおいそぎ! あんまりおそくなったら、心配されちゃうし不審がられちゃう!

「えぇと、こっち……?」  

道を進むと、おっきな道に出た。なんか、人がいっぱい通ってる!

「おお、これ、行ってだいじょうぶなやつ……?」

こそーっと見てると、みんな忙しそうでそんなに周りを見てない……気がする、たぶん。ここで働いてる人の子どもなのかな?小さい子もいなくはない。

「よ、よーし。しらない顔でいけば、おっけー」

見とがめられたら、例の迷子作戦を実行すれば問題なしだ。

「うーん、どっちいこぉぉぉ……?」

とはいえ、迷ってるヒマはなし。時間もないし、目立っちゃうもんね。

「こそーっとめだたないようにぃ……」

王宮の建物のかべ沿いに、そっと進んでいく。建物の影と一体化した気持ちで!
できるだけ目立たないように、でも不自然にならないように、かつ急いで。侍女さんたちが帰ってくる前、騎士さんやお部屋の人があれ?ってなる前に……!  

そして――  

「ん……? あれなんだぁ?」

遠くにそびえ立つ、おーっきな……かべ?

じゃない! あれは――

「門……!」  

お外にでる門だ!

すごい! ぼくって天才なのでは?
てきとーに進んで、門にたどり着くなんて、すごい!

「やったぁぁぁ!」

あ、大きな声ダメ。ぼくは今、迷子中なので(作戦)。ちょっと不安そうな顔も忘れずに!

「えぇ、ここどこかなぁ……」

ちょっとつぶやいてみたりして。キョロキョロして、あたりも見回しつつ。今にも走り出しそうになるのを、ぐっとこらえて。

「わぁぁ、おっきな門があるう」

と、これもひとり芝居。うん、なかなかいい感じ。

ちょっとなんとなーく見てるだけですよ、みたいな感じでしれっと近づく。

ふぁぁぁぁぁ! すごい!

近くまで来てみると、ほんとうにおっきい!

きょだい!立派!そして――


……すごーーく厳重に守られてる。


さすが王宮の外にでる門。ただじゃ通さないぞ、ってかんじ。

「これが……王宮の外へ出る門……!」  

ここを抜けさえすれば、王宮の外へ行けるはず。でも、どうやって通るかだよなぁぁ。
うーーーーん。


「……あれ?」
なんか、急に暗くなった?

「これは……サファさま?」  
「ひぃぃぃ!?」  

びくぅぅぅっ!
いったん飛びはねてから前を見ると、門番の騎士さん。

「な、な……」

い、いつのまに!?

「こんなところで、どうされました? おひとりですか?」

あわわわ。会ったことない騎士さんなのに、正体ばれてるぅぅ。

どどど、どうしようぉぉ!

「あの、あの……」

「迷われたのですか?」
「そう、それぇ!」
「……?」

それだーってなって食い気味に答えた結果、不審がられるという始末。
なんで迷子作戦、大事な時に一瞬忘れたのぉ、ぼくぅ。

「ひ、ひとりでお庭でお花見てたら、迷っちゃってぇ……」
と、とにかくここから挽回だ。

「それで帰ろーと思って歩いてたら、ここにきちゃってぇ……」
不安な子どもっぽく、困った顔を忘れずに! まぁ、実際困ってるのでそこは問題なさそぉ。 

「それでこんなところまで……大変でしたね」
あれぇ、騎士さんやさしぃぃ。

「あの、ここはどこぉ?」
「ここは王宮の一番奥、王族の皆さまが住まわれる宮廷と政務区域の境目です」

騎士さんはピシぃと姿勢よくして、元気に答えてくれる。

「へぇぇ! きゅうていとせいむ区域のさかい――」

あれ? 境目?

「じゃあ、この門は――」
「はい。区域を分ける大門でございます」
「…………」

な、なんだって……。

「じゃあ、この門の先に王宮の外がある、とかではなく……?」  

「はい。さらにその先に王宮の使用人たちの居住区域があり、そこを抜けると貴族の居住区」

「え、え……」

「その先に、職人街、商業区があり、それから――」  

「え、待っ……」  

「そこを抜けると王宮外郭の関門があり、その先は市民の暮らす町につながっています」 

「………………」 

ちょっとまって、落ちついて。

えっとぉ……ぼくがいるのが王宮のいちばん奥。
この門の外が政治の場所、その先が働いてる人たち、その向こうが貴族さんの屋敷、えっとそれから――

「サファさま? どうかされましたか?」

「あ、う、ううん……だいじょぉぶ。ありがとぉ……あはは」  

と――遠すぎぃぃぃぃ!

お外、遠すぎじゃない? え?

え、ぜんぜんダメじゃん! そんなたくさんの門、どうやって通る? そもそも、そんな遠くまで歩けないかも……


わぁぁぁん! 王宮脱出計画、前途多難すぎるよぉぉぉぉ!!

