【1部完・2部準備中】人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ

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第53話 あれ? もしかしてあのときのっ!

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「ふぅぅ……」

いつものお庭の空気が、すこしだけきらっとしたかんじ。
昨日は、久しぶりにファランさまとたくさんお話できたし。いろいろ珍しいところを見て回れたしぃ、なんだか満足。

「なによりぃ、きらわれてなかったのおっきい!」

そう、なんとぼく、ファランさまに嫌われてなかった!!
前、急にお約束なしになったのは、ほんとにただの用事だったみたい。

「よかったぁぁぁよねぇぇぇ」

ほーーっと、むねをなーでなでだ。お庭散歩の足取りも軽くなるってもんだ、うん。

「今日もお花、きれぇぇぇだねぇぇ」

るんるんのるんで、さくさくっと噴水のところまでたどり着いてしまう。

と――

「ええっ」

誰かいるぅ。誰か、いつもいない人がぁ、いるぅぅぅ!

「えぇぇ……だれぇぇぇ……」

なんで、ここにいるのぉぉぉ……?
この人、ってぇ……どこかでみたような……?

「あっ!!」

前に、脱出経路をさがしていったときの――

「大門のところにいた、門番さんーーー!!」
「え……?」

ああっ! しまった、おっきな声でちゃった! し、気づかれたぁぁ!!

「ああ! サファさま。あのあと、無事に帰られましたか?」
「え……は、はい」

今気づきました、にこ。じゃないのよ、なんでぇ、門番さんここにいるのぉぉ?

えっ、えっ、えええぇ~~~!?!?  
もしかして……ぼくのことぉ、探しにきたっ!?!

「え、え、あの。門番さん、なんでここに!? 門のとこにいないんですか?」
「あ、ええ、はい」

んんー? なんでちょっと、あはは……みたいな感じなのぉ? 困った? なんか困ること、ぼく言った?

「いつも門番というわけではなくて、この周辺の巡回警備をすることもあるんです」
「じゅん、かい……」
「はい。今日はその日で」
「じゃあ、ぼくを見張りにきたとかでは……?」
「え? サファさまを……?」

きょとん、きょとんてした! 門番さん。いや、巡回警備さん。
あれ? あれれ? ほんとに違うのかな? え、うそではなく?

「私どもは悪いものは見張ったりしますが、サファさまのことを見張ったりなどしませんよ」
「どっきーーーん!」

王宮からの脱出経路をさがしてウロウロしたのは、ちょっと悪いですよね?
え? だからやっぱり、ぼくのこと見張りに来ましたってことぉぉ!?
遠回しな見張り宣言ってことぉぉぉ?


「どっきーん、ですか……?」
「あわわ……な、なんでもないよっ」

まずい、変な目で見られちゃう……っていうか、ますます?疑われちゃうぅぅ!

「あのあの、じゃあ今日はたまたま、ここのお庭のとこを通ったの?」
「はい。ここも巡回ルートですので。少ししたらまた移動します」
「ええっ!」
「……? なにか?」
「じゃあ、今までもここ、通ってたの?」
「はい。3日に1度は」
「ええっ!!」
「え、あの、どうかされました?」
「ぼくぼく、ここ、毎日みたいにお散歩してるけど、会うのはじめてだね?」
「あ、そうですね。なかなかタイミングが合わなかったのでしょう」

そんなしょっちゅう通ってたの? なのに今日まで会わなかったのぉぉ!?
えぇぇぇ!

「わーー、そっかぁ。じゃあ今日あったのは、ぐうぜんだね! わぁ」
「あはは、そうですね」

なんか、そんなに会わなかったのに、偶然なのはちょっと、謎にテンション上がるね?
一緒におやつでも食べたい気分。

「あ、そうだっ!」

ポケットをガサゴソガサ――

「あれ、ない!?」
「……?」

もいっかい、念入りにガサゴソガサガサ――

「あったぁぁ!」

なんだろー?の顔で目をパチパチしてる警備兵さんに、はいーと手を出す。

「これぇ、あげる!」
「えっ」

噴水のところで食べようと思ってた、おやつ!

「クッキーきらい? キャンディも?」
「いえ、全然。甘いものはむしろ好きで……あ、いえ」
「じゃあ、あげるー! これぇ、おいしいよぉ。おすすめ」
「え、でも……そんな、いただくわけには?」
「えっ」
「え?」
「なんで?」
「なんでって……」

まさかっ、やっぱりぼくが見張り対象の悪い人だから!?

「ぼくからもらったら、ダメ……?」

どうしよぉぉぉ……ぼく、悪い人認定されてるのかなぁぁ……? どぉぉぉしよぉぉぉぉ!?

「いえ! いえ、ぜんぜんそんなことはっ」

あわわ、焦るのはいいけど、盾持った手をブンブンしない方が。

「え、じゃああげるー! あとでぇ、きゅうけいのときに、たべてっ!」
「わ、え、はい! いただきますっ! わぁ」

警備兵さんはおどおどって受け取って、目をキラキラってさせた。

思ったより嬉しそぉ?

「えへへ。じゃああ、じゅんかいのお仕事ぉ、がんばってねぇぇ?」
「はいっ! ありがとうございますっ!」

警備兵さんは、何度も何度もお辞儀をしながら歩いてく。律儀。

「……っていうかあれ?」

ぼく、ほんとにこれ、だいじょうぶなやつ? 見張られてない?

「うーーーん」

まぁ、今日のところは、警備兵さんもニコニコだったので、よし!

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