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一回目
一話
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僕は電車に乗り込んだ。いつもと変わらない風景。まだ眠い。僕は退屈で平凡な日常に飽き飽きしていた。しかし、満足していた。日常とは繰り返されている。刺激が少ないもの。もう割り切っている。
次は△△△駅~。時計を見たら8時15分だった。僕は駅名をアナウンスされると時計を見る癖があった。人間は一生の間にどれくらい時計をみるのだろう。わからないから僕は考えるのをやめた。ドアから可憐な少女が乗ってきた。その少女は白いワンピースを着ていた。僕はその少女をずっと見ている。僕の目線を彼女が奪うのはどうしてなのか。彼女が醸し出す雰囲気なのか。学生服とスーツ姿であふれている電車の中で異質な服装を着ているからか。彼女のそのきれいな黒髪なのか。彼女の小さな顔が整っているからなのか。それとも黒魔術か、、、僕にはわからない。しかし、彼女は魅力的だった。
次は〇〇〇駅~。8時26分。彼女が電車を降りようとしている。学校の最寄り駅までたどり着いていないが僕は電車を降りた。異質な彼女はどこに行くのか知りたかった。彼女は改札を降り、駅の南口から歩いていく。彼女の後を追う。
彼女は大通りから外れた道へ歩いて行った。僕もついていく。彼女は右折した。僕のほうをちらっと見た気がする。僕は彼女をこれ以上追うのは怖かった。彼女に怖いと思われることが怖かった。僕は駅のほうに引き返そうと決めた。その瞬間、彼女は右折したはずの道から飛びだしてきた。それと同時に僕の口を水が覆った。呼吸ができない。若い金髪の男が彼女の後ろにいる。彼女は手を合わせていたずらな顔で「ごめんね」と口パクをする。男は僕を汚くて小さい野良犬を見るかのような目で僕を見ながらこう言った。
「なんだ、ガキじゃねーか。こんなガキは金なんか持ってないぞ。」
僕は日常を感じた。差別される日常。力持つものは力なき者を搾取する。一方的に。僕は嬉しかった。生きている実感がする。差別、暴力、理不尽、なんて人間らしい行為。しかし、僕はこの状況を打破するすべを持っていなかった。僕の口を覆ている水魔法は男のものなのか、少女のものなのか。男は言った
「はやく、倒れてくれよ。ここでお前が頑張っても意味がないんだよ」
男の方へゆっくり歩いていく。無意識に言葉が僕の頭をめぐる。意識が朦朧とする。
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次は△△△駅~。時計を見たら8時15分だった。僕は駅名をアナウンスされると時計を見る癖があった。人間は一生の間にどれくらい時計をみるのだろう。わからないから僕は考えるのをやめた。ドアから可憐な少女が乗ってきた。その少女は白いワンピースを着ていた。僕はその少女をずっと見ている。僕の目線を彼女が奪うのはどうしてなのか。彼女が醸し出す雰囲気なのか。学生服とスーツ姿であふれている電車の中で異質な服装を着ているからか。彼女のそのきれいな黒髪なのか。彼女の小さな顔が整っているからなのか。それとも黒魔術か、、、僕にはわからない。しかし、彼女は魅力的だった。
次は〇〇〇駅~。8時26分。彼女が電車を降りようとしている。学校の最寄り駅までたどり着いていないが僕は電車を降りた。異質な彼女はどこに行くのか知りたかった。彼女は改札を降り、駅の南口から歩いていく。彼女の後を追う。
彼女は大通りから外れた道へ歩いて行った。僕もついていく。彼女は右折した。僕のほうをちらっと見た気がする。僕は彼女をこれ以上追うのは怖かった。彼女に怖いと思われることが怖かった。僕は駅のほうに引き返そうと決めた。その瞬間、彼女は右折したはずの道から飛びだしてきた。それと同時に僕の口を水が覆った。呼吸ができない。若い金髪の男が彼女の後ろにいる。彼女は手を合わせていたずらな顔で「ごめんね」と口パクをする。男は僕を汚くて小さい野良犬を見るかのような目で僕を見ながらこう言った。
「なんだ、ガキじゃねーか。こんなガキは金なんか持ってないぞ。」
僕は日常を感じた。差別される日常。力持つものは力なき者を搾取する。一方的に。僕は嬉しかった。生きている実感がする。差別、暴力、理不尽、なんて人間らしい行為。しかし、僕はこの状況を打破するすべを持っていなかった。僕の口を覆ている水魔法は男のものなのか、少女のものなのか。男は言った
「はやく、倒れてくれよ。ここでお前が頑張っても意味がないんだよ」
男の方へゆっくり歩いていく。無意識に言葉が僕の頭をめぐる。意識が朦朧とする。
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