「あの、サファさま?」
「あ……うん、なぁに?」

ダメダメ、ちょっと泣きそうな顔とかしない!

「迷われたんですよね? お部屋までお送りしますよ」

「え!? あ、そう。あの……」

騎士さんが優しく心配してくれる。
でも、このまま送られたら、いろいろマズい。なんか大ごとになっちゃうし、下手したらお庭にもひとりででられなくなるかも! 

「あ……だ、だいじょうぶ! なんか、帰る道、方向だけ教えてもらえたらぁ平気!」
「そうですか? 方向ならあちらです。ですがー―」

困惑する騎士さん。だよねぇ……言い訳、下手すぎちゃった。
しかーし、ここはなんとか押し通さないとぉ!

「だいじょぉぶ! あっちだね! 行ったらきっとぉわかるから!」
なんか、自信ありそうに言ってみる。

「そうですか? でも、念のため――」
なんと! 親切かつ責任感のあるいい騎士さん!
しかーし、ここはなんとか(以下略)。

「ほんとにだいじょーぶだよ! ありがとねぇぇ! ばいばーい!」

ここはゴリ押しの無理やりだ。なんか雰囲気で押し通そう。

「あ、はい」

「ばいばーい! お仕事、がんばってねぇぇ!」
元気な感じで手を振って、門から離れる。

「はい! ありがとうございますっ!」
ニコッとなった騎士さんが、律儀にお辞儀をして控えめに手を振ってくれる。


はぁ、よかったよかった。

じゃなくて――



「えぇぇぇ、むりなんだけどぉぉぉ!」  

全然、脱出できそうにない! ムリ! かなりムリ! 絶望的にムリ!


はぁぁぁぁ。
もうため息しか出ない、足もトボトボ。

今日はもぉいいやぁ。とにかくはやく帰ろ。
それで、お花つんで――

「あ、れ……?」  

ピタッと止まる。

「で……ここ、どこ?」  

キョロキョロ。

「あれ? こっちの方向だったよね? あれ? まって、ぼく、こんなとこ通ったっけ!?」

えっとこっちの道……じゃなくて、あっち?
いや、もしかして――

「あれ?」

え、これって……

「えぇぇぇぇぇ!? ぼく、迷子ぉぉぉぉ!!」  

どうしよぉぉぉぉ!!!  
迷子作戦しっぱい! ただの本物迷子!

わぁぁぁん、どぉぉやって帰ろぉぉぉ!


しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

過労死して転生したので絶対に働かないと決めたのに、何をしても才能がバレる件

やんやんつけバー
ファンタジー
過労死して異世界転生。今度こそ絶対に働かないと決めたのに、何をやっても才能がバレてしまう——。農村で静かに暮らすはずが、魔力、農業、医療……気づけば誰も放っておかない。チートで穏やか系の異世界スローライフ。

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

最安もふもふ三匹に名前をつける変な冒険者ですが、この子たちの力を引き出せるのは私だけです ~精霊偏愛録~

Lihito
ファンタジー
精霊に名前をつける冒険者は、たぶん私だけだ。 うさぎのノル、狐のルゥ、モモンガのピノ。三匹とも最安の契約で、手のひらに乗るサイズ。周りからは「手乗り精霊で何ができる」と笑われている。 でも、この子たちへの聞き方を変えるだけで、返ってくる答えはまるで違う。三匹の情報を重ねれば、上位の精霊一体では見えないものが見える。 上位パーティが三度失敗した大型討伐。私は戦わない。ノルに地中を、ピノに上空を、ルゥに地上を調べさせて、答えを組み上げる。 ——この世界の精霊の使い方、みんな間違ってませんか?

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~

咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」 卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。 しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。 ​「これで好きな料理が作れる!」 ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。 冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!? ​レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。 「君の料理なしでは生きられない」 「一生そばにいてくれ」 と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……? ​一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです! ​美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

追放先で気づいた。この世界の精霊使いは全員、聞き方を間違えている~最安もふもふ白狐と始めた、問いかけの冒険~

Lihito
ファンタジー
精霊と暮らす世界で、ノエルはギルドを追い出された。処理ミスは誰より少ない。でも「やりづらい」の一言で、理由には足りた。 手元に残ったのは、最安で契約した手のひらサイズの白い子狐だけ。言葉はたどたどしいし、力もない。誰が見ても「使えない」と笑う精霊だ。 たどり着いた町では疫病が広がっていた。高額な精霊が三度探して見つからない薬草。ノエルは最弱の白狐と半日で見つけ出す。 力で勝ったんじゃない。聞く範囲を絞り、段階を分け、小さな鼻に合った問いを重ねただけ。 ——なぜこの世界では、誰も精霊への「聞き方」を知らないのか。 その違和感が、ノエルの旅を動かしていく。

処理中です...