【2部開始】人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ

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第1部

第88話 この先どーする!?


「はぁ……」

しっぱい。せっかくファランさまと王宮探索だったのに、ぼくがワタワタしちゃって、終わり。
「疲れたか? たくさん歩いたからな。今日は終わりにしよう」って心配させちゃうし。

「はぁぁぁぁぁ……」

ほんとぼく、ってばダメダメだ。
ファランさまの言った引っ越しだって、ぼくのこととは限らないのに。

もう、探索切り上げにがっかりで、そーっと部屋に帰ってそーっとベッドの隅っこだ。

……? そういえば、なんかみんなバタバタしてたけどどうかしたのかな。
ちょっと見てこようかな。

んん? 侍女さんたちも、お部屋の人たちも、なんか……忙しそう?

「アン、お召し物はここ全部いっしょでいいかしら?」
「そうね、ドゥ。あとこっちと、向こうの衣装棚もあるから、少し急ぎましょうか」

え? 服のお片付け? ななな、なんで……?

「ここの家具は、全部どかさないとダメだな」
「そうだな。絨毯と、カーテンもだから――」

あぇ? えええ? 家具、全部どかすってなんで? え?

『要らなくなったりすると、引っ越したり片付けたり――』
『こちらも、そろそろ部屋を変えないといけないだろうな……』

ん、ま……ま……まさか……まさかまさか、ほんとのほんとに――

ぼく、お片付け!?!?

いらなくなったり、ここにいたら困る人を片付ける……幽閉ってやつ!?

ああああん! なんでぇぇぇぇ!?
ひ……人質のぼくがいらなくなって幽閉ってことは……

それって、つまり――

ぼくの国と、ここの国、もう仲良し終わり!

これからバッキバキにケンカしますってこと!?

うぎゃーーー!!

「どどど、どうしよう! うさたん! たいへん、たいへんだよっ!?」

うさたんをギュッとしても、今日ばっかりはちょっと落ち着かない。
いつも通り、うさたんはふわふわで最高のはずなのに。なのに……

「あああ、どうしよう。ぼく、このままお片付けされて、国と国のおおゲンカ、見てるしかない!?」
「ぼく、どうしたらいい?」

うさたんに聞いても、ふわふわきゅるーん、だ。

「はわわわわ、どどどど、わわわわわ――」

ジタバタしてたらベッドに、ぽすん。そのうえにうさたんが、ぱふん。

「う、うさたん……」

ぼくの顔の上に落ちてきたうさたんがふわふわしてる。
そ、そうだ。ジタバタしててもしょーがない。
落ち着いて、ぼく! なんかできることがないか、ちゃんと考えないとっ!

***

「あの、あのねぇ……いらなくなって片付けたものって、なにがあったら元にところに戻す?」
「片付けたものですか? それはもちろん、また必要になったらですね」

必要になったら……なるほど。

「本気でいらないものはすぐ捨てますからね。必要になったら新しいのをまた買えばいいですし」

す、すてる……すてるのか。それはぼくの場合、処されて終わりっていう、そういうことかな……

どうにか、要らなくないよ、要るよ、っていうアピールができないとダメかも。


そしたらそしたら、ぼくの国とこの国が、ケンカにならなければいいかも!
そしたらぼく、まだお役御免の不用品にならないでしょ……?
人質としてでも、必要でしょ?

となると――

「あのねぇ、おしえてほしいんだけどぉ、ケンカになりそうなのはどうやって止めたらいい?」
「あら、誰かケンカになりそうなんですか? 大人の人に言って、なだめてもらうのはどうでしょう?」

「おとなのひと……ぼく、ぼくができることはナシ、なかんじ?」
「サファ様なら、仲良くしよ、いっしょに遊ぼ、って言うだけで大丈夫ですよ」

「え、え、それだけで大丈夫? あのあの、ぼくのこと、嫌いな人だったら……?」
「ええ、サファ様のこと誰もきらったりしませんよ。大丈夫、心配しないでください」

「そ、そう? ありがと」

うーんうーん……

よし、もうちょっとがんばって調査しようっつ!

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