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ある日のバレンタインデー
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時間が経つのも早いもので伊莉愛との遊園地デートから一か月が過ぎ、2月も半月経とうとしていた。
社長が早くも新曲を出したいとの事で3月3日にセカンドシングルの発売に向けて動き出していた、デビューシングル『アイドルのたまご』も売れ残っている中で新曲を出すのもどうかと思ったが前向きに考え動いていた。
朝7時、自室でノートパソコンを前に仕事をしているとドタドタドタと階段を上ってくる音が聞こえてくる、この音は前髪を横分けにしていて、八重歯がトレードマークのプリフォー一元気のいい娘に違いないと思っているとノックも無しにドアをガチャリと開けて。
「かえるー! おはよう、これ上げるー、じゃあねー!」
早口でそう言い放つと、バタンとドアを閉め、赤いランドセルを背負った少女が去っていった。
何だあいつ? するとコンコンっとノックする音が聞こえる。
「空いているよ~」
「失礼します」
声の主は何故かムッとした顔をして、
「これをどうぞ、手作りです、初めて作ったので上手くできませんでしたが文句は受け付けていません、マネージャーさんのおかげもあって高校も推薦が決まったので感謝のしるしとして義理で作りました、では学校あるので失礼します」
バタン、ドアが閉まり去っていく美少女、唖然としていると五分もしないうちにガンガンガンとノック音が鳴りドアが開く、ショートカットが似合う美少女が現れる。
「大人のデートに連れて行ってもらうためにも来月のセカンドシングル、絶対成功させましょうね!」
ハイこれ、そう言ってリボンのついた四角の箱を渡しすぐその場を離れた。
・・・・・・。
「さっきから何なんだ?」
そう小さな声でつぶやくと、
コンコンコン、コンコンコンとノックする音が聞こえたので空いているよと声をかける。
「お兄ちゃん、おはよ~」
今日は何だ? みんな学校があるだろうに朝っぱらからやってきて・・・・。
「はいこれ~、手作りだよ、味わって食べてね」
食べ物? 考え込んでいる俺をよそに頬を染めた美少女は去っていった。
受け取った品の包装紙を剥がし中身を見ると、
『お兄ちゃん大好き♡』
そう書かれたハート型のチョコレートを見て今日が2月14日バレンタインデーだと気付く。
休みの日に持ってきてくれても全然良いのにわざわざ今日持ってきてくれるとは、皆良い子達だなと思ったよ。
事務所内、社長がプリフォーから貰った板チョコを頬張りながら厳しい目つきで話しかけてくる。
「デビュー曲が思ったより売れてない、だが今回は良い曲が書けた、セカンドシングル『IRONY HEART』で挽回するぞ!」
「はい、もう一度ショップ等回ってCD置いてもらうように頼んでみます」
「しかし還流よリルの机の上見てみろ」
リルの机の上にはプリフォーが持ってきていたチョコレートが置かれていた。
「これがどうかしました?」
「私との差は何だ! どう見てもリルのやつの方が豪華な感じではないか! 社長の私が板チョコだぞ、これが怒らずにいられるか!」
「まぁリルはモテますから」
「あいつらは私とお前をなめている、マネージャーのお前がしっかり教育しておけよ、それも仕事の内だからな!」
ブツブツ言う社長に俺も板チョコじゃなく箱に入った良い感じのチョコだとは言えるわけもなく今日一日をやり過ごした。
社長が早くも新曲を出したいとの事で3月3日にセカンドシングルの発売に向けて動き出していた、デビューシングル『アイドルのたまご』も売れ残っている中で新曲を出すのもどうかと思ったが前向きに考え動いていた。
朝7時、自室でノートパソコンを前に仕事をしているとドタドタドタと階段を上ってくる音が聞こえてくる、この音は前髪を横分けにしていて、八重歯がトレードマークのプリフォー一元気のいい娘に違いないと思っているとノックも無しにドアをガチャリと開けて。
「かえるー! おはよう、これ上げるー、じゃあねー!」
早口でそう言い放つと、バタンとドアを閉め、赤いランドセルを背負った少女が去っていった。
何だあいつ? するとコンコンっとノックする音が聞こえる。
「空いているよ~」
「失礼します」
声の主は何故かムッとした顔をして、
「これをどうぞ、手作りです、初めて作ったので上手くできませんでしたが文句は受け付けていません、マネージャーさんのおかげもあって高校も推薦が決まったので感謝のしるしとして義理で作りました、では学校あるので失礼します」
バタン、ドアが閉まり去っていく美少女、唖然としていると五分もしないうちにガンガンガンとノック音が鳴りドアが開く、ショートカットが似合う美少女が現れる。
「大人のデートに連れて行ってもらうためにも来月のセカンドシングル、絶対成功させましょうね!」
ハイこれ、そう言ってリボンのついた四角の箱を渡しすぐその場を離れた。
・・・・・・。
「さっきから何なんだ?」
そう小さな声でつぶやくと、
コンコンコン、コンコンコンとノックする音が聞こえたので空いているよと声をかける。
「お兄ちゃん、おはよ~」
今日は何だ? みんな学校があるだろうに朝っぱらからやってきて・・・・。
「はいこれ~、手作りだよ、味わって食べてね」
食べ物? 考え込んでいる俺をよそに頬を染めた美少女は去っていった。
受け取った品の包装紙を剥がし中身を見ると、
『お兄ちゃん大好き♡』
そう書かれたハート型のチョコレートを見て今日が2月14日バレンタインデーだと気付く。
休みの日に持ってきてくれても全然良いのにわざわざ今日持ってきてくれるとは、皆良い子達だなと思ったよ。
事務所内、社長がプリフォーから貰った板チョコを頬張りながら厳しい目つきで話しかけてくる。
「デビュー曲が思ったより売れてない、だが今回は良い曲が書けた、セカンドシングル『IRONY HEART』で挽回するぞ!」
「はい、もう一度ショップ等回ってCD置いてもらうように頼んでみます」
「しかし還流よリルの机の上見てみろ」
リルの机の上にはプリフォーが持ってきていたチョコレートが置かれていた。
「これがどうかしました?」
「私との差は何だ! どう見てもリルのやつの方が豪華な感じではないか! 社長の私が板チョコだぞ、これが怒らずにいられるか!」
「まぁリルはモテますから」
「あいつらは私とお前をなめている、マネージャーのお前がしっかり教育しておけよ、それも仕事の内だからな!」
ブツブツ言う社長に俺も板チョコじゃなく箱に入った良い感じのチョコだとは言えるわけもなく今日一日をやり過ごした。
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